「植物」と「動物」の違いとは?細胞が違う?どちらでもない生物とは?

違いのギモン

みなさん、突然ですが「植物」と「動物」の違いはわかりますか?

「当たり前でしょ!」と思った人も多いと思います。

しかし、違いをしっかり説明できますか?

「動物は動いて、植物は動かない」だけで十分でしょうか。ハエトリグサなどの一部の植物は自分で動いて虫などをとらえます。

このように、当たり前にわかっていると思っていたものでも意外と説明が難しいものです。今回はそんな「植物」と「動物」の違いについて説明します。

結論:細胞壁と光合成で区別する!

「植物」は 光合成を行い、細胞壁を持つ生物のことです。

「動物」は光合成を行わず、細胞壁も持たない生物のことです。

そもそも生物って何?

「植物」と「動物」の違いを説明するときにとても重要なのは「生物」という言葉です。「植物」と「動物」はどちらも「生物」の中の細かい分類だからです。

では、そもそも「生物」とは何なのでしょうか。

「生物」とは漢字の通り、「生きているもの」のことです。しかし、少し細かい条件があります。

  • 細胞をもつ(自分の形を持っている。空気などの気体はダメ)
  • 自己複製や遺伝が可能(子供を作ったり分裂することができる)
  • 代謝する(食べる、呼吸するなどの物質の出入りによってエネルギーを取り出す)

この3つの条件を満たしているのが「生物」です。

植物についてもっと詳しく!

「植物」とは、光合成を行い、細胞壁を持っている生物のことです。

「光合成」は中学校の理科の授業で習ったことがあると思います。光をエネルギーに変えるという植物特有の運動のことです。

光と水と二酸化炭素から酸素とでんぷんを作り出します。植物は自分で光合成によって活動のためのエネルギーを作り出せるため、基本的に他の植物や動物を食べる必要はありません。

植物のように、ほかの生物を食べるのではなく、自ら栄養を作り出す生物のことを「独立栄養生物」と言います。

 

細胞壁というのは、読んで字のごとく「細胞の壁」です。

全ての生物は何億、何兆という数の小さな細胞が集まってできています。

その細胞1つ1つの周りには細胞の形を保つための膜があります。植物には、その膜の周りにさらに硬い膜がもう1枚ついているのです。それを「細胞壁」と言います。

植物は光合成を行うので餌を取るために動き回る必要がありません。だから根を張り、地面から動かないのです。そのために細胞1つ1つの柔軟性よりも強さが大切になります。雨風や嵐にも耐えて1つの場所に生え続けるためには硬い細胞壁が必要なのです。

「動物」についてもっと詳しく!

「動物」は「植物」とは違い「光合成」は行いません。

自分でエネルギーを作るのではなく、他の動物や植物を食べて栄養を摂取します。このような生物を「従属栄養生物」と言います。

 

また「動物」には、細胞壁はありません。細胞壁は細胞膜よりも固く、細胞を守ってくれます。しかし、その代わりに柔軟に動けなくなってしまうのです。

「動物」は「動く」「物」と書きます。その名の通り、動物はエサを探すために素早く動き回る必要がありますよね。そのために細胞壁を持っていないのです。

「動物」でも「植物」でもない生物

ここまで「植物」と「動物」の違いについて説明してきましたが、このどちらにも当てはまらない生物もいるのです。アメーバやバクテリアや菌類です。

アメーバやバクテリアは顕微鏡を使わなければ見えません。身近な生物でもないので「植物」や「動物」のイメージはあまりないと思います。

 

しかし「菌類」には「キノコ」が含まれるのです。食卓にもよく並ぶ「キノコ」を植物だと思っていた人は多いのではないでしょうか。

「キノコ類」は「植物」ではないということに注意しましょう!

まとめ

以上、この記事では「植物」と「動物」の違いについて説明しました。当たり前のように使っていた言葉でも、改めて考えると難しかったりしますよね。

  • 植物:光合成を行い、細胞壁を持つ生物のことです。
  • 動物:光合成を行わず、細胞壁も持っていない生物のことです。

「植物」と「動物」を分ける2つのポイントをしっかり押さえましょう。