「原爆」と「水爆」の違いとは?仕組みから威力の違いまで比較して解説

違いのギモン

歴史の授業で「原爆」や「水爆」について、少し勉強した経験があると思いますが、その仕組みについては知らないですよね。

この2つは、どのような違いがあるのでしょうか。この記事では、「原爆」と「水爆」の違いについて解説します。

結論:違いは、エネルギーの素

「原爆」と「水爆」の違いは、エネルギーの素です。

「原爆」は、ウラン235やプルトニウムの核分裂がエネルギーの素となっていますが、「水爆」は、水素の核がくっつくことがエネルギーの素となっています。

「原爆」をもっと詳しく


「原爆」は、ウラン235やプルトニウムの核分裂がエネルギーの素となっています。ウランとは、放射線を出して別の原子核に変わろうとする性質を持っている鉱石で、プルトニウムとは、自然界には存在しない人工の放射線を発する物質です。

原子核は安定して存在しているので、分裂させることはとても難しいことですが、物理学者のニールス・ボーアが、ウラン235が最も分裂しやすいことを発見しました。

ウラン235が核分裂をすると、重量が少し軽くなりますが、そのときに生まれるエネルギーは、石油の約230万倍にもなります。

 

「原爆」は、第二次世界大戦のときに、ドイツ、日本、アメリカ、イギリスなどで開発が進められ、アメリカが世界で初めて「原爆」の開発に成功しました。

そして、1945年8月6日に広島へウラン235を使った「原爆」が投下され、1945年8月9日に長崎にプルトニウムを使った「原爆」が投下されました。その後、冷戦期には、約2000回の「原爆」の実験が行われました。

「水爆」をもっと詳しく


「水爆」は、水素の核がくっつくことがエネルギーの素となっていて、「原爆」よりも製造が難しいとされています。世界で初めての「水爆」の出力は、1040キロトンで、広島に落とされた「原爆」の出力が13キロトンなので、「水爆」は「原爆」の800倍の威力になります。

水素の核がくっつくためには、高温高圧状態が必要ですが、自然にそのような状態は作れないので、起爆装置として使うのが「原爆」です。「原爆」が使われているので、爆発した後は、大量の放射能が発生します。

「水爆」は、ウラン238で作られている容器の中に水素があるので、起爆装置となる「原爆」の爆発と水素爆弾の爆発、そしてウラン238の容器の爆発が一瞬のうちに起こるため、非常に強力な威力を持つことになります。

 

これまでに、「水爆」実験を行った国は、アメリカ、旧ソ連、中国などで、現在核を保有している国は9ヵ国ありますが、ほとんどをロシアとアメリカが保有しています。

もしも、「水爆」が東京駅に落ちた場合、東京23区は完全になくなってしまいます。それだけではなく、東京周辺の神奈川や埼玉、千葉なども被害を受ける範囲に入ってしまいます。この例だけでも「水爆」がどれだけ恐ろしいものかが分かります。

まとめ

以上、この記事では、「原爆」と「水爆」の違いについて解説しました。

  • 原爆:ウラン235やプルトニウムの核分裂がエネルギーの素
  • 水爆:水素の核がくっつくことがエネルギーの素

「原爆」や「水爆」の仕組みは、難しそうと避けてしまいがちですが、知ることでその恐ろしさがよく理解できると思います。