どう違う?「当該」と「該当」の違い|類語や英語訳も合わせて

違いのギモン

「当該」と「該当」は漢字の順番が違うだけであるため、意味の違いを理解できずに困ったことのある人は多いのではないでしょうか。実は、この 2つの言葉の意味は大きく違います。

今回は、「当該」と「該当」の違いについて解説します。

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結論:「当該」はある事柄、「該当」は当てはまること

「当該」は、話題となっている事柄に関係していること、またそのものを指します。

一方、「該当」はある条件に物事が当てはまることを指します。

「当該」の定義


「当該」は、今話題となっている事柄に関係があること、またそのものを指します。もう少し具体的に言うと、既に述べられていることについて再度言及する際に代名詞のような使われ方をするのが「当該」です。ものすごく簡単な言葉に置き換えると、「その」に当たります。

たとえば、世の中を騒がせている事件の犯人について話しているとき、会話の中で犯人について既に語られたのであれば、再び犯人に言及する際には「当該人物」という言葉で示すことが出来ます。「その人物」と言い換えても意味が通ることがご理解いただけるでしょう。

「当該」という言葉は、代名詞のような働きをするだけあって、名詞に係る用法しかなく、「当該する」という動詞の用法がありません。また、「当該」という言葉で限定される対象は 1つです。なぜなら、事前に特定の何か 1つについて言及した上で、それを代名詞化しているためです。

「当該」の類語

「当該」の類義語を押さえておくと、「該当」との違いを理解しやすくなるでしょう。

「当該」の類義語
  • 例の:双方が知っている事柄について言及する際の修飾語
  • 件(くだん)の:双方にとって共通認識になっている事柄への修飾語
  • 当の:今議論の対象になっている事柄につける修飾語
どれも、話し言葉で主に使われます。そのため、特段直前に話していた事柄でなくても、話し手と聞き手の両方が記憶できていてかつ強く意識している事柄であれば使用することができます。

「件の」の意味は、「〇〇の件(けん)」という表現と結びつけると覚えやすいでしょう。たとえば、私たちは「〇〇の件なのですが」といった表現をよく使います。これには、前提として「〇〇についての話」を聞き手も強く記憶しており、1から説明しなくても話をすることができるという状況があります。

したがって、同じ字を用いる「件の」も同様のニュアンスを持ちます。

「当の」は、「当の本人は乗り気ではない」などのように用います。「当の本人」とは、今まで話題に上っていた人物のことです。

「当該」の使い方の例

  1. 皆さまには、当該商品の魅力をさらに知っていただきたいです。
  2. 当該物件は最寄駅から徒歩 5分の地点にある。
  3. 地球温暖化の環境への影響が懸念されている。私は当該の問題への有効な対策を日々考えている。
「当該」は、主に書き言葉として使われます。

①では、既に何らかの商品についての言及があり、繰り返し述べるわずらわしさを避ける目的で「当該」を用いています。

②の「当該物件」は、今までまさに議論の対象となっていた物件のことです。後に解説する「該当物件」との違いは、既に対象となる物件が話題に上っているという点です。

③のように、「当該の」という形で助詞を伴うこともあります。また、「当該の問題」とは、前文の「地球温暖化」のことです。このように、「当該」は代名詞的に用いるのです。

「当該」の英語訳と例文

「当該」の英語訳は以下の通りです。

「当該」の英語訳
  • the
    (その)
  • said
    (前述の)
  • in question
    (当の、問題の)
  • concerned
    (当の、当該の)
それぞれを用いた例文は以下の通りです。

例文
  • This case is caused by a man.The police put the man on the wanted list.
    (この事件はある男が起こしたものだ。警察は当該人物を指名手配した。)
  • He was in a bad condition during the said period.
    (当該期間中、彼は不調だった。)
  • I don’t know what happened here at all Because I was absent on the day in question.
    (問題のその日、私は休んでいたため、ここで何があったのかまったく知らない。)
  • We want you to know more about the attractiveness of the goods concerned.
    (当該商品の魅力について、もっと知っていただきたいです。)

concerned と in question に関しては、名詞を後ろから修飾します。

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「該当」の定義


「該当」は、ある条件に当てはまることを意味します。当てはまるかどうかを判断する基準となる条件が述べられた後に用いられる言葉です。該当という言葉は、その意味から、「当てはまる」と置き換えることもできます。

たとえば、「上記の 1~8 の項目のいずれかに該当する人は挙手をしてください」といった使い方があります。「当てはまる人」としても意味は通じます。

「該当」という言葉は、該当者のように名詞に係る用法もあれば、該当するというように動詞として用いることもできます。また、「当該」の場合は既に対象について言及されていますが、「該当」の場合は、「該当する〇〇」と言ったところでようやく対象が特定されます。

「該当」の類語

「該当」の類義語を押さえておくと、「当該」との意味の違いがわかりやすくなるでしょう。

「該当」の類語
  • 適合:状況や条件にうまく当てはまること
  • 相当:内容や価値が何かと等しいこと
「適合」は、ある条件に当てはまることが好ましい時に用います。

「相当」は、「apple は日本語のりんごに相当する」といったように、条件というよりは、内容や価値があるものと等しい時に用いられます。また、「相当な〇〇」という形になると、「かなり〇〇な」という少し違った意味になります。

「該当」の使い方の例

  1. 70% の日本人がそれに該当する。
  2. 彼の希望は、駅に近くて日当たりと風通しが良いことだ。該当物件はこの 5つのようだ。
  3. 該当箇所は 2つあった。
①では、前文で提示されたであろう「それ」という条件に、70% の日本人が当てはまっているということを言っています。このように、「該当する」という言葉用いた時に、ようやく対象(70% の日本人)が特定されるのです。

②の「該当物件」は、希望する条件に当てはまる物件という意味になります。「当該物件」の場合は、すでに話題に上っている 1つの物件を指しますが、「該当物件」
の場合は、そこでようやく対象となる物件が絞られます。

③の「該当箇所」は、ある条件に当てはまる箇所のことです。ここで対象となる箇所が特定されたため、後の文では「当該箇所」と表現しても問題ありません。

「該当」の英語訳と例文

「該当」の英語訳は次の通りです。

「該当」の英語訳
  • applicable
    (適用できる、当てはまる)
  • fall under ~
    (~の項目に当てはまる)
  • correspond to ~
    (~に相当する、~に該当する)
  • meet ~
    (~(条件)を満たす)

それぞれを用いた例文は以下の通りです。

例文
  • Please select the applicable item.
    (該当する項目を選んでください。)
  • This falls under a special category.
    (これは特殊なカテゴリーに該当する。)
  • The English word “apple” corresponds to the Japanese word “Ringo”.
    (英語の apple は、日本語で言うところのりんごに該当する。)
  • I couldn’t find a man who met the requirements.
    (その条件に該当する男性は見当たらなかった。)
applicable は、何らかの条件が提示された後で用いられます。fall under は、主語が分類される何らかのカテゴリーが後に続きます。

correspond to ~ は、2つのものを挙げ、て一方がもう一方に相当するというニュアンスで用いられます。meet は、後に満たすべき条件が続きます。

まとめ

以上、この記事では、「当該」と「該当」の違いについて解説しました。

  • 当該:話題となっている事柄に関係すること、またそのもの
  • 該当:ある条件にあてはまること

「当該物件」と「該当物件」など、同じ言葉が続いて余計に違いが分かりにくく感じてしまいそうな「当該」と「該当」ですが、意味にははっきりとした違いがあります。

既述された事柄に再度言及したいのか、条件に当てはまることを言いたいのかを意識してきちんと使い分けましょう。

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