“big” と “large” はどちらも形容詞で、名詞に情報を追加するための語句です。この2つの単語を日本語訳すると、「大きい」になります。
日本語で「大きい」という言葉を使う時、特になんの区別も必要ありません。しかし、英語の “big” と “large” にはニュアンスの違いがあります。
以下では、”big” と “large” の違いについて詳しく説明していきます。
結論:”big” は主観的、”large” は客観的
一方、“large” は数量や面積などが、客観的に見て大きいことを指します。
“big” をもっと詳しく
“big” は、ものの形状やスケールが大きいことを指し、その基準は主観的になります。たとえば、a big shirt と言う場合、「~サイズだから大きい」といった明確な尺度ではなく、自分にとって大きく感じているというニュアンスになります。
また、 “big” の更なる意味として、サイズなどを表す「大きい」が真っ先に浮かんできますが、事の深刻さや重大さを表すため、またはフランクな言い方で兄弟間での年上を表すために “big” を用いることがあります。
「重大」や「深刻」といった言葉は、「何をもって重大・深刻なのか」という部分に当人のものさしや感情が入り込むことが多く、それゆえ “big” が用いられるのです。そして、兄弟間で “big” を用いるのは、”big” が感覚的に使われえるという点から、カジュアルな使用法へと派生した結果です。
それぞれの意味に当てはまるよう、例文を挙げていきます。
- My friend’s shoes are big for me.
(友達の靴は私にとって大きい。) - This is my big decision to go to Harvard University or MIT.
(ハーバード大学に行くか、MITに行くかは重大な決断です。) - Stop doing these stupid things! You will be a big brother soon.
(ふざけたことばかりしないで!もうすぐお兄さんになるのだから。)
②では、進学に関する決断の重大さを “big” と言っています。”my” がついていることからわかるように、自分のものさしで事の重大さを測っていますね。
③のように、年上の兄弟を表す際には、older という単語を使うのが一般的です。しかし、親しい間柄やカジュアルな場面では big brother や big sister と使うことができるのです。
ちなみに “big” の対義語は “little” です。”little” は、当人にとって小さいという主観的な意味であり、またかわいらしいといった感情もニュアンスとして含まれます。
“large” をもっと詳しく
“large” は、ものの数量や面積などの大きさを説明する言葉です。こちらは、大きさを判定する基準が明確であり、”big” に対して客観的な言葉であると言えます。
数量や面積は、数字が出る以上、誰が評価しても同じになります。たとえば 3㎠ の 図形は、当然誰にとっても同じ大きさですよね。また、服のサイズで Lサイズがありますが、あれは large サイズを意味します。サイズを分ける際に明確な基準が存在するため、”big” ではなく “large” を用いるのです。
以下では、”large” を用いた例文をご紹介します。
- This shirt is large.
(このTシャツは大きいサイズのものだ。) - We need a large amount of money.
(多額のお金が必要だ。) - There are a large number of books in that library.
(その図書館には、非常に多くの本があった。)
①の例文では、誰が見てもそのTシャツが大きく見えるということを “large” と言っています。
②の a large amount of は、大きな数量を指す時に用いられる表現です。一般的な目線で大きな数量を表す時に用います。
③の a large amount of も、客観的に見て数量が多いことを表す英熟語です。
ちなみに、”large” の対義語は “small” です。”small” は、客観的な小ささを表す言葉であり、面積や規模などについて用いられます。服の Sサイズは、small サイズを意味しているのです。
ニュアンスが変わる例
“big” と “large” は、まったく同じ対象物でも用いることができます。それだけに、どちらの単語を使えばいいのか決めかねてしまいます。
簡単に区別する方法としては、既述したように、主観的か客観的かを見極めるということです。
ここで、例文を見ていきます。
(A:ラージサイズのカップを見せてください。)
B:Sure, this is the large size.
(B:もちろんです、こちらになります。)
A:Wow this is too big! I’d like to have a small hot coffee please.
(A:大きいですね。スモールサイズのホットコーヒーにします。)
A さんは最初の文で “large” を使って質問していますが、次の文では同じ対象物なのにもかかわらず、 “big” を使っています。なぜでしょうか。
コーヒーショップで3種類のサイズを用意していた場合、最も大きいものは “large” になります。大きさの基準が明確にあった上でのサイズであるため、その大きさは客観的なものだからです。
また、A さんが最後に “big” を使ったのは、個人的な意見、つまり主観的な考えであったからです。”large size” のカップを見て、自分の基準に照らすと改めて大きいと感じたということです。自分の意見や考えを話す時には例文のように “big” を使いましょう。
まとめ
“big” と “large” の違いは以下の通りです。
- big:ものの形状や規模が当人にとって大きいこと。主観的な判断。
- large:数量や面積などが大きいこと。基準が明確で客観的。
同じ対象物を “big” もしくは “large” で表す際の区別方法として、“big” は主観的な考えに、 “large” は客観的な考えに用いるとお伝えしました。
これさえ頭に入れておけば、迷わず使い分けることができるのです。