「髭」も「髯」も「鬚」も「ひげ」と読みますよね。どれも顔に生える「ひげ」のことを表していますが、実は漢字によってしっかりとした区別があります。この記事ではその違いを詳しく解説していきます。
結論:「ひげ」が生えている場所が違う
「髭」は、ひげ全般、また、特にくちひげのことを指します。
「髯」は、ほおのひげのことを指します。
「鬚」は、あごひげのことを指します。
「髭」をもっと詳しく
「髭」はひげのなかでも特にくちひげのことを指します。「髭」はひげを漢字で表すときに一番よく使われる漢字ですが、区別するときにはくちひげを表します。
くちひげは顔の中心にあり目立つ部分です。髭は全て定期的に剃るという人も多い一方、ファッションとしてくちひげを伸ばす人もしばしばいます。
くちひげは鼻と口の間に生えるひげです。
漢字の由来
髭の上の部分、部首である「髟(かみがしら)」は髪の毛を表します。
その下についている「此」はギザギザとして不揃いな様を表しています。
「髯」をもっと詳しく
「髯」はほおひげを指します。ほおひげは、耳の前側から顔の輪郭に沿って顎のあたりまで生えている毛です。
顔の輪郭を覆うように生えるのが特徴です。
漢字の由来
上の部分は「髭」同様髪の毛を表しています。
下の「冉」はやわらかいひげが左右に垂れている様子を表す象形文字です。柔らかいほおひげを表しています。
「鬚」をもっと詳しく
「鬚」はあごひげを指します。あごひげは口の下から顎にかけて生えている毛です。
顎の下に長く伸ばす人も多いです。仙人の下に長く垂れたひげのイメージです。
漢字の由来
上の部分は「髭」と同様に髪の毛を表しています。
「須」は元々、あごひげの垂れた老人を表す象形文字でした。のちに、長い毛やたくさんの毛を表す「彡」とあたまを表す「頁」でやわらかいあごひげを表すようになったと言われています。
まとめ
以上、この記事では、「髭」「髯」「鬚」の違いについて解説しました。
- 髭:ひげ。また特にひげのなかでもくちひげのこと
- 髯:ほおひげのこと
- 鬚:あごひげのこと
ひげは場所によって漢字が違いますが、英語でも場所によってひげの呼び方が違います。くちひげは “mustache” ほおひげは “whiskers” あごひげは “beard” といいます。区別をせず、単にひげと言いたいときには “beard” が使われます。漢字の違いだけでなく英語の違いも覚えてみてください。