心理学用語「擬人観」とは?意味と具体例をわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「擬人観(ぎじんかん)」です。

言葉の意味・具体例・由来・英語訳についてわかりやすく解説します。

「擬人観」の意味をスッキリ理解!

擬人観(ぎじんかん):人間でないものに対して、無意識の内に人間と同様の性質を見出すこと

「擬人観」の意味を詳しく

擬人観は、人間が自分たちが持つ特性を他のものに当てはめることにより、人間でないものを人間であるかのように捉えようとする性質のことです。これは無意識的に行われています。

ものを見たとき、人はそのものの見た目から意味を捉えようとします。そのため、意味のありそうな動きや物の形を発見したとき、ついつい人間的に考えてしまいます。それにより、命のないものに意識があるように捉えることがあるのです。

ほかにも、人の顔に似たものや、人間の体に似たものを発見すると、自分に似たものとして認識します。この理由のために、擬人観が発生することもあります。

 

この性質は、動植物や無生物、機械や自然など様々なものを対象に起こります。また、概念や空想上の事柄など、実態がないものに対しても起こることがあります。

自然などの全体像をとらえにくいものであっても、人間的な性質に当てはめて捉えることにより、親しみを持って対象を認識することが出来ます。このような認知能力の向上や、対象に対する親近感の促進のために擬人観が働くとも考えられています。

 

また、擬人観の似た言葉として、「擬人化」があります。

擬人化では、対象の物事を故意的に人間的に捉えようとします。それに対し、擬人観は無意識的に対象を人間として把握してしまうという点で違いがあります。

「擬人観」の具体例

擬人観の具体的な例としては、古来からの考え方が挙げられます。

例えば、自然災害が発生した際に、それを神の怒りであると考えることがあります。これは、自然災害が神の意思によってによって引き起こされたものであると捉えている例です。

また、上記の写真では、木の断面がまるで人の顔のように見えてきます。このように、写真を見ることによっても擬人観が働くことがあります。

「擬人観」の由来

擬人観の由来には、宗教が大きく関係していると考えられています。

擬人観が関係していると推測される仏教的な考えとして、草木や国土なども、人間と同じように全て成仏するのだというものがあります。

他にも、妖怪なども意識を持たないものが意識をもって動き出すと考えられていることから、擬人観が関係しているとも言われています。

 

また、その他の宗教でも、神の姿を想像する際に擬人観が関係していると考えられています。

想像の中での存在である神が信仰者の共通の崇拝する対象となる際に、人間的に捉えられるようになってきたと考えられているためです。

 

似たような考え方として、神人同形観というものがあります。これは、神々が人間と同じように喜んだり怒ったりするなど、人間と同じ性質を持っているとする考え方です。

この考え方が元となっているものとしてスフィンクスなどが挙げられますが、これも擬人観が影響を与えていると考えられています。

 

「擬人観」の英語訳

擬人観を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • anthropomorphism
    (擬人観)
  • theanthropism
    (擬人観)

まとめ

以上、この記事では「擬人観」について解説しました。

読み方擬人観(ぎじんかん)
意味人間でないものに対して、無意識の内に人間と同様の性質を見出すこと
由来宗教的な考え方
英語訳anthropomorphism・theanthropism(擬人観)

このように、擬人観は誰にでも働く人間の性質です。擬人観が働くことにより、世界を違った見方でみることができます。