春から夏にかけて、様々な花が咲きます。GWのあたりにはツツジやネモフィラ・藤が見ごろになるので、連休に見に行く方も多いのではないでしょうか。
しかし花の中には非常に似た姿をしているものがあり、見分けがつかないことがよくありますよね。
今回は、その中で 5 , 6 月に咲く「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」「アイリス」について紹介します。
☆「あやめ」「しょうぶ」「かきつばた」「アイリス」の違いをざっくり言うと……
アヤメ | ハナショウブ | カキツバタ | アイリス | |
---|---|---|---|---|
花びらの特徴 | 網目模様 | 細長い黄色の模様 | 細長い白の模様 | 幅広い黄色の模様 |
葉の特徴 | 細長い | 白い筋 | 幅広 | ー |
咲く場所 | 乾燥地 | 乾燥地・湿地 | 湿地 | 乾燥地 |
咲く時期 | 5月上旬 | 5月中旬~6月下旬 | 5月中旬 | 4~6月 |
このページの目次
結論:最大の見分けるポイントは花びらの根元
4 つともアヤメ科の植物
- なので、見た目が似ているのは当たり前とも言えます。
しかし、それぞれの花びらの根元を見れば、簡単に区別することができるのです。
- アヤメ:網目模様
- ハナショウブ:細長い黄色の模様
- カキツバタ:細長い白い模様
- アイリス:幅の広い黄色の模様
「アヤメ」をもっと詳しく
「アヤメ」の特徴
アヤメにはこのような特徴があります。
- 花びらの根元に網目模様がある
- 畑など乾燥した場所に咲く
- 5 月上旬に咲く
- 葉が細長い
漢字で書くと「菖蒲」になり、この漢字は「しょうぶ」とも読むため、間違える一因になっています。昔は花びらの網目模様から、「文目(あやめ)」と書かれていました。
「ハナショウブ」をもっと詳しく
「ハナショウブ」の特徴
ハナショウブは菖蒲園でよく見ることができます。特徴はこのような点です。
- 花びらの根元に細長い形の黄色い模様がある
- 乾燥地~湿地に咲く
- 5 月中旬~ 6 月下旬に咲く
- 葉に白い筋がある
「ショウブ」に注意!
菖蒲湯に使われるショウブはサトイモ科の植物で、このハナショウブとは全くの別物です。花は見た目が全く違いますが、ショウブとハナショウブは葉の形が非常によく似ています。
見分けるポイントは以下のような点です。
- ショウブ:葉にツヤがあり、匂いが強い
- ハナショウブ:葉にツヤがなく、匂いもない
「カキツバタ」をもっと詳しく
「カキツバタ」の特徴
カキツバタはこのような特徴を持っています。
- 花びらの根元に細長い形の白い模様がある
- 湿地に咲く
- 5 月中旬に咲く
- 葉が幅広
漢字では「杜若」と書きます。昔はカキツバタの汁で布を染めていたため、「書付花(かきつけばな)」と呼ばれていたのが名前の由来だと言われています。
「アイリス」をもっと詳しく
「アイリス」の特徴
ここまでに紹介したアヤメ、ハナショウブ、カキツバタは日本の種ですが、アイリスは海外原産の種です。アイリスの特徴はこのような点です。
- 花びらの根元に比較的幅の広い黄色の模様がある
- 地中海原産
- 乾燥した場所に咲く
- 4 ~ 6月に咲く
アイリスはオランダアヤメとも呼ばれています。
ハナショウブと同様に、アイリスは白や黄色など様々な色の種類があります。海外の花なだけあって、他の 3 つと比べると見た目に華やかさがありますね。
おまけ:いずれがあやめ、かきつばた
日本には、「いずれがあやめ、かきつばた」という慣用句があります。
これは、二つのものが非常に優れていて、優劣がつけられない様子を指します。
元々は美しい女の人に対し使われていた言葉のようです。
まとめ
この記事では、アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ、アイリスについて違いを紹介しました。最後に 4 つの花の違いを表にまとめました。
アヤメ | ハナショウブ | カキツバタ | アイリス | |
---|---|---|---|---|
花びらの特徴 | 網目模様 | 細長い黄色の模様 | 細長い白の模様 | 幅広い黄色の模様 |
葉の特徴 | 細長い | 白い筋 | 幅広 | ー |
咲く場所 | 乾燥地 | 乾燥地・湿地 | 湿地 | 乾燥地 |
咲く時期 | 5月上旬 | 5月中旬~6月下旬 | 5月中旬 | 4~6月 |
それぞれ違って、どれも美しいですね。見かけたら、どの種類なのか考えてみると楽しいかもしれません。