「盆と正月が一緒に来たよう」の意味とは?英語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「盆(ぼん)と正月が一緒に来たよう」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「盆と正月が一緒に来たよう」をざっくり言うと……

読み方盆(ぼん)と正月が一緒に来たよう
意味非常に忙しいこと・良いことが重なること
由来盆や正月は1年の中で一番忙しい時期であることが由来
類義語盆と祭りが一緒に来たよう
対義語月雪花は一度に眺められぬ
英語訳Two Sundays come together.(2つの日曜日が一緒に来る。)

「盆と正月が一緒に来たよう」の意味をスッキリ理解!

盆(ぼん)と正月が一緒に来たよう:非常に忙しいこと

「盆と正月が一緒に来たよう」の意味を詳しく

「盆と正月が一緒に来たよう」は非常に忙しいという意味のことわざです。また、喜ばしいことが立て続けに起こることも表します。

「盆と正月が一時に来たよう」や「盆と正月が一度に来たよう」とも言います。

盆は、ご先祖様を迎えて、供養をする行事です。正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)または盂蘭盆(うらぼん)と言います。一方、正月は歳神様(としがみさま)を歓迎する行事です。歳神様とは、1年の初めに健康や豊作を約束してくれる神様です。

「盆と正月が一緒に来たよう」の使い方

  1. たくさんの料理の注文が同時に来たため、厨房内は盆と正月が一緒に来たようだ。
  2. さっきまで店内は空いていたのに、私が入ったあと急に混雑しだした。そのため、店員さんは盆と正月が一緒に来たような様子だ。
  3. 姉は結婚が決まり、私は就職が決まった。まさに盆と正月が一緒に来たようだ。

①・②の例文は非常に忙しいという意味で「盆と正月が一緒に来たよう」を使っています。

一方、③の例文は嬉しいことが立て続けに起こるという意味で「盆と正月が一緒に来たよう」を使用しています。

「盆と正月が一緒に来たよう」の由来

「盆と正月が一緒に来たよう」の由来は2つあります。

1つは、盆と正月の時期が忙しいことです。

昔から、盆はご先祖様を供養するために、お墓参りや法要を行います。また、正月は歳神様を迎えるために、しめ縄や鏡餅などを飾ります。そのため、盆と正月は1年の中で非常に忙しい時期でした。

「盆と正月が一緒に来」ると、それぞれの行事の仕事を、同時にこなす必要があります。このことから、非常に忙しいことを表すことわざになりました。

 

もう1つは、江戸時代の習慣です。

江戸時代には藪(やぶ)入りという習慣がありました。藪入りとは、商人の家などで住み込みで働いていた奉公人(ほうこうにん)たちが、実家に帰ることのできる休暇です。その休暇が盆と正月でした。

奉公人は現在のように、「5日働いて2日休む」ということができませんでした。そのため、年に2回の盆と正月の休暇は奉公人にとって、非常に貴重で嬉しいものだったのです。

このことから、「嬉しいことが重なること」を「盆と正月が一緒に来たよう」と表現しました。

「盆と正月が一緒に来たよう」の類義語

「盆と正月が一緒に来たよう」には以下のような類義語があります。

  • 盆と祭りが一緒に来たよう:「盆と正月が一緒に来たよう」と同じ意味

「盆と正月が一緒に来たよう」の対義語

「盆と正月が一緒に来たよう」には以下のような対義語があります。

  • 月雪花(つきゆきはな)は一度に眺められぬ:良いこと・幸運なことなどを一度に経験することはできないという意味

月は秋・雪は冬・花は春が見頃です。それぞれ旬の時期が違うことから、「月雪花は一度に眺められぬ」は「良いことがまとまって起こるのはあり得ない」という意味になりました。

「盆と正月が一緒に来たよう」の英語訳

「盆と正月が一緒に来たよう」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Two Sundays come together.
    (2つの日曜日が一緒に来る。)
  • As busy as all quarter day have come together.
    (全ての四期支払い日が一緒に来たのと同じ忙しさである。)

まとめ

以上、この記事では「盆と正月が一緒に来たよう」について解説しました。

読み方盆(ぼん)と正月が一緒に来たよう
意味非常に忙しいこと・良いことが重なること
由来盆や正月は1年の中で一番忙しい時期であることが由来
類義語盆と祭りが一緒に来たよう
対義語月雪花は一度に眺められぬ
英語訳Two Sundays come together.(2つの日曜日が一緒に来る。)

「盆と正月が一緒に来たよう」は私たちにとって、馴染みのある行事を使ったことわざです。日常生活でぜひ使ってみて下さい。