「溜飲」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「溜飲」です。

言葉の意味・「溜飲」を使った表現・使い方・語源・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「溜飲」をざっくり言うと……

読み方溜飲(りゅういん)
意味喉元にせりあがってきた胃液
「溜飲」を使った表現溜飲が下がる
溜飲を下げる
語源「飲み食いしたものが消化しきれずに胃で留まること」を表す漢字
英語訳stomach acid(胃酸)

「溜飲」の意味をスッキリ理解!

溜飲(りゅういん):喉元にせりあがってきた胃液

「溜飲」の意味を詳しく

「溜飲」とは、喉元にせりあがってきた胃液のことです。

飲食物が胃に滞って、胃液が喉元や口内までせりあがってくることがあります。胃液は酸性なので、すっぱい味がしますし、刺激が強いです。

医学における「溜飲」の意味

医学的には「溜飲」は、「胃の不調によって、酸性の液体がのどに溜まり、胸やけを起こすこと」「消化不良が原因で、胸やけがしたり胃液が喉まであがってきたりする症状」という意味です。

医学的には、「せりあがってきた胃酸」というよりも「胃酸がせりあがってくる症状そのもの」を指すのです。

消化不良によって、胃酸がせりあがったり、喉元にとどまると胸やけを起こすことがあります。

比喩的な「溜飲」の意味

「溜飲」は、「胃酸がせりあがってきて起こる胸やけ」の意味から「胸に残るムカムカした気持ち」「不平や不満」という意味に派生しました。

医療の分野以外では、これらの意味で比喩的に使われることが多いです。

「溜飲」を使った表現

「溜飲」は、以下のような表現で使われることが非常に多いです。

  • 溜飲を下げる
  • 溜飲が下がる

これらはふたつとも、「不平や不満がなくなって胸がスカっとすること」「晴れ晴れとして気持ちが良くなること」「わだかまりが消えて気分が落ち着くこと」などの意味です。

「溜飲」には「せりあがってきた胃酸」という意味があるので、「喉元に上がっていた胃酸が胃も下がる」という意味から「下がる」や「下げる」などの表現が使われます。

また、「下げる」と「下がる」という表現の違いがあるため、ふたつには少しニュアンスの違いがあります。

 

「溜飲を下げる」とは、「自主的に不平や不満の原因になるものを解消し、胸をスカっとさせること」という能動的な意味です。

「溜飲が下がる」とは、「何かの理由から不平や不満の原因になるものが解消されて、胸がスカっとすること」という受動的な意味です。

「溜飲」の使い方

  1. 日ごろから積もっていた不満を彼に全部伝えたので、溜飲が下がった。
  2. 彼には嫌味を何度も言われたが、結果で見返して溜飲を下げることができた。
  3. 購読者の溜飲を下げるために過激な政治批判をする。

医学用語として使われるとき以外は、上のように「溜飲を下げる」「溜飲が下がる」という使い方をされることがほとんどです。

また、以下のような使い方は誤用なので注意しましょう。

  1. 溜飲を飲む
  2. 溜飲が晴れる
  3. 溜飲を収める
  4. 溜飲が下がらない

「溜飲」には「胃酸」という意味があるので「飲む」という表現ができるように思えますが、「下がる」「下げる」以外の使い方はしません。

また、「気分が晴れる」という意味合いから「溜飲が晴れる」という使い方もされがちですが、誤りです。

さらに、「気分がなかなか晴れないこと」を「溜飲が下がらない」と言い表すことはないので注意が必要です。

「溜飲」の語源

「溜飲」という漢字には以下のような意味があります。

  • :流れがとどまっている様子
  • :飲む・食べること

ここから「飲み食いしたものが消化しきれずに胃でとどまっている様子」を表す熟語になりました。

「溜飲」の英語訳

「溜飲」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • stomach acid
    (胃酸)

まとめ

以上、この記事では「溜飲」について解説しました。

読み方溜飲(りゅういん)
意味喉元にせりあがってきた胃液
「溜飲」を使った表現溜飲が下がる
溜飲を下げる
語源「飲み食いしたものが消化しきれずに胃で留まること」を表す漢字
英語訳stomach acid(胃酸)

単語自体の意味は簡単ですが、使い方には注意が必要です。