「塩梅」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「塩梅(あんばい)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「塩梅」をざっくり言うと……

読み方塩梅(あんばい)
意味物事の具合や様子
語源「塩梅(えんばい)」と「按排(あんばい)」の混同から
類義語調子、加減、など
英語訳taste(風味、味)など。

「塩梅」の意味をスッキリ理解!

塩梅(あんばい):物事の具合や様子

「塩梅」の意味を詳しく

「塩梅」は、「物事の具合や様子」を意味する熟語です。具体的には、料理の味加減や健康状態、天気などを表す際に使われます。

この熟語には、「案配」という代用漢字を用いる方法もあります。ここで気をつけなければいけないのは、料理の味加減について言及する場合には「案配」は使えないという点です。

また、「塩梅」を方言だと思っている人も少なくありません。たしかに、年配の方が使っている言葉のイメージがありますね。しかし、実際には「塩梅」は標準語です。

「塩梅よく」という使い方をする際に、地域によっては「あんばよう」などと言うことがありますが、こちらは方言としての用法になります。

「案配」の使い方

  1. 塩梅を間違えてしまった料理でも、父は美味しいと言って残さず食べてくれた。
  2. いい塩梅に席が空いていたので、みんなで並んで座ることができた。
  3. 塩梅よく雨があがり、チームの全員がやる気を出し始めた。
  4. この時期になると、塩梅が悪いと言って仕事を休む人が増えるので大変だ。

①の例文では、味加減について言及する為に「塩梅」を用いています。したがって、この場合は「案配」という代用漢字を使うことはできません。

一方、②では健康、③では天気、そして④では体の状態を「塩梅」で表しています。これらの用法においては、「案配」の漢字を用いることも可能です。

「塩梅」の語源

「塩梅」はもともと、「えんばい」と読む熟語でした。料理の基本の調味料である塩と梅酢から、一文字ずつ用いられています。

これが、室町時代ごろになると「あんばい」と読まれるようになりました。というのも、もともと別にあった「按排(あんばい)」という熟語と混同されるようになったからです。この「按排」という熟語は、「物事を上手く処置すること」を意味しています。

このような経緯から、「塩梅」は料理の味加減全般と、物事の具合を意味するようになったのです。

また、現代でも「塩梅」を「えんばい」と読むことがあります。この場合は、雅楽(ががく)の篳篥(ひちりき)という楽器の奏法を指しています。雅楽とは、日本古来の音楽と平安時代までに大陸から伝わった音楽を合わせた、古典音楽の総称です。

「塩梅」の類義語

塩梅には以下のような類義語があります。

  • 調子(ちょうし):動いたりすることの具合
  • 加減(かげん):物事の具合や程度
  • 状態(じょうたい):物事の様子

「塩梅」の英語訳

塩梅を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • taste
    (風味、味)
  • seasoning
    (味付け)
  • condition
    (状態、体調)
  • state
    (状態、状況)
  • situation
    (状態、事態)

味加減について表す際は、“taste” や “seasoning” という単語を用います。その他の物事の具合や様子を指す場合には、“condition”・“state”・“situation” を使うことができます。

まとめ

以上、この記事では「塩梅」について解説しました。

読み方塩梅(あんばい)
意味物事の具合や様子
語源「塩梅(えんばい)」と「按排(あんばい)」の混同から
類義語調子、加減、など
英語訳taste(風味、味)など。

「塩梅」は、頻繁にではないものの、日常生活で使う機会がある熟語です。用法をきちんと確認し、間違いなく使うことができるようにしておきましょう。