言葉の意味が分からない時に用いる「じてん」。ただ、その「じてん」には「辞典」「事典」「字典」の 3つがあります。皆さまは、これら 3つの「じてん」の使い分けの仕方をご存知でしょうか。
今回は、「辞典」「事典」「字典」の違いについて解説します。
結論:語句は「辞典」、具体手な事柄は「事典」、特定の文字は「字典」
「事典」とは、事柄の内容を説明した書物のことです。
そして、「字典」とは、特定の文字の意味や用法などについて解説している書物のことです。
「辞典」をもっと詳しく
「辞典」とは、語句を集め、その読み方や意味、そして用法などについて解説している書物のことです。英語では “dictionary” と言います。
「辞典」では、一字ではなく、文字を連ねた単語を扱っています。また、同義語に置き換えて説明できるような抽象的な言葉を扱っているという点も、後に解説する「事典」との明確な違いです。
「辞典」の例
- 国語辞典
- 英和辞典
- 古語辞典
「事典」をもっと詳しく
「事典」とは、具体的な事柄や、専門的な用語の内容を説明した書物のことです。「事柄」の「辞典」と覚えておくと良いでしょう。英語では “encyclopedia” と言います。
説明される事柄は、固有名詞や歴史的事件などの具体的なものであるため、「辞典」に比べて、同義語に置き換えるような説明はあまりなされません。
また、「事典」という言葉は作られてからの歴史が浅いため、「事典」の意味合いを持っていながら「辞典」という文字が当てられている場合があります。
「事典」の例
- 百科事典
- 医学事典
- 歴史字典
「字典」をもっと詳しく
「字典」とは、語句を構成する文字に焦点を当てて、読み方や意味、そして用法などを解説している書物のことです。英語では “character dictionary” と言います。一字についての解説がなされるため、「辞典」や「字典」との違いは明確です。
漢字についての解説が記されている漢字字典が代表的な字典ですが、漢字辞典と表記されている場合があります。これは、漢字そのものの説明に加えて、その字が用いられる熟語等の解説がなされることで「辞典」の側面が強まっているためです。
「字典」の例
- かな字典
- 草書字典
- 行書字典
まとめ
以上、この記事では、「辞典」「事典」「字典」の違いについて解説しました。
- 辞典:抽象的な語句について意味や用法などを解説している書物
- 事典:具体的な事柄の内容について解説している書物
- 字典:特定の文字について意味や用法などを解説している書物
3つの「じてん」の違いは明確で、語句の解説をするのが「辞典」、事柄の解説をするのが「事典」、そして特定の文字の解説をするのが「字典」です。きちんと使い分けてくださいね。