心理学用語「内集団バイアス」とは?意味と具体例を解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「内集団バイアス(ないしゅうだんばいあす)」です。

言葉の意味、具体例、提唱者、英語訳についてわかりやすく解説します。

 

「内集団バイアス」の意味をスッキリ理解!

内集団バイアス(ないしゅうだんばいあす)同じ集団に所属する人に対していい評価をしたり、いい印象を受けやすい傾向にあること

 

「内集団バイアス」の意味を詳しく

「内集団バイアス」とは、同じ集団に所属する人に対していい評価をしたり、いい印象を受けやすい傾向があることです。

学術的には、外集団の者より内集団の者に対して好意的な認知・感情・行動を示す傾向のことです。

「内集団」とは、自分が所属する集団のことで、「外集団」とは、その反対で、自分が所属しない外部の集団のことです。

 

「内集団バイアス」は「内集団びいき」とも呼ばれます。

「内集団バイアス」によって人は、内集団やその構成員を過剰に評価したり、好意的な態度を取ったりします。

一方で、外集団やその構成員を不当に評価したり、差別したりします。

 

ここで言う「内集団」とは、家族や部活の仲間などはもちろん、日本人などの大きな集団も含まれます。

「内集団バイアス」は基本的に、帰属意識が強い人ほど生じやすいと言われています。

帰属意識とは、「自分がその集団に属している」という感覚のことです。

「内集団バイアス」の具体例

「内集団バイアス」は、様々な規模の集団で生じます。3つの異なる集団内の「内集団バイアス」についてみていきましょう。

人種単位での「内集団バイアス」

近年のテレビでは、外国と比べて日本の優れたところをアピールするような番組が多くあります。

「海外から技術者を呼んで日本の最新技術を見せて、外国の技術者がそれをほめる」というような内容です。

これは視聴者である日本人の「日本人がすごい」と思う「内集団バイアス」を番組という形にして利用しています。

日本人をほめることで、日本人である自らの自尊心も高まるのです。

学校単位での「内集団バイアス」

就活の際に、「あの企業には同じ学校の卒業生が多いので有利だ」などの話をよく聞きます。

「同じ学校の卒業生」というだけでいい評価やいい印象が受けられるのです。

実際に面識がない人同士であっても「内集団バイアス」は生じます。

部活・サークル単位での「内集団バイアス」

学生時代に所属する部活動やサークルにおいても、「内集団バイアス」は生じることがあります。

「うちのサークルの(部活動の)部員はキャラが濃いから!」という発言は「内集団バイアス」によってゆがめられた評価かもしれません。

第三者から見れば、特別面白くもキャラが濃くもないけれど、自分の所属する集団の部員であるため過剰評価してしまうのです。

「内集団バイアス」の提唱者

H.タジフェルとJ.C.ターナーが「内集団バイアス」の原因を学術的に明らかにしました。

彼らは「社会的アイデンティティ」を提唱しました。

「社会的アイデンティティ」とは、自分と自分の所属集団を同一化し、誇りや恥ずかしさなどの感情的意味合いが加わったもののことです。

「内集団バイアス」は「社会的アイデンティティ」によって起こるものとされています。

「内集団バイアス」の英語訳

「内集団バイアス」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • ingroup bias
    (内集団バイアス)

まとめ

以上、この記事では「内集団バイアス」について解説しました。

読み方内集団バイアス(ないしゅうだんばいあす)
意味外集団の者より内集団の者に対して好意的な認知・感情・行動を示す傾向
提唱者H.タジフェル
J.C.ターナー
英語訳 ingroup bias(内集団バイアス)

「内集団バイアス」は誰にでも生じてしまう心理現象です。意味をしっかりと理解することで、集団の違いに惑わされず公平な判断ができるかもしれません。