「青写真」の意味とは?何の比喩?類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「青写真(あおじゃしん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「青写真」をざっくり言うと……

読み方青写真(あおじゃしん)
意味図面などの複写を行う写真、見取り図的な将来計画
語源白地に青の複写
類義語構想、未来図
英語訳blue print(青写真)、cyanotype(サイアノタイプ)

「青写真」の意味をスッキリ理解!

青写真(あおじゃしん):図面などの複写を行う写真、見取り図的な将来計画

「青写真」の意味を詳しく

「青写真」は「図面などの複写に使用する写真」「見取り図的な将来計画」という二つの意味を持ちます。

以下で二つの意味について詳しく解説します。

「図面などの複写に使用する写真」について詳しく解説

「青写真」とは、化学物質の特性を利用して、設計図を複製する複写技法を指します。

白黒の原本をこの技法によって複写すると、白地に青の写真になるため「青写真」と呼ばれるようになりました。

19世紀半ばに発明された技法で、手で複写するより精確に写すことができ、設計図の複写に使われるようになりました。

この複写技法は「日光写真」とも言います。

「見取り図的な将来計画」の意味について詳しく解説

「青写真」が設計図に用いられていたことから、比喩的に「将来の計画、設計」を「青写真」と表現するようになりました。

「青写真を描く」という慣用句は「将来の計画を立てる」ことを意味します。

日常的に使用される「青写真」はこちらの意味を指す場合が多いでしょう。

「青写真」の使い方

  1. 来年には博士論文を書くのだから、そろそろ執筆に向けた青写真を描いておこうよ。
  2. 夏休みの自由研究として、昔の写真技術である青写真に挑戦しようかな。
  3. 僕の地元の再開発計画を耳にしたが、それは未だに青写真のままだ。
  4. どうやら青写真は鉄イオンが光によって色を発する性質を利用しているようだ。

上記の例文のように、「青写真」は将来の計画についてや、設計図の複写技法について言及する場合に使用されます。

 

①は「青写真を描く」で「将来の計画を立てる」ことを意味します。漠然とした計画ではなく、綿密な計画を立ててほしいというニュアンスで使われます。

②の「青写真」は「図面などの複写に使用する写真」を指します。

③は「将来の計画」の意味で「青写真」が使用されています。「青写真のまま」で「計画のみで実現していない」状態を表します。

④の「青写真」は「図面などの複写に使用する写真」を意味します。「青写真」は、鉄イオンという鉄が水に溶けたものを利用して複写しています。

「青写真」の語源

複写技法のひとつである「青写真」は、鉄イオンが光によって色が変わるという性質を利用して色の濃淡を表現しています。

光に当たった鉄イオンは青色になることから「青写真」と呼ばれるようになりました。

「青写真」は1842年にジョン・ハーシェルというイギリスの学者により発明されました。

「青写真」の類義語

「青写真」には以下のような類義語があります。

  • 構想:これからしようとする事柄について考えを組み立てること
  • 未来図:将来に実現を目指す計画

どちらも「見取り図的な将来計画」の意味の類義語です。

「青写真」の英語訳

「青写真」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • blue print
    (青写真)
  • cyanotype
    (サイアノタイプ、青写真)
“cyanotype” の “cyano” は、青系の色を指す「シアノ」です。

まとめ

以上、この記事では「青写真」について解説しました。

読み方青写真(あおじゃしん)
意味図面などの複写を行う写真、見取り図的な将来計画
語源白地に青の複写
類義語構想、未来図
英語訳blue print(青写真)、cyanotype(サイアノタイプ)

今回の解説ではあまり触れていませんが、「青写真」が色を発する仕組みからは化学的な知識とその応用を学べます。興味があればぜひ調べてみてください。

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シェスカ
公的文章に詳しい大学院生。 学術論文や特許の執筆を得意としています。 スッキリではその知識を活かし、専門用語の解説を担当しています。