「挙句の果て」の意味とは?読み方は?使い方から英語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「挙句の果て(あげくのはて)」です。

言葉の意味や使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「挙句の果て」をざっくり言うと……

読み方挙句の果て(あげくのはて)
意味出来事の結末、終わり
由来俳句・連歌の下の句を「挙句」と呼んだことから
類義語悪戦苦闘の末、苦心惨憺の末
英語訳On top of all that(最終的には)

「挙句の果て」の意味をスッキリ!

挙句の果て(あげくのはて)出来事の結末

「挙句の果て」の意味をもっと詳しく

「挙句の果て」は、出来事の結末・終わりという意味です。良くない出来事の後、さらに良くない結果が続いた場合に使われるため、プラスな意味を持つ文脈で使われることはありません。

『挙句』という言葉には、『結果』という意味があります。『挙句』という言葉は、単体では次のように使用します。

  • 彼女は彼を騙した挙句、突然姿を消した。
  • 彼は私の友人と浮気した挙句、私と別れて結婚した。

また、『果て』という言葉にも、『物事の終わり』『末路(まつろ)』という意味があります。

『果て』を語尾にくっつけることで、同意義の『挙句』が強調されているのです。

つまり、「挙句の果て」ということわざは、『挙句』や『果て』がそれぞれ表す『結末』よりも、より強調された『結末』を表しています。

「挙句の果て」の使い方

  1. マイケルは仕事に遅刻した。挙句の果てに、会議に必要な書類まで忘れてきた。
  2. 今朝は寝坊してしまい、急いで出勤した。
    途中でコーヒーを買ったが、慌てて飲もうとしたためYシャツに零してしまった。
    挙句の果てには、信号が点滅している横断歩道を渡ろうとして、発進してきた車に轢かれそうになった。
  3. 昨日は楽しみにしていた新刊の発売日だったが、前日の仕事が忙しく、眠るのが遅くなった。そのせいで起床時間が遅れ、書店には残り1冊しか在庫がなかった。
    挙句の果てには、僕は財布を自宅に忘れてしまい、最後の1冊を買うことができなかった。
  4. このあいだ、上司は繁忙期で会社全体が忙しい時期にも関わらず、長期休暇を取得した。そのことで同じ部署の部下たちから反感を買ってしまっただけでなく、部下たちは上司の分も仕事を負担しなければならなくなった。挙句の果てには、部下からの緊急の連絡にも返答しなかったため、上司の信頼はがた落ちした。

上記の使用例からわかるように、「挙句の果て」は『さらに悪いことに』というニュアンスを含んでいます。

 

仮に、「挙句の果て」より前にくる出来事をA、後にくる出来事をBとします。

出来事Aと出来事Bは、いずれもマイナスな結果を伴う出来事であることがほとんどです。

そして、「挙句の果て」はAとBを結ぶ接続詞として使われます。

このあいだ、上司は繁忙期で会社全体が忙しい時期にも関わらず、長期休暇を取得した。

そのことで同じ部署の部下たちから反感を買ってしまった(A1)だけでなく、部下たちは上司の分も仕事を負担しなければならなくなった(A2)。

挙句の果てには、部下からの緊急の連絡にも返答しなかったため、上司の信頼はがた落ちした(B)。

「挙句の果て」の由来

『挙句』がそのような意味を持つようになった背景には、俳句や連歌(※)の存在があります。

そもそも、『挙句』という言葉は、連歌や俳句の下の句を表します。

 

そして、下の句とは、俳句や連歌の締めの部分を表します。

それに由来して、『挙句』という言葉そのものが、最終的な結末を表す言葉として使われるようになったのです。

 

  • 連歌(※):和歌の上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を、それぞれ別の者が詠む。複数人で詩を連作する日本の伝統的な詩形式の1つ。

「挙句の果て」の類義語

「挙句の果て」には、次のような類義語があります。

  • 悪戦苦闘の末(あくせんくとうのすえ):物事をいろいろ試してみた結果
  • 苦心惨憺の末(くしんさんたんのすえ):「悪戦苦闘の末」に同じ
  • とどのつまり:「挙句の果て」に同じ

『悪戦苦闘の末』と『苦心惨憺の末』の2つは、「挙句の果て」とはニュアンスが異なります。

「挙句の果て」には、『時系列順に起きた出来事の最後として』という意味があるのに対し、この2つには『結果を変えるために努力をした』という意味が含まれるからです。

一方、『とどのつまり』は「挙句の果て」よりもカジュアルで、言葉の持つ程度が軽くなります。

「挙句の果て」の英語訳

「挙句の果て」は、英語では以下のように表現されます。

  • On top of all that
    (全ての最後には)
  • in the end
    (最終的には)

まとめ

以上、今回はことわざ「挙句の果て」について解説しました。

読み方挙句の果て(あげくのはて)
意味出来事の結末、終わり
由来俳句・連歌の下の句を「挙句」と呼んだことから
類義語悪戦苦闘の末、苦心惨憺の末
英語訳On top of all that(最終的には)

今までの使い方で合っていた人も、意味や使用法を復習する機会になったのではないでしょうか。

『そうだったんだ!』と使い方を知らなかった人も、これを機に新しい表現を使ってみましょう。

日常的な言葉の中に、さりげなくことわざをもぐり込ませてみるのも、面白いですね。