チョコレートとショコラの決定的な違いは、「チョコレートは英語、ショコラはフランス語に由来する」という点です。
違いをわからないまま、曖昧に使い分けてしまっていませんか?
実は、チョコレートとショコラには細かい違いがあるのです。
この記事でチョコレートとショコラの違いを学び、周りと差をつけましょう。
☆「チョコレート」「ショコラ」の違いをざっくり言うと……
チョコレート | ショコラ | |
---|---|---|
語源 | 英語 “chocolate” | フランス語 “chocolat” |
言葉を使う頻度 | 高い | 低い |
加工の有無 | 加工前を指すことが多い | 加工したものを指すことが多い |
このページの目次
「チョコレート」と「ショコラ」の違い
チョコレートとショコラは、どちらもカカオ豆を原料としたお菓子を指します。
意味は同じですが、語源や使い分けに着目すると、以下のような違いがあります。
チョコレート | ショコラ | |
---|---|---|
語源 | 英語 “chocolate” | フランス語 “chocolat” |
言葉を使う頻度 | 高い | 低い |
加工の有無 | 加工前を指すことが多い | 加工したものを指すことが多い |
以上の3点の違いについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
語源の違い
「チョコレート」は英語、「ショコラ」はフランス語が語源となっています。
以下、それぞれの語源について詳しく解説します。
「チョコレート」の語源
チョコレートの語源は、英語の “chocolate” です。
【名詞】チョコレート
なお、英語の “chocolate” の語源は、さらに以下のように遡ることができます。
※諸説あり
↓
スペイン語の “chocolate(チョコラテ)”
↓
英語の “chocolate”
チョコレートはもともと、ホットチョコレート(チョコレートが液体になっている、温かい飲み物)を指していました。
16世紀ごろ、ホットチョコレートがアメリカからスペインに伝わったと言われています。
19世紀に、イギリスで固形のチョコレートが作られるようになった結果、現在では固形の状態をチョコレートと呼ぶのが一般的になりました。
「ショコラ」の語源
「ショコラ」の語源は、フランス語の “chocolat” です。
【名詞】ショコラ
チョコレート専門のパティシエを「ショコラティエ」といいます。
「ショコラティエ」も、フランス語の “chocolatie” に由来しています。
言葉を使う頻度の違い
「チョコレート」のほうが、「ショコラ」よりも使われることが多い言葉です。
以下、それぞれの使用頻度について詳しく解説します。
「チョコレート」を使う頻度
日本では、カカオを原料としたお菓子を呼ぶ際、「ショコラ」よりも「チョコレート」という呼び方が使われることが多いです。
この理由については、次のように考えられています。
アメリカでは英語で “chocolate” と呼ばれているため、日本のお菓子メーカーでも、同じように「チョコレート」を商品名に使うようになったのです。
このため、日本では、フランス語のショコラよりも、英語のチョコレートのほうが馴染みがある表現となっているのです。
「ショコラ」を使う頻度
「チョコレート」に比べると、「ショコラ」は使用頻度が低いカタカナ語です。
しかし、日本でも、フランス語に由来するチョコレート菓子は「ショコラ」と呼ぶ傾向があります。
具体例を見てみましょう。
- ガトーショコラ
チョコレート生地のケーキ - フォンダンショコラ
チョコソースが入っているケーキ
ガトーショコラとフォンダンショコラは、どちらもフランスのチョコレート菓子であるため、「ガトーチョコ」「フォンダンチョコ」とは呼ばないのです。
ショコラはチョコレートよりも使用頻度が低い言葉です。
この特徴を逆手にとって、フランス語由来のお菓子でなくても、ショコラと呼ぶ場合もあります。
「いつもと違う感じ」「おしゃれな感じ」を演出するため、あえてショコラという名前を使うのです。
加工の有無の違い
「チョコレート」は加工前の工業品や、お菓子の材料を指すことが多いです。
一方、工夫や加工を重ねて、1つのスイーツとして完成したものは、「ショコラ」を呼ぶことが多いです。
以下、それぞれについて詳しく解説します。
チョコレート:加工前を指すことが多い
以下のような加工前の工業品や、お菓子の材料として使うものは、必ず「チョコレート」と呼びます。
- 板チョコ
(板ショコラとは言わない) - チョコチップ
(ショコラチップとは言わない)
ショコラ:加工したものを指すことが多い
材料としてのチョコレートに、さらに工夫や加工を重ねて、1つのお菓子として完成したものは、「ショコラ」と呼ぶ傾向が強いです。
このため、プロのパティシエが作ったチョコレート菓子などは、一般的にショコラと呼ぶのです。
「チョコレート」「ショコラ」の作り方
「チョコレート」や「ショコラ」は、以下のような流れで作られます。
- カカオ豆を高温で加熱する
- 皮をむき、殻(から)や芽を除く
- 豆を細かく砕き、ふるいをかけて粉にする
※この状態を「カカオマス」という - ココアバター・砂糖・牛乳などを練り込む
- 型に流し込み、冷やして固める
- 完成
「チョコレート」と「ショコラ」の違いのまとめ
以上、この記事では、チョコレートとショコラの違いについて解説しました。
どちらも同じく、カカオ豆から作られたお菓子であるものの、細かい違いとしては以下のようにまとめることができます。
チョコレート | ショコラ | |
---|---|---|
語源 | 英語 “chocolate” | フランス語 “chocolat” |
言葉を使う頻度 | 高い | 低い |
加工の有無 | 加工前を指すことが多い | 加工したものを指すことが多い |
どちらを使っても問題ない場面が多いものの、細かい相違点を理解しておくと、呼び方に迷ったときに便利ですね。
「チョコレート」と「ショコラ」を正確に使い分けていきましょう。