バッファの意味とは?ビジネスからラジオまで、業界別の意味も解説!

言葉

バッファとは「衝撃を緩和(かんわ)するもの」という意味です。

ビジネス用語やIT用語、はてはYouTubeやradikoなどの動画・音楽ストリーミングサイトでも使われる用語のため、意味が気になっている方も多いと思います。

難しい言葉に見えますが、言葉の大まかなイメージをつかむことで、業界ごとの使われ方も覚えやすくなります。

この記事では、バッファの意味や、業界ごとの使われ方、そして「バッファメモリ」などの関連語も紹介します。

「バッファ」の意味

バッファ

衝撃を緩和するもの

例:日程にバッファを持たせていたから、なんとかなった。

バッファとは「衝撃を緩和するもの」という意味です。バッファーと書かれることもあります。

「緩衝(かんしょう、衝撃を緩和すること)」という意味の英語 “buffer” から生まれたカタカナ用語です。

もともとは鉄道の車両間の衝撃を緩和する装置のことをバッファと呼んでいましたが、それが転じて、衝撃を緩和するもの全般を「バッファ」と呼ぶようになりました。

さらには、「衝撃を緩和する」という意味が派生して「余裕」や「ゆとり」という意味でも使われます。

このように、バッファはさまざまな業界で「衝撃を緩和するもの」「余裕」「ゆとり」などのニュアンスで使われています。業界ごとの意味は次の通りです。

業界の種類意味
ビジネス①ゆとり、余裕
②予備人員/品物
③サポート役
人間関係/国際関係①仲介役/緩衝(かんしょう)役
②緩衝国
IT業界機械の間でデータを受け渡しする際の一時的な記憶場所・保存領域
工業部品衝撃を和らげる装置や部品、機構
金融業界資金的な余裕
ストリーミング再生サイト配信予定の動画や音楽をあらかじめある程度ダウンロードしておき、滑らかに視聴できるようにすること
生物化学緩衝液
美容(「バッファー剤」の形で)髪のpHを弱酸性から中性に調整するトリートメント
音楽業界ギターやベースにエフェクターを繋ぐときの、信号変換のこと

いずれも「衝撃を緩和するもの」「余裕」などの意味から派生した使われ方になっています。

オンラインゲーム用語の「バッファー」

オンラインゲーム用語の「バッファー」は、強化魔法をかけることに特化しているキャラクターのことです。

これは衝撃を緩和する「バッファ」とは関係がなく、自分や他のキャラクターの能力を上げることを意味する「バフ(buff)」に、人を意味する接尾語「-er」がついて、このような使われ方をし始めました。

「バッファ」の使い方


バッファは、業界ごとに以下のように使われます。

業界の種類例文
ビジネス①日程にバッファを持たせておいてよかったよ。
②資料の印刷枚数にバッファはある?
③このチームでは、私がバッファとなります。
人間関係/国際関係①我が社と〇〇社のバッファになって欲しい。
②強国に挟まれて独立を保っているタイは、バッファ・ステートと呼べるだろう。
IT業界プリンターにはバッファ用の記憶装置が備わっている。
工業部品バッファがあるおかげで、電車で激しい揺れを感じなくて済んでいる。
金融業界資本保全バッファーを用意しておくことで、厳しい状況でも銀行の経営を続けられる。
ストリーミング再生サイトバッファ時間を長めに取ると、映像が途中で途切れなくなるが、データは重くなる。
生物化学バッファに酸やアルカリを加えてもpHはあまり変化しない。
美容バッファー剤を使うことで、髪を中性に保つことができる。
音楽業界バッファー用の機材があると、ノイズを減らすことができる。

上の例文のように、基本的には「衝撃を緩和するもの」または「余裕」と読み替えても意味が通じる文章が多いです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

使い方①:ビジネスでの使い方

ビジネスでは、主に「ゆとり」「余裕」という意味で使われます。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
  1. 日程にバッファを持たせておいてよかったよ。
  2. 資料の印刷枚数にバッファはある?
  3. このチームでは、私がバッファとなります。
①と②の文では、バッファは「余裕」という意味で使われています。

①では日程、②では印刷する書類の枚数に余裕を持たせています。他にも人員や在庫に対しても使います。

さらに、「余裕」という意味が派生して、③では「サポート役」という意味でバッファが使われています。

このように、大体は「余裕」と言い換えても意味が通じます。

ビジネスでバッファを持たせる意義

ビジネスにおいては、バッファを取ることが大事です。

理由としては、

  • 不測の事態に備えやすい
  • しっかり質の高いものを作ることができる
  • 予定より早く完成すると取引先から喜ばれる

などが挙げられます。

使い方②:人間関係/国際関係での使い方

人間関係/国際関係では、主に「仲介役」「緩衝国」という意味で使われます。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
  1. 我が社と〇〇社のバッファになって欲しい。
  2. 強国に挟まれて独立を保っているタイは、バッファ・ステートと呼べるだろう。
①は交渉などの場における使い方です。たとえば、企業があまり近しくない他社に協力を求めたいときなどに、両社と近しい関係にある別の企業に間に入ってもらうことがあります。この企業を「バッファ」と呼びます。

②は、主に戦争などが多い地域や時代において、強国に挟まれて独立を保っている小国のことを「バッファ」や「バッファ・ステート」と呼ぶことを表した文です。

たとえば、19世紀末、タイはイギリスとフランスの植民地に挟まれながらも独立を保っていました。

このように、人間関係や国際関係においては「緩衝役」の意味が強くなります。

使い方③:IT業界での使い方

IT業界では、主に「一時的なデータの保存領域」という意味で使われます。

正しくは「バッファメモリー」ですが、省略してバッファと呼ばれることも多いです。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
  1. プリンターにはバッファ用の記憶装置が備わっている。
  2. バッファストレージが足りておらず、データを処理することができない。
②のバッファストレージとはコンピューターの一時的なデータ保存領域のことで、「バッファ」と同じ意味です。
電子機器にバッファが必要な理由

電子機器はそれぞれ異なる処理速度を持っており、装置間でデータをやり取りするときにタイムラグが生じます。

そのため、一時的にデータをどこかに保存しておき、それぞれの機器の処理速度に合わせてデータの保管や送信を行う必要があります。その役割を担うのがバッファメモリー、略してバッファです。

たとえば、パソコンのデータ送信速度とプリンターのデータ印刷速度はかなりの差があります。そこで、プリンターにバッファを搭載し、データを一時的に保存しておくことで、印刷速度に合わせてデータを出すことができます。

「バッファオーバーフロー」の意味
バッファオーバーフローとは、用意されているバッファよりも大きな量のデータが入力されてしまうことを指します。

別名「バッファオーバーラン」とも言います。

サイバー攻撃として悪意を持ってなされることもあるため、注意が必要です。

使い方④:工業部品に関する使い方

工業部品の分野では、主に「衝撃を和らげる装置や部品、機構」という意味で使われます。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
バッファがあるおかげで、電車で激しい揺れを感じなくて済んでいる。

ここでのバッファは「鉄道の車両同士の接続部分に設けられた機構」という意味です。つまり、上記の例文は、車両の間に衝撃を和らげる部品がある、という意味の文です。

他にも、エレベーターなどでも、地面にぶつかったり天井にぶつかったりした際の衝撃を緩和する装置が取り付けられています。

使い方⑤:金融業界での使い方

金融業界では、主に「資金的な余裕」という意味で使われます。

よく使われる用語としては「資本保全バッファー」「資本バッファー比率」などが挙げられます。いずれもバッファーを「余裕」と読み替えれば問題はありません。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
資本保全バッファーを用意しておくことで、厳しい状況でも銀行の経営を続けられる。

ここで言う「資本保全バッファー」とは、資本を株や給与などの形で流出させず、社内に蓄えておくことを言います。

使い方⑥:ストリーミング再生サイトでの使い方

ストリーミング再生サイトでは、主に「配信予定の動画や音楽をあらかじめある程度ダウンロードしておき、滑らかに視聴できるようにすること」という意味で使われます。

用語としては「バッファ時間」「リバッファ(リバッファリング)」などがあります。

リバッファとは、動画や音楽の再生中に再度バッファが発生することで、たとえばYouTubeなどの視聴中にぐるぐる回る円が出てきているときなどはリバッファ中だと言えます。

バッファを多くすればするほど、動画を視聴する前にかかる時間は長くなりますが、視聴中のストレスは減ります。radikoなどのラジオ配信アプリでも導入されています。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
バッファ時間を長めに取ると、映像が途中で途切れなくなるが、データは重くなる。

使い方⑦:生物化学分野での使い方

生物化学分野では、主に「緩衝液」という意味で使われます。

緩衝液とは、外から酸や塩基を足してもpHが大きく変わらない液体のことで、弱酸とその塩基や弱塩基とその酸を混ぜた混合水溶液が使われます。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
バッファに酸やアルカリを加えてもpHはあまり変化しない。

使い方⑧:美容業界での使い方

美容業界では、主に「バッファー剤」という用語が使われます。バッファー剤は、「髪のpHを弱酸性から中性に調整するトリートメント」のことです。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
バッファー剤を使うことで、髪を中性に保つことができる。

使い方⑨:音楽業界での使い方

音楽業界では、「ギターやベースにエフェクターを繋ぐときの信号変換」という意味で使われます。

専用のコードや機材を使うことで、うまく楽器からの信号を変換し、ノイズを減らしたりすることができます。

具体的な例文としては、以下が挙げられます。

例文
バッファー用の機材があると、ノイズを減らすことができる。

「バッファ」の語源


バッファの語源は英語の “buffer” です。

“buffer” は「緩衝装置」「緩衝液」「緩衝国」「やわらげる」「緩和する」などの意味を持つ単語で、それがカタカナ用語として日本にも定着しました。

日本では、初めはコンピューター用語や工業部品関連の用語として流通しました。その後、徐々にビジネス用語などにも広がっていきました。

英語の “buffer” の意味

英語の “buffer” は、もっと広いニュアンスで使われており、何かしらの悪影響を防ぐものに対しては概ね使うことができます。

よく使われるのは “buffer stock(余分な在庫)” です。

なお、bufferには「老いぼれじじい」という意味もあるので、使い方には注意しましょう。

「バッファ」の類義語


バッファには以下のような類義語があります。

  • 余裕
    物事や気持ちにゆとりがあること
  • ゆとり
    物事に余裕があり、窮屈ではないこと
  • 余剰
    資源などが余っていること
  • 余地
    物事をさらに行えるゆとりのこと
  • クッション
    もの同士の間に挟まって衝撃を緩和するもの
  • 調停役
    二人以上の間に立って調整などをすること
  • 仲介役
    二人以上の間に立って紹介などをすること
  • バランサー
    物事のバランスを取る人のこと
  • 一次記憶装置
    一時的にデータを置いておく場所
  • 緩衝器
    衝撃を緩和するための機材のこと
  • 緩衝装置
    衝撃を緩和するための機材のこと

「バッファ」のまとめ

以上、この記事ではバッファについて解説しました。

英語表記バッファ(buffer)
意味衝撃を緩和(かんわ)するもの
語源英語の “buffer” から
類義語余裕、ゆとり、余剰など

いろいろな業界で専門用語として使われている言葉ですが、基本となる「緩衝」「余裕」という意味を把握しておけば、意味を大体把握することができます。

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日英バイリンガル東大生。 10年間小説を書き続けているため、文章力には自信があります。 いくつかの小説投稿サイトで掲載/連載している他、教育系NPOでもライターをしています。