「愛などいらぬ」とは「苦しむくらいなら、はじめから愛なんて要らない」という意味です。
短い言葉ですが、印象的で深く考えさせられるような言葉ですよね。
漫画『北斗の拳』が元ネタですが、どんな時に使うのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では「愛などいらぬ」の意味や使い方、サウザーの他の名言まで詳しく解説します。
「愛などいらぬ」の意味
苦しむくらいなら、はじめから愛なんて要らない
例:推しが結婚した…愛などいらぬ。
「愛などいらぬ」は、苦しみや悲しみを味わうくらいなら、最初から愛を知らないほうが良いという悲痛な気持ちを表します。
「愛などいらぬ」の元ネタ
「愛などいらぬ」の元ネタは、漫画『北斗の拳』に登場する人物・サウザーの台詞です。
サウザーは「自らが最高権力者になる」という野心に満ちており、無差別な殺戮を行うなど残虐な性格です。
しかし、彼が非情な行動をとるようになったのは、暗く悲しい過去があるからでした。
オウガイはサウザーにとても厳しい人物でしたが、サウザーに深い愛情を注いでくれ、サウザーもオウガイを「お師さん」と呼び、父親のように慕っていました。
サウザーが15歳になったある日、正式な南斗鳳凰拳の伝承者となるために「継承の儀」を受けることになります。
継承の儀の内容は、「目隠しをして、襲ってくる敵を倒せ」というものでした。
サウザーは敵を倒しましたが、目隠しをとった時、目の前にはオウガイが倒れていました。
実は、南斗鳳凰拳を伝承するためには、先代の伝承者を殺害する必要があったのです。
自身の手でオウガイを殺めてしまったことを理解したサウザーは、号泣しながら心中で以下のように叫びます。
こ…こんなに…
こんなに悲しいのなら苦しいのなら…………
愛などいらぬ!!
そして、サウザーは愛を失うことを恐れ、愛をもたない残虐な人物になってしまうのです。
このサウザーの台詞の一部が有名となり、主にネット上での会話で使われるようになりました。
漫画『北斗の拳』には、架空の拳法として「南斗聖拳(なんとせいけん)」が登場します。
多くの流派に分かれているとされ、中にはサウザーが継承した南斗鳳凰拳のように、継承者が先代の継承者を殺害しなければならないものもあります。
「愛などいらぬ」の使い方
「愛などいらぬ」は、愛ゆえに辛い思いをしてしまった時に使います。
例文を見てみましょう。
- もういい。愛などいらぬ。
- 推しが結婚した…愛などいらぬ。
- こんなに苦しいのなら……愛などいらぬ!!
③のように、元ネタとなった台詞の他の部分を使うこともあります。
また、以下のようにTwitterでもよく使われます。
やはり、男と女なんてララララ。愛さないほうがいい。
いつか価値観が変わったり、ほかに好きな人が出来たりセンチメンタルな気分になったり。
婚約、結婚、子供ができても他人は他人!
血のつながらない相手だからね。
愛など、いらぬ!! pic.twitter.com/lcNohPgnjW— そーし (@soshipg) October 31, 2021
こんなに苦しいのなら悲しいのなら愛などいらぬ!!。。。でも気がついたら好きになっているんですよね。
— まい (@mai10113) November 2, 2021
その他のサウザーの名台詞
愛などいらぬには以下のような類義語があります。
- 愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!!愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!!
- 退(ひ)かぬ!媚びぬ!省(かえり)みぬ!
「愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!!愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!!」の意味
「愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!!愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!!」は、サウザーが主人公・ケンシロウとの闘いで言った台詞です。
実の父親のように慕っていたオウガイを自らの手で殺めてしまったサウザーが言うことによって、彼の苦悩がよく表れています。
2018年3月には、中学校2年生の道徳の教科書(東京書籍)に引用されたことが発表されました。
「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」の意味
「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」は、サウザーが主人公・ケンシロウに攻撃された時に言った台詞です。
自らを「帝王」と名乗り、高いプライドを持つサウザーの性格がよく表れています。
厳密には以下のような台詞です。
おれは聖帝サウザー!!南斗六星の帝王!!
ひ…退かぬ!!媚びぬ 省みぬ!! 帝王に逃走はないのだーー!!
この後、サウザーはケンシロウに反撃しますが、最期はケンシロウによって倒され、かつての師・オウガイの愛情を思い出して息を引き取ります。
『北斗の拳』は、武論尊(ぶろんそん)が原作者である漫画です。
作画を担当していた漫画家に平松伸二がいます。
平松伸二の漫画に、『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』『外道坊(げどうぼう)』があります。
どちらの漫画にも、サウザーのように愛を否定する悪役が登場しますが、暗い過去が明らかになることなどはなく、あっさりと倒されました。
『北斗の拳 イチゴ味』とは?
『北斗の拳 イチゴ味』は、漫画『北斗の拳』をパロディしたギャグ漫画です。
『北斗の拳』原作の武論尊が原案を努めており、2013年から『WEBコミックぜにょん』で連載されています。
原作とは異なり、サウザーを主人公として描いているほか、その他の悪役も原作では絶対に言わないようなギャグを連発します。
ちなみに、『北斗の拳 イチゴ味』のサウザーは、少年時代の大半がお師さん(オウガイ)との厳しい修行期間だったため、その反動で「青春や学校生活にとても強い憧れを抱いている」という設定です。
「愛などいらぬ」のまとめ
以上、この記事では「愛などいらぬ」について解説しました。
読み方 | 愛(あい)などいらぬ |
---|---|
意味 | 苦しむくらいなら、はじめから愛なんて要らない |
元ネタ | 漫画『北斗の拳』に登場する人物・サウザーの台詞 |
その他のサウザーの名台詞 | 愛ゆえに人は苦しまねばならぬ!!愛ゆえに人は悲しまねばならぬ!! 退かぬ!媚びぬ!省みぬ! |
サウザーの名言は道徳の教科書にも掲載されています。
時には愛について考えてみることも大切かもしれませんね。