「令月」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「令月(れいげつ)」です。

言葉の意味・使い方・関連語・英語訳・令月と令和の関連性についてわかりやすく解説します。

☆「令月」をざっくり言うと……

読み方令月(れいげつ)
意味何をするにも良い日・陰暦の二月の異名
関連語吉日・如月など
英語訳auspicious month(令月)・second month of the lunar calendar(令月)
令月と令和の関連性令和の「令」の字の元が、令月の「令」

「令月」の意味をスッキリ理解!

令月(れいげつ):何をするにも良い月

「令月」の意味を詳しく

令月は、何をするにも良い月、素晴らしい月、タイミングの良い月という意味の言葉です。また、陰暦の二月の異名でもあります。

令月の「令」には、「良い」という意味があります。令月以外にも、この意味で使われる熟語には「令嬢」や「令兄」などがあり、これらは兄や娘を敬った表現として使われます。

また、「令」の字はパソコンで入力すると最終画が直線の縦棒になっていますが、漢字の下側をカタカナの「マ」の字のように書くことも出来ます。どちらの書き方でも問題ありません。

 

そして、令月は陰暦の二月の異名です。陰暦とは太陰暦のことであり、他の二月の陰暦での異名として如月(きさらぎ)などがあります。

歴史的な書物における「令月」

令月は歴史的な文献にも度々登場する表現です。和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)の「祝」の中には、「嘉辰令月歓無極(かしんれいげつよろこびきわまりなし)、万歳千秋楽未央(ばんさいせんしゅうたのしみいまだなかばならず)」という歌があります。

和漢朗詠集:藤原公任(ふじわらのきんとう)によて作られた朗詠のための詩文集。長和(ちょうわ)2年(1013年)頃に成立。

これは唐の太宗(たいそう)に仕えた文人である謝偃(しゃえん)によって作られた歌です。この歌は「良き月日に喜びが尽きることはない、万年千年祝っても楽しみが尽きることはない」という意味です。

このように、令月は古来から使われていた表現です。

「令月」の使い方

  1. 宝くじが当たるなんて、今月は令月だ。
  2. 二月は令月なので、良いことが起きると信じて何事も全力で取り組もう。

例文のように、令月は素晴らしい月であるということを言いたい場合や、二月のことを指したい場合に使われます。

「令月」の関連語

令月には以下のような関連語があります。

  • 吉日:良い日
  • 佳日:良い日
  • 如月:二月の異名
  • 橘如(きつじょ):二月の異名
  • 佳月(かげつ):めでたい月
  • 吉時(きつじ):よい時
  • 嘉辰令月(かしんれいげつ):よい日とよい月

二月の異名としては令月の他に、「如月」や「橘如」が存在します。

「令月」の英語訳

令月を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • auspicious month
    (令月)
  • second month of the lunar calendar
    (令月)

二つめの英語訳の中にある“lunar calendar”とは、「太陰暦」という意味です。陰暦の二月の異名として令月を使う場合に、二つ目のような英語訳を用いることがあります。

令月と令和の関連性


2020年4月現在使用されている元号の「令和」と令月の間には関係があります。

令和の典拠(てんきょ)となったのは、万葉集の中の梅の花の歌32首の序文である「初春の令月にして、気淑(きよ)く風和ぎ(かぜやわらぎ)、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を抜き、蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」というものです。

万葉集:奈良時代末期に成立したとされる、日本に現存する最古の和歌集

これは、「初春に、世にもめでたげな月が見える、空気も気持ちよく、風も穏やかだ、梅の花は鏡の前でおしろいをめかしているかのように咲き、蘭は身にまとった香のように薫っている」という意味です。

令和の「令」の字は、序文の中にある令月の「令」の字をとったものです。

まとめ

以上、この記事では「令月」について解説しました。

読み方令月(れいげつ)
意味何をするにも良い日・陰暦の二月の異名
関連語吉日・如月など
英語訳auspicious month(令月)・second month of the lunar calendar(令月)
令月と令和の関連性令和の「令」の字の元が、令月の「令」

このように、令月は古来から使われている良い月を表す表現です。歴史ある言葉のため、ぜひ意味や使い方をマスターしましょう。

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つつつ
この道10年以上の読書家。 短い言葉で人を惹き付けるコピーが大好きです。 本の帯に書かれたコピーを見て買ってしまうこともしばしば。 読書で得た文章力を活かして、日常生活でよく使う言葉を中心に執筆しています。