「青田買い」と「青田売り」はどちらも不動産業界や就活の時などによく聞く言葉ですが、みなさんはその意味をご存知でしょうか。
知らない方も多いと思います。
そこで、今回は「青田買い」と「青田売り」のそれぞれの意味と、2つの言葉の違いについて解説していきたいと思います。
結論:売るか買うかが違う
一方、「青田売り」とは、稲がまだ青いうちから田んぼの売買を行うという意味です。
「青田買い」をもっと詳しく
青田買いとは、まだ収穫されていない青い穂が実った田んぼを、収穫量を見越して先買いするという意味です。
つまり、米がまだ収穫されていないのに、買ったことにして、収穫できたらそれをもらいうけるということです。
この言葉は現在では採用活動や不動産業界などで使用されています。
まず、不動産業界で青田買いとは、未完成の新築の建物などを買うことを指します。
ちなみに、青田買いした物件は事前の説明と完成したものが異なることがあるので注意が必要です。
次に、採用活動で青田買いとは、優秀な人材を学生のころから将来性を見越して先に手に入れておくという意味です。
これを防ぐ就職協定は第二次世界大戦前からあり、戦後にも1952年や1972年などに締結されましたが、すぐに協定破りが横行するようになってしまい、有名無実化してしまいました。
ちなみに、現在では会社での実際の業務を学生のうちに体験することができるインターンシップで青田買いが行われていることが多いようです。
「青田売り」をもっと詳しく
青田売りとは稲がまだ青いうちから田んぼの売買を行うという意味です。経済的に困窮した農民が当面の生活費を工面するために行うことが多かったと言われています。
ちなみに、この言葉の語源は昭和初期にまでさかのぼります。
当時は農業が不振で、多くの農民はその日暮らしをしていました。すると、暮らしに困っている農民の弱みにつけこんで、資本家が秋の実りの分を田んぼが青いうちに買いたたいたのです。
その価格は本来の値段よりずっと低いものであったと言われています。
この言葉は現在では不動産業界で使われることが多いでしょう。そして、不動産業界では、青田売りとは未完成の建物や宅地などを売買することを表しています。
ちなみに、この手段は不動産業者が早期の資金回収を行うことが多いです。
ちなみに、青田買いの項でもお話ししましたが、未完成のまま売買される物件は事前の説明と完成品が食い違ったものになる可能性があります。そのため、売り手と買い手の間でのトラブルの原因になりがちです。
そのため、宅地建物取引業法では開発許可や建築確認など、工事に必要な行政上の手続きを受けた後でなければ、建物や宅地の広告を出したり、契約を行ったりしてはいけないことになっています。
そして、売り手の側には工事完了時における建物の形状、構造などの書面による説明、手付け金の保全などの義務があります。
まとめ
以上、この記事では、「青田買い」と「青田売り」の違いについて解説しました。
- 青田買い:まだ収穫されていない青い穂が実った田んぼを、収穫量を見越して先買いするという意味
- 青田売り:稲がまだ青いうちから田んぼの売買を行うという意味
青田売りや青田買いはまだ商品ができてていない状態で売り買いを始めるので不思議ですよね。