故事成語「墨守(ぼくしゅ)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「墨守」です。

「墨守」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

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「墨守」の意味をスッキリ理解!

墨守(ぼくしゅ):自己の習慣や主張などを固く守って変えないこと

「墨守」の意味を詳しく

「墨守」とは、自己の習慣や主張などを固く守って変えないことです。

ちなみに、これはネガティブな意味で使われることも多いですが、必ずしも悪い意味というわけではありません。

そして、「」とは墨子のことを表しています。

 

また、「墨守」は戦などで城などをかたく守ることを表すこともあります。

この場合には必ずポジティブな意味で使われているでしょう。

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「墨守」の例文

  1. その会社はかつて大企業だったが、体制を墨守しすぎたせいで、現在では衰退している。
  2. その武将は織田信長からさんざん攻撃を受けたが、墨守して征服を防いだ。
  3. 彼のさまざまなことを墨守する姿勢にはいい面も悪い面もある。

➋の例文では「戦などで城などをかたく守ることを表すこと」という意味を表していますよね。

「墨守」の由来

「墨守」の出典は『墨子(ぼくし)』の「公輸(こうゆ)」という章です。

墨子という思想家が宋(そう)という国の城を楚(そ)の国の攻撃から九回にわたって守ったことからこの言葉が生まれました。

詳しく見ていきましょう。

 

墨子は非攻(ひこう)・兼愛(けんあい)などの考えを唱え、戦をなくすために籠城(ろうじょう)や守城を引き受ける思想家でした。

ちなみに、非攻とは自分の利益のために他者の利益を犠牲にするのは良くないことで、他者から攻められた場合にのみ防衛を行うべきだという考えかたです。

また、兼愛とは犯罪など国家を乱すものはみんなが自分の利益だけを考えて行動するからであり、みんなが自分と他者を同じように愛するようになれば国は安定するという考え方です。

 

そんな墨子はあるとき、宋の国の防衛を引き受けることにします。

なぜなら、近くにあった楚という大国が城攻めに使う雲梯(うんてい)という兵器を開発し、宋の国に軍隊を進めたからです。

そして、墨子は戦争を未然に防ぐため、楚の将軍と会見することにしました。

 

会見の場で、王様は「墨子が盤上での疑似戦で私たちの攻撃をことごとく撃破できたら宋の国を攻めるのはあきらめる」と言いました。

そこで、墨子は将軍の公輸盤(こうゆばん)と模擬戦を行いました。

そして、墨子は模擬戦で雲梯による楚の9回の攻撃をすべて防ぎ切ったのです。

 

これにより、公輸盤のメンツはつぶれてしまいます。

なので、彼は墨子の殺害を示唆する発言をしました。

しかし、これに対して墨子は「すでに秘策を教えてある300人の弟子が城を守っているから、私を殺しても無駄だ」と言い放ちます。

これにより、楚の軍隊は宋への侵攻をあきらめ、撤退していきました。

墨子

墨子とは、中国の戦国時代の思想家です。

上記で解説したように、非攻や兼愛などを唱えました。

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「墨守」の類義語

「墨守」には以下のような類義語があります。

  • 旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ)

「墨守」の英語訳

「墨守」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • adherence
    (規則を固く守ること)
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まとめ

以上、この記事では「墨守」について解説しました。

読み方 墨守(ぼくしゅ)
意味 自己の習慣や主張などを固く守って変えないこと
由来 墨子が宋の城を楚の攻撃から九回にわたって守ったことから
類義語 旧套墨守
英語訳 adherence(規則を固く守ること)

「墨守」は有名な故事成語なので、聞いたことがあるという人も多かったのではないでしょうか。

しかし、細かいところまで知っているという人は少数派だったと思います。

しっかりと意味を覚えて、ピッタリな場面があったら使っていきたいですね。

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