「安泰」と「安定」の違いとは?意味から使い方までわかりやすく解説

違いのギモン

今回、ご紹介するのは「安泰」と「安定」の違いです。

どちらも、仕事の対してや生活に対してなど、いろいろな場面で使われる言葉です。一体、どのように違うのでしょうか。

結論:「安泰」は「安らかなこと」、「安定」は「ずれがないこと」

「安泰」は、「無事で、安らかなこと」を表す名詞または形容動詞です。主に、生活環境を表すときに使われます。

一方で、「安定」は、「物事の変動がないこと」や「もとの状態とのずれが、わずかにおさまること」を表す名詞です。

「安泰」をもっと詳しく

「安泰」は、「無事で安らかなこと。また、その状態」を指します。主に、自分の生活環境などについて表現する際に、使われる名詞、または形容動詞です。

「安」という文字には、「安らかである」や「落ち着いている」、「心配がない」といった意味が含まれています。また、「泰」という文字には、「穏やか」や「落ち着いている」という意味が含まれています。

このような意味を持つ文字が並べられているので、「安泰」に「穏やかで、落ち着いている」といったニュアンスが含まれていることを理解できます。

「安泰」の対義語と類義語

対義語

  • 危急:危険・災難がまぢかに迫っていること

「安泰」の反対は、平穏さが脅かされることを指す言葉です。

類義語

  • 和順:気候が順調で、適度なこと。
  • 穏便:穏やかなこと。かどだたないこと。
「和順」は、人の気質が穏やかなことにも用いられますが、多くは「気候和順」という形で気候に言及する際に用いられます。

「穏便」は、生活や気質だけでなく、「穏便に事を運ぶ」のように、物事を波風立たせずに遂行することも指します。

「安寧」との違い

「安泰」との使い分けが紛らわしい言葉として、「安寧」が挙げられます。「安寧」は、「社会が穏やかで、安定していること」を指す言葉です。社会や世の中が、対象となる場合多いです。

「安寧秩序」という四字熟語があります。この四字熟語は、「世の中が整っており、安定していること」を表しています。

「安泰」の使い方の例

  1. その家族は、安泰な生活を送っている感じがする。
  2. 今の日本は、それほど安泰でもない。

①の文は、生活が「穏やかで、落ち着いていること」を示しています。

②の文の「安泰」も、「穏やかで、落ち着いていること」を示しています。しかし、主語は日本であり、範囲が大きくなっています。

「安定」をもっと詳しく


「安定」は、主に3つの意味を持つ名詞です。

  1. 物事が落ち着いていて、激しい変動のないこと
  2. 平衡状態に微小な変化を与えても、もとの状態とのずれがわずかの範囲にとどまること
  3. 物質が容易に分解・反応・崩壊しないこと

「定」の文字には、「さだまる」や「きまる」、「動かない」といった意味が含まれています。したがって、「安定」は「変動がないこと」や、「ずれがないこと」が意味に含まれているのです。

「安定」の対義語と類義語

対義語

  • 動揺:ぐらぐら動くこと。不安定になること。

「安定」が持つ「平衡状態」という意味に対応しています。心理的な意味でも、物理的な意味でも用います。

類義語

  • 均衡:2つ以上の物事の間に、釣り合いが取れていること。
  • 均整:つりあいがとれて、整っていること。

「安定」の「変動のないこと」という意味に、類似しています。

「安定」の使い方の例

  1. やっと手に職をつけ、生活も安定してきた。
  2. その天秤は1gの重りを乗せても、安定している。
  3. この元素は、安定しています。

①の文のは、激しい変動なく生活を送れていることを表しています。一方で、「安寧な生活」は「穏やかで落ち着いている生活」を表します。少しニュアンスが違います。

②の文の「安定」は、天秤が「つりあいが取れていること」を表しています。

③の文は、元素という物質が「分解・崩壊しないこと」を示しています。

まとめ

以上、この記事では、「安泰」と「安定」の違いについて解説しました。

  • 安泰:無事で安らかなこと。または、その状態。
  • 安定:落ち着いていて、激しい変動がないこと。また、もとの状態とのずれがわずかであること。
「安泰」も「安定」もほぼ同じ意味ですが、少し違った言葉になっています。この違いを理解して、うまく使い分けましょう。