「日本は『高齢化社会』だ」という言葉、よく聞きませんでしょうか。近年、様々な観点で高齢化の問題が指摘されていますよね。ただ、高齢化している社会を表す言葉には別の表現もあります。
「高齢社会」と「超高齢社会」です。皆さまは、それぞれの言葉の意味をご存知でしょうか。今回は 3つの言葉の意味の違いについて解説します。冒頭の表現は正しいのでしょうか。
結論:高齢化の度合いに違いがある。
高齢化率が 7% を超えれば「高齢化社会」、高齢化率が 14% を超えれば「高齢社会」、21% を超えれば「超高齢社会」となります。
「高齢化社会」をもっと詳しく
「高齢化社会」とは、高齢化率が 7%~14% である社会のことです。高齢化した社会をイメージしやすい語感からよく使われる言葉ですが、定量的に定義がされているため、誤用には気を付けましょう。
日本は 1970年に高齢化率が 7% を超え、高齢化社会となりました。医療費の負担が重くのしかかる高齢者がいたことから、1973年に老人医療費自己負担額を無料にするなど、国家として高齢化問題に取り組み始めた時代でした。
現在「高齢化社会」の国の例
- コロンビア
- 中国
- 韓国
「高齢社会」をもっと詳しく
「高齢社会」とは、高齢化率が 14%~21% である社会のことです。高齢化社会よりも高齢化が進んだ社会と言えます。
日本は1995年に高齢社会となりました。高齢者の数が増大したことから、高齢者の福祉の増進を図り、2008年に後期高齢者医療制度が発足されました。後期高齢者(75歳以上の人)に適切に医療が行き渡るように制度改革がなされたのでした。
現在「高齢社会」の国の例
- ウルグアイ
- カナダ
- フランス
現在「超高齢社会」をもっと詳しく
「超高齢社会」とは、高齢化率が 21% を超えた社会のことです。高齢化の具合を指す言葉としては最も上位のものです。
日本は2010年に高齢化率が 21% を超え、超高齢社会になりました。そのため、現在の日本について言及する場合は、超高齢社会が正しい表現となります。
日本は今や、世界一高齢化が進んでいる国です。今後も進む高齢化に現行の社会保険制度で対応することの限界について、盛んに議論が交わされています。
現在「超高齢社会」の国の例
- ポルトガル
- ドイツ
- イタリア
まとめ
以上、この記事では、「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」の違いについて解説しました。
- 高齢化社会:高齢化率が 7%~14% の社会
- 高齢社会:高齢化率が 14%~21% の社会
- 超高齢社会:高齢化率が 21%以上の社会