これで納得!「会う」「逢う」「遭う」「遇う」の違い

違いのギモン

「会う」「逢う」「遭う」「遇う」の4つの言葉を見比べてみましょう。

どれも「あう」と読みますね。また、何かに直面するという大意も共通しています。

このため、この4つの言葉は、非常に似ているように感じられます。それでは、これらはどのように区別すればよいのでしょうか。

そこでこの記事では、「会う」「逢う」「遭う」「遇う」の意味の違いや使い分けについて詳しく解説します。

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結論:“直面する対象” と “偶然性” で区別する

「会う」「逢う」「遭う」「遇う」の違いを分かりやすくまとめたものが次の表です。

会う計画のもとで、または偶然に、ある人物(複数でも可)と対面すること
逢う計画のもとで、または偶然に、大切な1人の人物と対面すること
遭う偶然に、嫌な出来事に直面すること
遇う偶然に、好ましい出来事に直面すること

 
以下、ひとつひとつの言葉の意味と用例を詳しく解説します。

「会う」について詳しく解説


「会う」は、直面する相手が “人” に限られています。また、相手の人数が1人であっても複数名であっても「会う」を使うことができます

誰かと顔を合わせるという状況には、相手と約束をして計画的に対面する場合と、偶然に顔を合わせる場合がありますね。「会う」では、この2通りの状況のどちらも表現することができます。

「会う」の用例

「今日は、部活の仲間たちと3時に会うことになっている。」という文を見てみましょう。

顔を合わせる対象は部活仲間ですから、相手が必ず人間であるという「会う」の定義に当てはまっていますね。「会う」は複数の人と直面する場合にも使うため、この文のように、2名以上の仲間と顔を合わせることを表すことができます。

また、この文では、動作主と仲間たちは集合する約束をしています。

ですから、この文の「会う」には偶然性はなく、計画的に顔を合わせるという意味での用法であることがわかります。もしも「今日の3時ごろ、駅前でたまたま部活仲間の皆に会った。」という文ならば、偶然性を示す用法で「会う」を使っていることになりますね。

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「逢う」について詳しく解説


「逢う」は「会う」と同じく、 “人” と対面するときに使う言葉です。

しかし、「会う」が複数名と顔を合わせる場合にも使うことができるのに対して、「逢う」は1人の相手と対面する場合にのみ使うのです。また「逢う」で対象となる相手は、相手は動作主にとって親しい人物であるという特徴もあります。

また、「逢う」は、「会う」と同じように、計画のもとで相手に対面する場合と、たまたま顔を合わせる場合の両方に用いることができます。

「逢う」の用例

「私は、5年前に夫に出逢った。」という文を見てみましょう。

5年前の当時、動作主である「私」は、のちに夫になる人物と顔を合わせたという意味です。1対1で顔を合わせるという「逢う」の定義に当てはまっていますね。

 

2人が初めて対面したときを振り返っている文ですから、「会う」を使って「出会った」と表現することもできます。

しかしこの文は、夫婦という親密な関係にある2人に関するものです。ですから、その関係性を正確に表すためには、大切な人と対面することを表す「逢う」を使うほうが効果的なのです。

「逢う」は、計画や約束のもとで対面する場合にも、たまたま顔を合わせる場合にも使うことのできる言葉です。ですから、この文は、2人がお見合いで知り合ったという意味も、偶然知り合うことになったという意味も表すことができますね。

「遭う」について詳しく解説


「会う」と「逢う」は、直面する相手が “人” でなければ使えない言葉ですね。

しかし、「遭う」は、対象は “人” の場合と “出来事” の場合があるという特徴があります。

特に、 “出来事” を対象とすることの多い言葉です。対象となる出来事は、本人にとって嫌なことであるという特徴があります。

また、「遭う」は偶然直面することを指します。約束をしたり、計画を練ったりしたうえでの状況は表しません。

「遭う」の用例

「私は盗難の被害に遭った。」という文について考えてみましょう。盗難の被害は物事ですから、 人だけでなく出来事も対象になる「遭う」の定義に当てはまっていますね。

また、ものが盗まれるという経験は、本人にとって辛いことです。「遭う」は、文の主体となる人物が嫌な思いをするような出来事に直面したときに使いますから、適切な用例といえます。

さらに、盗難の被害をうけるという事態は予期せず起きるものなので、偶然性を表すという「遭う」の特徴にも当てはまります。

「被害に遭う」に似ている用例として、「事故に遭う」「災難に遭う」「反対に遭う」といった文も挙げられます。

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「遇う」について詳しく解説


「遇う」も、直面する対象は “人” と “出来事” の両方を対象とし、特に “出来事” を対象にすることが多いといえます。 “出来事” に直面する意味で「遇う」を用いるとき、その物事は本人にとって好ましいことであるという特徴もあります。

また、「遭う」と同じく「遇う」も、あくまでも偶然に人や物事と対面することを指します。

「遇う」の用例

「幸運に遇う。」という文を見てみましょう。幸運は事象ですから、人だけでなく出来事も対象とする「遇う」の定義に合っています。

また、「遇う」は本人が好ましいことに直面したときに使います。ですから、ラッキーだと思えるような出来事を経験したことを指す本文は適切な用例ですね。

さらに、幸運は思いがけずに訪れるものであるため、偶然性を表すという「遇う」の特徴にも当てはまります。

補足:「合う」の意味を解説


「あう」と読む漢字には、「会う」「逢う」「遭う」「遇う」のほかに「合う」がありますね。そこで、「合う」についても解説します。

「合う」には、以下のような意味があります。

  • 一緒になる
  • 一致する
  • 調和する
  • 別々のものが1つになる
  • まとまる
  • 両方があわさる

このことから、「会う」「逢う」「遭う」「遇う」は、対象となるものが互いに向き合っているという意味合いをもつのに対して、「合う」は対象になるものと互いに向き合ったうえで1つに重なるというイメージをもつことがわかります。

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まとめ

以上、この記事では、「会う」「逢う」「遭う」「遇う」の違いについて解説しました。4つの言葉を区別するうえで、 “直面する対象” と “偶然性” という2つのポイントが重要になってきます。

最後にもう一度、下記の表を確認しましょう。

会う計画のもとで、または偶然に、ある人物(複数でも可)と対面すること
逢う計画のもとで、または偶然に、大切な1人の人物と対面すること
遭う偶然に、嫌な出来事に直面すること
遇う偶然に、好ましい出来事に直面すること

“直面する対象” と “偶然性” に着目すると、「会う」と「逢う」、「遭う」と「遇う」の2グループに分けることができます。

しかし、「会う」と「逢う」、「遇う」と「遭う」は、特徴は似ているものの、細かいニュアンスの違いがあることもわかりましたね。ですから、使い分けには注意が必要です。

4つの「あう」を適切に用いて、自分が相手に伝えたいことを正確に書き表せるようになると、文章やメッセージを書くのがより楽しくなるのではないでしょうか。

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