ことわざ「秋の扇」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「秋の扇(おうぎ)」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

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「秋の扇」の意味をスッキリ理解!

秋の扇(おうぎ):男性からの愛を失い、見捨てられた女性のこと

「秋の扇」の意味を詳しく

扇、即ちうちわは、蒸し暑い夏に風を起こすために使われます。しかし、そんな扇も、涼しく過ごしやすくなってくる秋にはあまり使われません。

ここからも分かるように、「秋の扇」ということわざは元々「必要の無くなったもの」を指す言葉です。そこから転じて、「男性からの愛を失い、見捨てられた女性」を表すことわざになりました。

単純に「秋になり、使われなくなった扇」を指す場合もありますが、この意味で用いられることは稀(まれ)です。

また、「秋の扇」は男性からの愛を失った「女性」に対してのみ使われます。男性に対しては使われないことに注意しましょう。

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「秋の扇」の使い方

「秋の扇」を使った文章には、以下のようなものが挙げられます。

  1. 一緒にいた時は夢のような時間だったが、秋の扇となってしまった今は悲しみだけが残っている。
  2. 秋の扇というように、彼女は結局1人になってしまった。
  3. 冬に扇風機を出しておいても、秋の扇というものだ。

①、②の例文では、「男性の愛を失ってしまった女性」という意味を表し、③の例文では、「必要なくなってしまったもの」という意味をそれぞれ表しています。

先述の通り、①や②の意味で用いる場合には、女性に対してのみ使うことができることに注意しましょう。

「秋の扇」の由来

「秋の扇」は、今からおよそ2000年前、前漢時代の中国の故事にその由来を持ちます。

前漢の皇帝であった成帝(せいてい)には、班婕妤(はんしょうよ)という側室がいました。班婕妤は成帝から大いに愛されていましたが、やがて超飛燕(ちょうひえん)という成帝の皇后にその愛を奪われてしまいます。

愛を失った班婕妤は悲しみにくれ、もはや必要では無くなってしまった自分を秋の扇にたとえて『怨歌行(えんかぎょう)』という詩を詠んだのです。

この班婕妤の故事から、「秋の扇」が現在のような意味で用いられることになりました。愛を失った女性に対してのみ使われる理由がよく分かります。

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「秋の扇」の類義語

「秋の扇」には以下のような類義語があります。

  • 秋風が立つ:男女の間の愛が冷めてしまうこと
  • 団雪(だんせつ)の扇:男性からの愛を失った女性のこと
  • 月夜に提灯(ちょうちん):不必要で、役に立たないもののこと
  • 六日(むいか)の菖蒲(あやめ)、十日の菊:季節外れで、役に立たないもののこと

「男性からの愛を失った女性」という意味の類義語と、「役に立たないもの」という意味の類義語を2つずつ挙げています。

「六日の菖蒲、十日の菊」ということわざですが、菖蒲は5月5日の端午(たんご)の節句に、菊は9月9日の重陽(ちょうよう)の節句にそれぞれ用いられる花です。つまり、5月6日の菖蒲や、9月10日の菊の花はもう時期がずれており役に立ちません。

ここから、「六日の菖蒲、十日の菊」ということわざがこのような意味で使われるようになりました。

「秋の扇」の英語訳

「秋の扇」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • woman who has lost a man’s affection
    (男性の愛情を失った女性、秋の扇)
  • useless
    (無用な)
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まとめ

以上、この記事では「秋の扇」について解説しました。

読み方 秋の扇(おうぎ)
意味 男性からの愛を失い、見捨てられた女性のこと
由来 前漢時代、班婕妤の故事から
類義語 秋風が立つ、団雪の扇、月夜に提灯など
英語訳 woman who has lost a man’s affection(秋の扇)、useless(無用な)など

失恋は男女問わず人を苦しめるものですが、今回は女性の失恋に対してのみ使うことができる少し特殊なことわざの紹介でした。

由来から分かるように、恋愛というものは2000年以上前から変わらず、私たちを魅了し、翻弄するものだったのですね。

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