アテレコとは「自分が直接演じないキャラクターに声を割り当てること」という意味です。
アテレコは映像業界やアニメ業界などでよく用いられる言葉ですが、「どんな意味なの?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
また、アフレコとの違いも気になりますよね。
そこで、この記事ではアテレコの意味からアフレコとの違いまで詳しく解説していきます。
☆「アテレコ」をざっくり言うと……
英語表記 | アテレコ |
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意味 | 自分が直接演じないキャラクターに声を割り当てること |
語源 | 日本語の「当てる」とレコーディング(recording)を組み合わせてできた言葉 |
類義語 | アフレコ ボイスオーバー 吹き替え |
対義語 | プレスコ シンクロ |
英語訳 | revoicing |
「アテレコ」の意味
自分が直接演じないキャラクターに声を割り当てること
例:初めてのアテレコで緊張した。
基本的に、日本の実写作品など、自分が声を発しながら演技をしている時以外には、アテレコが行われます。
具体的にアテレコが用いられる場面は主に以下のとおりです。
- アニメ作品の声の割り当て
- 海外作品の日本語吹き替え
- スタントマンなどが演じた部分への声の割り当て
それぞれの場面について詳しく見ていきましょう。
アニメ作品の声の割り当て
アニメでは声を演じる本人が映ることはなく、アニメ映像に声を吹き込むことになります。
そのため、アニメ作品では必ずアテレコが行われます。
ちなみに、海外のアニメ作品では映像が出来上がった後に声を収録するのが一般的です。
一方で、日本のアニメ作品ではタイトなスケジュールから、絵コンテの段階などで声の収録が行われることも多いようです。
ちなみに、すでに映像が出来上がっている場合、映像に合わせて音声を収録する点で声優の技術力が求められます。
海外作品の日本語吹き替え
海外作品の日本語吹き替えでもアテレコが使用されます。
海外作品では演者は外国語を話しているため、演者のセリフを日本語に訳して吹き込む必要があるからです。
実写はもちろん、海外作品のアニメ映画の場合もアテレコは行われます。
スタントマンなどが演じた部分への声の割り当て
日本語の実写作品でも、スタントマンなどが演じた部分の声を割り当てる時にはアテレコが行われます。
スタントマンとは、危険で特殊な技能が必要な場面を専門に演じる人のことです。
スタントマンが演じた部分にセリフがある場合、声が違うと違和感がありますから、声の収録を行うのです。
「アテレコ」の使い方
アテレコは声の収録を行う場面などで用いられます。
具体的な例文を見ていきましょう。
- 今日は一日中アテレコの収録だった。
- アテレコでは映像の口の動きに合わせるのが大変だ。
- 吹き替えのアテレコは難しい。
「アテレコ」の語源
アテレコは日本語の「当てる」とレコーディング(recording)を組み合わせてできた言葉です。
「(映像に)当てる(音声を)レコーディングする」というニュアンスから生まれたのです。
「アテレコ」の類義語
アテレコには以下のような類義語があります。
- アフレコ
映像の撮影後に音声を収録すること - ボイスオーバー
ナレーターなど、画面に現れない話者を用いて話を進める手法 - 吹き替え
ある映像作品などの役者・声優を他の人が演じること
「アテレコ」と「アフレコ」の違い
アフレコは映像の撮影をした後に音声を収録することを指します。
アフターレコーディング(after recording)を略した言葉です。
アテレコとアフレコには以下のような違いがあります。
- アテレコ
音声の収録は映像を撮影する後のことも、先のこともある - アフレコ
音声の収録は映像を撮影した後に行われる
つまり、アテレコのうち、映像を撮影した後に音声を収録したものをアフレコと言うのです。
ただ、現在ではこの2つの言葉は同じ意味で使われることが多く、アテレコという言葉はあまり使われていません。
「アテレコ」の対義語
アテレコには以下のような対義語があります。
- プレスコ(プリレコ)
音声の収録を映像の撮影よりも先に行うこと - シンクロ
音声の収録と映像の撮影を同時に行うこと
プレスコ
プレスコとは、音声の収録を映像の撮影よりも先に行うことです。
欧米のアニメ作品で用いられることが多い手法です。
声に合わせて口の動きを映像化するので自然な作画になりやすいですが、作画にかかる時間が長くなりやすいです。
そのため、タイトなスケジュールで行われる日本のアニメ制作現場ではあまり用いられません。
シンクロ
シンクロ(同時録音)は音声の収録と映像の撮影を同時に行う手法です。
ミュージックビデオの撮影現場などで用いられる言葉です。
「アテレコ」の英語訳
アテレコの英語訳としては以下のようなものがあります。
- revoicing
本来の俳優とは異なる人が音声を吹き替えること
「アテレコ」のまとめ
以上、この記事ではアテレコについて解説しました。
英語表記 | アテレコ |
---|---|
意味 | 自分が直接演じないキャラクターに声を割り当てること |
語源 | 日本語の「当てる」とレコーディング(recording)を組み合わせてできた言葉 |
類義語 | アフレコ ボイスオーバー 吹き替え |
対義語 | プレスコ シンクロ |
英語訳 | revoicing |
アテレコは現在では業界以外では使われることが少なくなった言葉です。
しかし、ふと使われた瞬間に対応できるように、きちんと覚えておきましょう。