今回ご紹介する言葉は、熟語の「斡旋(あっせん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「斡旋」をざっくり言うと……
読み方 | 斡旋(あっせん) |
---|---|
意味 | 間に入って両者がうまくいくように取りもつこと。求める人に、あるものや人を紹介すること。 |
類義語 | 周旋、仲介、紹介など |
英語訳 | mediation(斡旋) |
「斡旋」の意味をスッキリ理解!
「斡旋」の意味を詳しく
「斡旋」とは、「間に入って両者がうまくいくように取りもつこと。また、求める人に、あるものや人を紹介すること」を意味します。
二者の間に入って何かを紹介する際や、相手が求めているものを紹介する際に「斡旋する」を使います。
「斡旋」の「斡」と「旋」は、どちらも「巡(めぐ)る、巡らせる」という意味を持っています。人と人とをつなぐために、間を取り持つ人物が巡り歩いている様子がイメージ出来ますね。
労働争議の解決法としての「斡旋」
「斡旋」は、労働争議を解決する方法の一つとしても定義されています。労働争議とは、労働者と雇用者の間で、労働条件などを巡って起こる争いのことです。
特に労働分野においての争いごとが起きた時に、公的な紛争解決機関が援助して、両者の話の要点を定め、解決に努める手続きのことを「斡旋」と言います。
企業内部で労働争議が起きた際には、斡旋員と呼ばれる人が両者を取り持って解決へと導きます。
注意しよう!「斡旋」「仲介」「紹介」それぞれの使い方
「斡旋」は、「仲介」や「紹介」と似ている意味を持ちますが、微妙に意味合いが異なります。
まず、「仲介」は、直接は話をすることのない両者の間に立って、話をまとめることを意味します。
「直接は話をすることのない両者」とあるように、解決が困難なことに関して、間に立って解決の手助けをします。また、「仲介」は、「斡旋」よりも解決に向けて積極的に両者にはたらきかけています。
次に、「紹介」は、知らない者同士の間に入って、引きあわせることを意味します。
「紹介」は、「引きあわせること」が目的であり、必要以上に間に入ることはありません。「仲介」と比べて消極的であると言えます。
「斡旋」は、「間に入って両者がうまくいくように取りもつこと」という意味を持ちます。両者がうまくいくように世話をしますが、まとめる行為には至りません。
よって、両者の間に入る上で、最も積極性をもつのは「仲介」で、最も消極性をもつのは「紹介」であると言えます。
大きな違いはない 3つの言葉ですが、その場に応じて使い分けられるようになると、言葉の引き出しが増えるでしょう。
「斡旋」の使い方
- 斡旋会社に依頼して、留学の準備を進めた。
- A社はB社に良い取引先を斡旋してもらった。
- より良い不動産の物件を斡旋する。
「斡旋」の類義語
「斡旋」には以下のような類義語があります。
- 周旋(しゅうせん):売買・交渉なので、当事者の間に立って取り持つこと
- 仲介(ちゅうかい):直接は話をすることのない両者の間に立って、話をまとめること
- 紹介:知らない者同士の間に入って、引きあわせること
- 世話:面倒をみること
- 介入:事件や争いに割り込むこと
「斡旋」の英語訳
「斡旋」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- mediation
(斡旋) - act as an intermediary between A and B
(AとBの間を取りもつ) - placement
(職業斡旋)
まとめ
以上、この記事では「斡旋」について解説しました。
読み方 | 斡旋(あっせん) |
---|---|
意味 | 間に入って両者がうまくいくように取りもつこと。求める人に、あるものや人を紹介すること。 |
類義語 | 周旋、仲介、紹介など |
英語訳 | mediation(斡旋) |
「斡旋」は難しい漢字を書きますが、日常ではよく使う言葉です。留学などを斡旋する会社は多く存在します。
また、「斡旋」は「仲介」や「紹介」などで言い換えられることがあります。それぞれ少し意味合いが変わってきますが、言い換えてもおおむね問題ないでしょう。しかし、小さなニュアンスの違いを理解することは時として役に立ちます。
「斡旋」の意味を正しく理解し、適切な時に使えるように心がけましょう。