「陶器」と「磁器」の違いとは?見た目から焼き方まで解説

違いのギモン

日々使う食器ですが、焼き物には「陶器」と「磁器」があります。その2つの違いを知っていますか。この記事で詳しく解説していきます。

☆「陶器」「磁器」の違いをざっくり言うと……

陶器磁器
材料陶土(土)磁土(石)
焼き温度800度~1000度1200度~1400度
焼き方酸化焼成と還元焼成還元焼成
硬さ柔らかい硬い
吸水性あるない
透光性ないある
打音コンという低い音キンという高い音
質感荒いなめらか

結論:陶土でできているか磁土でできているか

「陶器」は陶土からできています。

「磁器」は磁土からできています。

細かい違いはありますが一番の違いは材料です。

「陶器」についてもっと詳しく

陶器は表面に凹凸(おうとつ)があり、温かみのある素朴な風合いです。材料は陶土という土から作られた粘土です。磁器とは、材料の違いから生まれる様々な違いがあります。まずは陶器の特徴について書いていきます。

焼き方と硬度

陶器は800度から1200度前後の温度で焼かれます。低い温度で焼くため柔らかく、磁器より割れやすいです。

また、陶器は酸化焼成と還元焼成という2つの焼き方が使われます。

酸化焼成は空気を多くして青色の炎で焼く方法です。還元焼成は反対に、空気を少なくして赤黒い炎で焼く方法です。酸化焼成をすると生地が黄色っぽくなります。

吸水性と透光性と打音

陶器は吸水性があります。素地が粗いためです。うわぐすりというものを塗ることで吸水性は無くなります。ですが、色がついた液体に長時間浸けておくと色が移ってしまうことがあるので注意が必要です。

また、陶器は素地に色がついているので光は通しません。

陶器をたたくと低めの濁ったような音が出ます。「コン」というイメージです。

陶器にはどのようなものがあるか

全国に様々な焼き物がありますが、その中で陶器であるのは、信楽焼、備前焼、薩摩焼、萩焼などです。また、陶器は和食器に多く見られますが、オランダのデルフト焼きなど西洋にも有名なものがあります。

「磁器」についてもっと詳しく

磁器は白くなめらかな質感です。材料は長石を主成分とする磁土です。陶器は土からできていたのに対し磁器は石からできています。陶器と同様に特徴を紹介します。

焼き方と硬度

磁器は1200度から1400度で焼かれます。焼く温度が高く、硬いのが特徴です。

また、磁器は還元焼成です。

吸水性と透光性と打音

磁器は素地がなめらかで吸水性は無いです。

また、素地が白いため光を通します。光をあてるとうっすら透けたような感じがするでしょう。

たたくと「キン」と、澄んだ高い音がします。

磁器にはどのようなものがあるか

日本のものだと、有田焼、伊万里焼、九谷焼などが有名です。海外のものだと、マイセンや、中国や韓国の青磁や白磁などがあります。

まとめ

以上、この記事では、「陶器」と「磁器」の違いについて解説しました。

陶器磁器
材料陶土(土)磁土(石)
焼き温度800度~1000度1200度~1400度
焼き方酸化焼成と還元焼成還元焼成
硬さ柔らかい硬い
吸水性あるない
透光性ないある
打音コンという低い音キンという高い音
質感荒いなめらか

同じ焼き物でも性質や質感など違いがたくさんあります。食器を選ぶ際や焼き物を見るときに思い出してみてください。