今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「アスペクト」です。
「アスペクト」の意味、使い方、語源、類義語についてわかりやすく解説します。
☆「アスペクト」をざっくり言うと……
英語表記 | アスペクト(aspect) |
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意味 | 動作の段階や時間を述語によってあらわす文法形式・比率 |
語源 | 「向き」「様相」などの意味の英単語“aspect” |
類義語 | 相、座相、アスペクト比など |
「アスペクト」の意味をスッキリ理解!
「アスペクト」の意味を詳しく
「アスペクト」とは、動作の段階や時間を述語によってあらわす文法形式・比率・角度ことです。
「アスペクト」には大きく分けて次の3つの意味があります。
- 文法形式
- 比率
- 角度
それぞれを詳しく見ていきましょう。
「文法形式」の意味
言語学の分野では「アスペクト」は「特定の文法形式」を表す言葉です。
言語は種類によってルールや法則が大きく異なります。その中で、「動作の段階や時間を述語によってあらわす文法形式」のことを「アスペクト」と呼ぶのです。
日本語も「アスペクト」が適応されます。
日本語では、次の例文のように、述語の変化によって動作の微妙な違いを表します。
- 雨が降る
- 雨が降っている
- 雨が降り始めた
「雨が降る」というのは、雨が降るすべての段階を示しています。一方で、述語に「ている」が付くとその中の一部のタイミングだけを切りとって言ったり、進行形であるという意味を持たせたりすることができます。
また、「雨が降り始めた」のように「降る」と「始める」をつなげて使うことでさまざまな状態を表すことができます。
「比率」の意味
「アスペクト」には「比率」という意味もあります。特に、「長方形の長い辺と短い辺の比率のこと」を指します。
具体的には以下のように使われています。
- 画面のアスペクト比
- ピクセルのアスペクト比
画面の「アスペクト比」
画面の縦と横の比率のことも「アスペクト比」と言います。テレビは3:4など基本の比率が決まっているのです。
ピクセルの「アスペクト比」
また、「ピクセル」の縦と横の比率も「アスペクト比」と言えます。
「ピクセル」とは、写真や映像を構成する最小単位のことです。このピクセルが少ないとモザイクアートのような粗い画像になります。ピクセルが多いと、肉眼で見ているようなクオリティに近づきます。
ピクセルの縦横の比は基本的に1:1です。
「角度」の意味
占星術(せんせいじゅつ)の分野でも「アスペクト」は使われます。
占星術とは、「天体の現象に基づいて、人間の運命や将来をうらなう術」のことです。
占星術においては、惑星や星同士がつくる角度が重要になります。これが「アスペクト」です。
「アスペクト」によって意味が異なるのです。
「アスペクト」の使い方
「アスペクト」には以下のような使い方があります。
- 木星と金星が120度のアスペクトに位置している。
- テレビの世界では4:3のアスペクトが重要になる。
➊の「アスペクト」は「角度」という意味で使われています。
➋の「アスペクト」は、「比率」という意味で使われています。
「アスペクト」の語源
「アスペクト」の語源は英語の “aspect” です。
“aspect”の主な意味は以下の5つです。
- 面
- 側面
- 様相
- 向き
- 方位
英語の “aspect” には「角度」や「比率」という意味は含まれていません。
また、カタカナ語の「アスペクト」も「向き」「様相」などの意味では使われないので注意しましょう。
「アスペクト」の類義語
「アスペクト」には以下のような類義語があります。
- 相(そう):動作の段階や時間を述語によってあらわす文法形式
- 座相(ざそう):占星術における惑星や星同士がつくる角度
- アスペクト比:長方形の縦と横の比率
まとめ
以上、この記事では「アスペクト」について解説しました。
英語表記 | アスペクト(aspect) |
---|---|
意味 | 動作の段階や時間を述語によってあらわす文法形式・比率 |
語源 | 「向き」「様相」などの意味の英単語“aspect” |
類義語 | 相、座相、アスペクト比など |
「アスペクト」は、複数の意味がある言葉なので、分野に分けて覚えましょう。