「針のむしろ」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「針のむしろ」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「針のむしろ」をざっくり言うと……

読み方針のむしろ(はりのむしろ)
意味辛く、心が休まらない状況のたとえ
由来針が刺さった敷物の上に座ること
類義語四苦八苦、面目が立たないなど
英語訳a bed of nails(ベッドに釘)

「針のむしろ」の意味をスッキリ理解!

針のむしろ:辛く、心が休まらない状況のたとえ

「針のむしろ」の意味を詳しく

「針のむしろ」は、辛く、我慢しがたい状況のたとえです。周囲からの目線や反応が気になり、心の休まらない場合に使用します。

多くの場合は、周囲の人からの非難・批判を受け、居たたまれないことを表現します。

しかし、実際に非難を受けなくても、自分が大きな失敗をしでかし、周囲の目線が気になる状況においても使用することができます。

「針のむしろ」の使い方

  1. 先週、会社の命運をかけたプレゼンに失敗した。会社での僕は、きっと針のむしろだ。
  2. 電車内で嘔吐してしまい、居たたまれない。まるで針のむしろに座っているようだ。
  3. 家の帰ると、同時に付き合っていた彼女3人が無言で座っていた。僕は、この家では、針のむしろになるだろう。
  4. 財政難を理由として、今年の祭りの中止を決定した父は、町の人と会うたびに、罵詈雑言を浴びせられている。父は、まさに針のむしろだ。

➀➁➂は、自分の失敗や不祥事を原因として、自ら責任を感じている場面です。このように、実際に批判や悪口を言われなくても、「針のむしろ」と表現することができます。

一方、➃は、実際に多くの人から悪口を言われている場面です。一人ではなく、ある程度まとまった数の人から批判を受けて初めて、「針のむしろ」であるといえます。

「針のむしろ」の由来

「むしろ」とは、わらや竹で作った敷物のことです。漢字では、「筵」や「蓆」と書きます。

「むしろ」は、畳が普及する以前に広く流通していました。農家によっては、農業ができない季節になると、副業として「むしろ」をつくって生計を立てました。

「針のむしろ」は、針が刺さっている「むしろ」の上に、座るイメージです。

「針」が非難の言葉やまなざし、「むしろ」が周囲の状況を表しています。

「針のむしろ」の類義語

「針のむしろ」には以下のような類義語があります。

  • 四苦八苦:非常に強い苦しみのこと
  • 面目が立たない:恥ずかしさのあまり、合わせる顔がないこと

「針のむしろ」の英語訳

「針のむしろ」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • a bed of nails
    (ベッドに釘)
  • bed of needles
    (ベッドに針)
  • sitting on thorns
    (とげの上に座る)

まとめ

以上、この記事では「針のむしろ」について解説しました。

読み方針のむしろ(はりのむしろ)
意味辛く、心が休まらない状況のたとえ
由来針が刺さった敷物の上に座ること
類義語四苦八苦、面目が立たないなど
英語訳a bed of nails(ベッドに釘)

「針のむしろ」となる原因の多くは、自分のミスにあります。もちろんやむを得ない場合もありますが、日々の生活の動作一つ一つに気を配り、軽率な行動を避ければ、ある程度予防することができます。

「針のむしろ」は、自分と周囲の人との信頼関係が崩れることを意味します。十分注意しましょう。