「唖然」と「呆然」と「愕然」の違いとは?意味から使い方まで解説

違いのギモン

あなたは、人生の中で声も出ないほど、何も考えられないほど驚いたことはありますか?

急に誰かに脅かされたり、大好きだったアイドルが電撃引退したり、突然不幸が訪れたりと、人生には驚きが尽きません。驚きを表す言葉はたくさんあります。

その中でも今回は、「唖然(あぜん)」「呆然(ぼうぜん)」「愕然(がくぜん)」の違いを詳しく解説します。

結論:「唖然」と「呆然」は驚いた時の状態、「愕然」は驚きの度合い

  • 唖然驚いて、言葉も出ない様子
  • 呆然驚いて力が抜け、ぼんやりしている様子
  • 愕然非常に驚いていること

「唖然」をもっと詳しく


唖然は、思いがけない出来事に驚きあきれて声も出ない様子のことです。つまり、驚いた時にどんな状態になっているかを表しています。

「唖」は、言葉が話せないという意味を表し、「然」は様子を表します。

「唖然」の使い方の例

  1. 母親が相談もなく犬を買ってきて、父親は唖然としていた。
  2. 彼女の人生計画があまりにも非現実的で、唖然とした。
  3. 政治家が無理難題を要求し、記者は唖然としたままだった。
①の例文では、相談もなかったことから、犬を買ってきたことは突然の出来事であって、父は何も言えないまま驚いていた様子を表しています。

②の例文では、言葉も出なくなるほど、彼女の人生計画に驚かされ、かつその無謀さに言葉もでない様子です。

③の例文では、政治家と記者という上下関係があるなかで、記者は驚いて何も反論できないままでることが表されています。

「呆然」をもっと詳しく


呆然とは、あっけにとられる様子や、気抜けしてぼんやりしている様子です。つまり驚いた時にどんな状態になっているかを表しています。

「呆」は、愚か、ぼんやりしているという意味です。

「呆然」の使い方の例

  1. 勤務先からの突然の解雇の知らせに、呆然とした。
  2. 大差で敗北した日本チームは、試合後もベンチで呆然としていた。
  3. 息絶えた飼い犬の姿を見て、呆然とした。
①の例文では、「どうして解雇されたのだろう」「これからどうしよう」という気持ちが渦巻いて、ぼんやりしてしまっている様子がわかります。

②の例文では、負けたことがあまりに信じられなくて、帰る準備もせずにぼんやりしている様子です。

③の例文では、長く親しんだ飼い犬が死んでしまったことに深い悲しみを抱き、ぼんやりとして、何も考えられずにいる様子がわかります。

「愕然」をもっと詳しく


愕然とは、非常に驚いている様子を表しています。これは、驚き方ではなく、驚きの度合いを表す言葉です。

「愕」は、予想外のことにあわて驚くという意味を表します。

「愕然」の使い方の例

  1. 後輩が先に昇進したことに、私は愕然とした。
  2. 婚約者に隠していた借金があると知り、愕然としている。
  3. レポートの期日が今日だと知って、愕然とした。
①の例文では、自分が先輩であるから、先に昇進するという期待があり、それが逆転したことで驚きが増しています。

②の例文では、借金があるなんて想像もしていなかったからこそ、より驚いたと考えられます。

③の例文では、もしかしたら間に合わないかもしれないという、絶望感が混じった大きな驚きです。

まとめ

以上、この記事では、「唖然」「呆然」「愕然」の違いについて解説しました。

  • 唖然:驚いた時の状態を示す。驚いて言葉も出ない様子。
  • 呆然:驚いた時の状態を示す。驚いてぼんやりしている様子。
  • 愕然:驚きの度合いを示す。非常に驚いている様子。

「唖然」「呆然」「愕然」を「驚く」という言葉の代わりに使うだけで、あなたがどのような様子だったのか、もしくはどれだけ驚いたのかがより想像しやすくなります。

言葉の表現が豊かになると、話を聞く側も興味がそそられるので、ぜひ活用してみてください。