今回ご紹介する言葉は、故事成語の「中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)」です。
「中らずと雖も遠からず」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「中らずと雖も遠からず」をざっくり言うと……
読み方 | 中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず) |
---|---|
意味 | ぴたりと的中はしていないが、的外れでもないこと |
由来 | 『礼記』に出てくる「心誠に之を求むれば、中らずと雖も遠からず」という言葉から |
類義語 | 正鵠を失わず、中らずまでも外れざりけり |
英語訳 | not exactly correct, but pretty near to it (ちょうど正確なわけではないが、それにとても近い) |
このページの目次
「中らずと雖も遠からず」の意味をスッキリ理解!
中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず):ぴたりと的中はしていないが、的外れでもないこと
「中らずと雖も遠からず」の意味を詳しく
「中らずと雖も遠からず」とは、ぴたりと的中はしていないが、的外れでもないことです。
ちなみに、「雖も」は「~であっても」という意味です。
そして、「当らずと雖も遠からず」と表記されることもあります。
ちなみに、「当たらずとも遠からず」は本来は誤りですが、一般的になりつつあります。
「中らずと雖も遠からず」の例文
- 彼の主張は中らずと雖も遠からずなので、賛成はできないが反対もできない。
- ここがあなたの弱点ではないですか? 中らずと雖も遠からずでしょう?
- 彼の反論は中らずと雖も遠からずだったので、対処に困った。
「中らずと雖も遠からず」の由来
「中らずと雖も遠からず」の出典は『礼記(らいき)』の「大学」という章です。
この章の中に「心誠に之を求むれば、中らずと雖も遠からず」という言葉が出てきます。
この言葉は「君主がまごころを以て実践するならば、完全にそれを成就できることはなくても、ほぼ近い形には達成することができる」という意味を表しています。
「中らずと雖も遠からず」の類義語
「中らずと雖も遠からず」には以下のような類義語があります。
- 正鵠を失わず(せいこくをうしなわず)
- 中らずまでも外れざりけり(あたらずまでもはずれざりけり)
「中らずと雖も遠からず」の英語訳
「中らずと雖も遠からず」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- not exactly correct, but pretty near to it
(ちょうど正確なわけではないが、それにとても近い) - not far off the mark
(的からあまり遠く外れてはいない)
まとめ
以上、この記事では「中らずと雖も遠からず」について解説しました。
読み方 | 中らずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず) |
---|---|
意味 | ぴたりと的中はしていないが、的外れでもないこと |
由来 | 『礼記』に出てくる「心誠に之を求むれば、中らずと雖も遠からず」という言葉から |
類義語 | 正鵠を失わず、中らずまでも外れざりけり |
英語訳 | not exactly correct, but pretty near to it (ちょうど正確なわけではないが、それにとても近い) |
「中らずと雖も遠からず」は日常生活でも用いられている故事成語です。
ピッタリな場面があったら、積極的に使っていきたいですね。