サッカー用語「バンディエラ」の意味は?代表選手から英語まで紹介

言葉

バンディエラとは「サッカーにおいて特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手」のことです。

サッカーだけで使われる特有の言葉なので、聞きなれない人も多いでしょう。

サッカー観戦をより楽しむためにも、知っておくといい言葉なので、由来や類議語まで詳しく解説します。

☆「バンディエラ」をざっくり言うと……

読み方バンディエラ
意味サッカーにおいて特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手
由来「旗」という意味のイタリア語 “bandiera”
類義語フランチャイズプレイヤー
対義語ジャーニーマン
英語訳bandiera(バンディエラ)
franchise player(スポーツで特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手)

「バンディエラ」の意味

バンディエラ

サッカーにおいて特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手

例:バンディエラだった彼の移籍に驚いた。

バンディエラという言葉は数あるスポーツの中でも、特にサッカーにおける「チームの顔になる選手」を表す言葉です。

 

サッカーでは、選手がチームからチームへ移籍することがよくあります。

日本で活躍した選手が、海外のビッグチームへ移籍するというニュースがよく流れていますね。

有名な選手の移籍の際には、数億円という額の移籍金が支払われます。

そのような、お金や他チームからの勧誘に惑わされず、ひとつのチームに忠誠を誓って長期間プレーする選手のことをバンディエラと言うのです。

長くいればいいわけではない

バンディエラは、だらだらとチームに居続ける選手のことではなく、長期間第一線でプレーをしてチームの象徴的な存在となっている選手を指すので注意しましょう。

「バンディエラ」の使い方


バンディエラは、サッカーにおいてのみ使われます。

サッカー以外のバスケットボールや野球などのスポーツでは使わないので注意しましょう。

バンディエラの使い方を、例文をもとに見ていきましょう。

  1. チームにとって、彼のようなバンディエラが去ってしまうのは大きな損失です。
  2. 彼はバンディエラとして、我がチームで15年間プレーしてくれました。
  3. あの選手をバンディエラだと言うかどうかは意見が分かれている。

「バンディエラ」の由来


バンディエラの由来は、イタリア語の “bandiera” です。

“bandiera” には、以下のような意味があります。

  • 旗手
    団体の行進などで、そのしるしとなる旗を持つ役目の人

バンディエラには、チームを表す旗のようにチームの象徴的な存在である選手を表すため、このような語源があります。

「バンディエラ」の類義語


バンディエラには以下のような類義語があります。

  • フランチャイズプレイヤー
    特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手
  • ワン・クラブ・マン
    特定のチームに長期間所属している選手

バンディエラはサッカーでのみ使われる言葉で、他のスポーツではフランチャイズプレイヤーという言葉が使われます。

フランチャイズプレイヤーの意味は、バンディエラと同じく「特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手」です。

「バンディエラ」の対義語


「バンディエラ」には、以下のような対義語があります。

  • ジャーニーマン
    プロスポーツでいくつものチームを渡り歩く選手のこと

ジャーニーマンは、直訳で「旅人」という意味の英単語です。

旅人のようにいくつものクラブを移動して渡り歩くことから、ジャーニーマンと呼ばれるようになりました。

「バンディエラ」の英語訳


バンディエラを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • bandiera
    (バンディエラ)
  • franchise player
    (スポーツで特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手)

「バンディエラ」と言われる日本選手

日本と海外のそれぞれで、チームの象徴であるバンディエラと呼ばれている選手を紹介します。

まずは、日本の代表的なクラブチームとそのバンディエラです。

  • 遠藤保仁(えんどうやすひと)
    ガンバ大阪
  • 冨田晋伍(とみたしんご)
    ベガルタ仙台
  • 中村憲剛(なかむらけんご)
    川崎フロンターレ

それぞれの選手について詳しく解説します。

遠藤保仁(ガンバ大阪)


[出典:Yatto7]

遠藤選手は「ガンバ大阪にしか所属したことがない」という選手ではありませんが、長い期間第一線でプレーを続けたことで、ガンバ大阪の顔となった選手です。

遠藤選手のクラブの所属歴は以下のようになっています。

  • 1998年〜1998年 横浜フリューゲルス
  • 1999年~2000年 京都サンガ
  • 2001年~2020年 ガンバ大阪
  • 2021年~ ジュビロ磐田

一つのクラブチームに19年在籍するというのは、Jリーグの中でも非常に長いです。

富田晋伍(ベガルタ仙台)


[出典:GOAL]

富田選手は、プロ入りを果たした2005年から現在まで、ベガルタ仙台でプレーをし続けているバンディエラです。

2015年はベガルタ仙台の主将も務め、同年のリーグ戦では全試合フルタイム出場を記録しました。

ただ長年チームにいるだけではなく、チームの主力として活躍し続けている点でもバンディエラと言えます。

中村憲剛(川崎フロンターレ)


[出典:NumberWeb]

中村憲剛選手は大学卒業後にプロ入りした選手です。

川崎フロンターレが、J1のひとつしたのランクであるJ2に属していた時代から、ずっと川崎一筋の選手です。

2020年の引退までの17年間川崎フロンターレでプレーし続けました。

さらに、引退後も川崎フロンターレの “Frontale Relations Organizer(FRO)” という役職に就任するなど、まさにバンディエラと言える選手です。

「バンディエラ」と言われる海外選手


海外の有名なクラブチームとバンディエラを見ていきましょう。

  • フランチェスコ・トッティ
    ASローマ
  • リオネル・メッシ
    FCバルセロナ
  • アンドレス・イニエスタ
    FCバルセロナ

それぞれの選手を見ていきましょう。

フランチェスコ・トッティ(ASローマ)


[出典:Qoly]

フランチェスコ・トッティは、海外のバンディエラの代表的な選手の一人です。

イタリア出身の彼は、プロ入りから引退までの約25年間をASローマ一筋でプレーし続けた選手です。

現在でも、ASローマの中でクラブの歴代通算最多得点の記録と歴代通算最多出場の記録を持っています。

その技術の高さとチームへの忠誠心から爆発的な人気を誇り、「王子様」などのあだ名で呼ばれていました。

リオネル・メッシ(FCバルセロナ)



[出典:AFP BB News]

リオネル・メッシは、クリスティアーノ・ロナウドと共に世界で最も有名なサッカー選手のひとりです。

アルゼンチン出身のサッカー選手で、21年間FCバルセロナの代表としてプレーし続けています。

しかし、2021年8月にチーム側の更新手続きの不備や、サラリーキャップ制度という所属選手の年俸総額を制限する制度の関係でバルセロナとの再契約に失敗しました。

来季からはパリ・サンジェルマンでプレーすることが決定していますが、バルセロナのサポーターやメッシ本人も悲しみを隠せないでいます。

アンドレス・イニエスタ(FCバルセロナ)


[出典:NumberWeb]

アンドレス・イニエスタは2018年にヴィッセル神戸に移籍したことで日本中を騒がせた選手です。

イニエスタ選手は移籍前、バルセロナ一筋で16年間プレーし続けたバンディエラでした。

 

ヨーロッパから馴染みのない、日本のクラブチームを移籍先に選んだ理由も、バルセロナというチームへの忠誠心でした。

イニエスタ選手は、プロ入りから所属し続けたバルセロナと、敵関係で戦うことに抵抗があったのです。

そのため、ヨーロッパリーグを避けて日本のチームであるヴィッセル神戸に移籍しました。

その他の意味の「バンディエラ」


バンディエラには、サッカーで使われる用語として以外の意味があります。

『機動戦士ガンダム バンディエラ』という機動戦士ガンダムシリーズの漫画のひとつの作品名として使われているのです。

使われる場面が全く異なるので、文脈によってどちらの意味で使われているのかを判断しましょう。

「バンディエラ」のまとめ

以上、この記事ではバンディエラについて解説しました。

読み方バンディエラ
意味サッカーにおいて特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手
由来「旗」という意味のイタリア語 “bandiera”
類義語フランチャイズプレイヤー
対義語ジャーニーマン
英語訳bandiera(バンディエラ)
franchise player(スポーツで特定のチームに長期間所属し、チームの顔となっている選手)

バンディエラは、サッカーで使われる専門的な言葉です。

スポーツをより深く楽しむためにも、このような用語をマスターしておきましょう。