古着が好きな方は、年季が入った革靴や味の出たジーンズにおもいいれがあるのではないでしょうか。
そういったものは「ヴィンテージジーンズ」「ヴィンテージシューズ」などと呼ばれますが、「アンティークジーンズ」「アンティークシューズ」とは呼ばれないことを疑問に思ったことはないでしょうか。
今回は「アンティーク」と「ヴィンテージ」の違いについて解説していきます。
結論:古さが違う
「アンティーク」をもっと詳しく
アンティークは、アメリカの関税法で定義が明確に定められています。それによると、「製造から100年以上たった工芸品・美術品」とされています。
2019年現在から見ると、19世紀以前の品がアンティークにあたります。また、骨とう品や家具、古典美術品など、芸術的で収集価値のある貴重なものにたいしてのみ使います。
そのため、実用的というよりは鑑賞用とするものがアンティークに分類されます。
「ヴィンテージ」をもっと詳しく
ヴィンテージには明確な定義はありませんが、20年~30年以上100年未満のものにたいして使います。2019年現在から見ると、1999年以前の品がヴィンテージにあたります。
もともとはワイン用語で、ぶどうの収穫年を表す言葉でした。当たり年(おいしいぶどうが採れた年)のワインは「ヴィンテージワイン」と呼ばれ、高級品として扱われています。
そのため、古くて希少なものにも使うようになりました。楽器や衣服、車やカメラなど、対象はさまざまです。アンティークに比べると、より身近で実用的なものに使います。
ワイン用語だったこともあり、「ヴィンテージ」には年代物(時とともに良さが増したもの)というニュアンスが含まれます。単に古いだけではヴィンテージには成りえないということです。色あせたジャケットは古着で、味のあるTシャツはヴィンテージなのです。
これはかなり感覚的な問題ですので、もうすこし客観的な判断の仕方を提示します。それは、もともとそれ自体に価値があるかどうかです。具体的に言うと、ブランド品や一点ものです。
つまり大量生産されたノーブランドの安価なものは、何年たってもヴィンテージにはならないということです。
参考:レトロ
同じく古いものを指す言葉に「レトロ」がありますが、これは作られた年代は関係なしに、懐かしさや趣を感じられるもの全般にたいして言います。昔のデザインに似せていたら、今年作られていても「レトロ」と言って差し支えありません。
「古いデザインは好きだけど、人の手に渡ったものには抵抗がある」という方にはレトロな商品がおすすめです。
参考:クラシック
近年、ドライフラワーやくすんだネイルや髪色に代表される「クラシカル」が流行しています。
クラシックには「古風、落ち着いた感じ」という意味があり、具体的なものを示すのでありません。主に雰囲気や印象をざっくり言うときに使います。
まとめ
以上、この記事では、「アンティーク」と「ヴィンテージ」の違いについて解説しました。
- アンティーク:製造から100年以上たった工芸品・美術品
- ヴィンテージ:20年~30年以上100年未満のハイブランド製品・一点もの
アンティークもヴィンテージも、ただ古いものを指すのではないということがわかりました。もともと芸術的価値のあるものや、時間を重ねることで良さが引き立ったもののことを言います。
家に開かずの扉がある方は、これを機にその扉を開いてみることをおすすめします。アンティークとは言いませんが、ヴィンテージの掘り出し物なら見つかるかもしれません。