ことわざ「麻の中の蓬」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。

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「麻の中の蓬」の意味をスッキリ理解!

麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ):良い人たちと交われば、感化を受けて良くなるとたとえ

「麻の中の蓬」の意味を詳しく

「麻の中の蓬」は、「良い環境や人に囲まれていると、影響を受けて自分も良くなる」という意味です。

蓬は曲がりくねって成長する特性があります。一方、麻はまっすぐ育ちます。まっすぐ成長する麻の中では、蓬でもまっすぐ育つというたとえです。

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「麻の中の蓬」の使い方

  1. 不良だった息子が、良い友達と出会ったおかげで麻の中の蓬のように更生しました。
  2. 麻の中の蓬というように、子供のためにも育つ環境は整えたい。

「麻の中の蓬」の由来

「麻の中の蓬」は、中国の荀子(じゅんし)が書いた『荀子』に由来します。

荀子は、戦国時代の中国の思想家でした。そして、『荀子』は彼の思想をまとめた著書のことです。全32編ある中で、「麻の中の蓬」は一番最初の「勧学」に登場します。

原文では、「蓬麻中に生ずれば、扶けずして直し(ともぎもまちゅうにしょうずれば、たすけずしてちょくし)」と書かれています。意味は、「麻の中で育てば、蓬でもまっすぐ育つ」です。

ここから派生し、「麻の中の蓬」ということわざになりました。

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「麻の中の蓬」の類義語

麻の中の蓬には以下のような類義語があります。

  • 朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる):関わる相手や環境によって、良くも悪くもなること
  • 水は方円の器に随う(みずはほうえんのうつわにしたがう):環境などによって、良くも悪くも変わること
  • 藪の中の荊(やぶのなかのいばら):周囲の環境などが悪いと、自分も悪くなること
  • 虱は頭に処りて黒し(しらみはあたまにおりてくろし):周囲の環境によって、人は良くも悪くもなること
  • 墨に染まれば黒くなる(すみにそまればくろくなる):交わる友や環境によって、良くも悪くもなるたとえ

「藪の中の荊」は、悪い環境の中で自分も悪くなってしまうことを意味します。そのため、「麻の中の蓬」の対義語と考えられることが多いです。

しかし、「周りの環境に影響を受ける」という意味では類義語となります。

「麻の中の蓬」の対義語

麻の中の蓬には以下のような対義語があります。

  • 泥中の蓮(でいちゅうのはす):環境がよくなくても、清く正しく生きるさま
  • 涅すれども緇まず(でつすれどもくろまず):悪い環境の中にいても、正しい行いをすること
  • 濁りに染まぬ蓮(にごりにそまぬはす):悪い環境の中でも、それに影響されないこと
  • 蓮は濁りに染まず(はすはにごりにそまず):汚れた環境の中にいても、それに染まらず正しく生きるさま
  • 蓮華の水に在るが如し(れんげのみずにあるがごとし):汚れた環境の中でも、影響されず清らかでいること

どのことわざも、「周りの環境に影響を受けず、正しく生きること」を意味します。

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「麻の中の蓬」の英語訳

麻の中の蓬を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • He who touches pitch shall be defiled.
    (汚いものに触れると自分も汚れる)
  • Who keeps company with the wolf will learn to howl.
    (習慣などは、付き合う相手に影響される)
  • Show me your friends, I’ll show you your future.
    (周りの友達をみれば、将来がわかる)

“He who touches pitch shall be defiled.” は、直訳すると「ピッチに触る者は、汚れるだろう」という意味です。

pitchとは、石油やタールなどを精製した際に出る、カスのことです。このカスに触ると手が黒く汚れることから、「汚いものに触れると自分も汚れる」という意味になりました。

日本語の、「朱に交われば赤となる」にもっともニュアンスが近いです。

 

“Who keeps company with the wolf will learn to howl.” は、直訳では「狼と付き合う者は、吠えることを覚える」という意味です。

たとえ人間であっても、狼と付き合えば吠えることを覚えるという意味から、「習慣などは、付き合う相手や環境などに影響される」という意味で使われるようになりました。

 

“Show me your friends, I’ll show you your future.” は、決まった言い回しというよりも格言に近いです。直訳すると、「友達を見せなさい、そうすればあなたの将来がわかる」という意味です。

「付き合う友達次第で、その人がどういう影響を受けるかがわかる」つまり、「付き合う友達は選ばなければいけない」という警告の意味合いも含まれています。

まとめ

以上、この記事では「麻の中の蓬」について解説しました。

読み方 麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)
意味 良い人たちと交われば、感化を受けて良くなるとたとえ
由来 『荀子』の「勧学」より
類義語 朱に交われば赤くなる、水は方円の器に随うなど
対義語 泥中の蓮、捏つすれども黒まずなど
英語訳 He who touches pitch shall be defiled.

「麻の中の蓬」は、中国から伝わるためになることわざです。

人間は、周りの環境や人に影響を受けるものです。どういった影響を受けるかは自ら選ぶことができるという点が重要です。人生において、とても役にたつ教えであるため、ぜひ覚えましょう。

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