今回ご紹介する言葉は、「おおよそ」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「おおよそ」をざっくり言うと……
読み方 | おおよそ |
---|---|
意味 | だいたいのところ |
類義語 | だいたい、約、ざっとなど |
対義語 | かっきり、ちょうど、きっちり |
英語訳 | outline(概要) |
「おおよそ」の意味をスッキリ理解!
「おおよそ」の意味を詳しく
「おおよそ」とは、だいたいのところです。
漢字で書くと「大凡」です。それぞれの漢字の意味は以下の通りです。
- 大:だいたい
- 凡:おしなべて、ふつうの、およそ
あまり使われませんが、「おおよそ」は「普通である」「ひととおりである」という意味にもなります。
副詞としての「おおよそ」の意味
「おおよそ」は名詞としての使い方の他に、副詞としての使い方もあります。
副詞としての「おおよそ」の意味は以下の通りです。
- 細部にこだわらず、概略を見渡す様子
- 全体的に見て、一般的に
「およそ」との違い
「おおよそ」と同じ意味として、「およそ」が使われることがあります。
「およそ」は、「お」が連続して発音しにくい「おおよそ」が、音変化して生まれた言葉であるとされています。もともと同じ言葉であるため、「おおよそ」と「およそ」に意味の違いはありません。
ただし、「おおよそ」が文語的でビジネスシーンでの使用に向いている一方、「およそ」は口語的で、ビジネスシーンのようなオフィシャルな場には向いていません。丁寧さが求められる場面では「おおよそ」、親しい相手との日常会話の場面では「およそ」を使いましょう。
「おおよそ」の使い方
- 先生の話のおおよそは理解できたが、どうしてもひとつだけ納得いかないものがある。
- その計画を完成させるのに、おおよそ15年ほどの時間がかかるだろう。
①の例文では、「先生の話」の大部分は理解した、ということを表すのに「おおよそ」が使われています。
こちらの「おおよそ」は名詞になります。「先生の話はおおよそ理解できたが」という表現の場合は副詞になります。
②の例文では、「約15年」という内容を表すのに「おおよそ15年」という表現が使われています。この場合の「おおよそ」は副詞です。
「おおよそ」は長い期間をざっくりと見積もるのに向いている言葉であり、「15年」のようなかなりの長期間を想定するときによく使われます。
「おおよそ」の類義語
おおよそには以下のような類義語があります。
- だいたい:細かいことを除いた主要な部分、そもそも
- 約:数量をおおまかに数えるための副詞
- ざっと:数量におおまかな見当をつけるさま
- ほぼ:完全ではないが、完全に限りなく近い様子
「だいたい」との違い
- おおよそ:細かいことを除いた大部分、一般的に
- だいたい:細かいことを除いた主要な部分、そもそも
ただし、「だいたい」の方がやや砕けた印象を与えるため、ビジネスシーンでは「おおよそ」を使う方がきっちりとした印象になります。
「約」「ほぼ」「ざっと」との違い
- おおよそ:数量・時間をざっくりと見積もるさま
- 約:数量・時間をおおまかに数えるための副詞
- ざっと:数量におおまかな見当をつけるさま
- ほぼ:完全ではないが、完全に限りなく近い様子
「約」も数量・時間の正確性に、ある程度の幅を持たせるための言葉ですが、「おおよそ」に比べて許容される誤差の範囲が狭くなります。端数を切り上げたり、数量を丸めたりしてわかりやすく表現するために使われます。
「ざっと」は、「おおよそ」「約」ほど正確性を重視しない言葉で、感覚的に「このくらいではないか」と判断する場合に使われる傾向があります。「おおよそ」が根拠を持って、もっとも可能性の高い数値を表現する言葉である一方、「ざっと」は、見た目でざっくりと判断する言葉になります。
「ほぼ」は、数量や物事の達成度など、100%の基準があり、ほとんどその値に近いものの少し足りないようなときに使われます。「おおよそ」「約」「ざっと」のように、物事の見当をつけるためにはあまり使われません。
「おおよそ」の対義語
おおよそには以下のような対義語があります。
- かっきり:ものの量に波数がなく、ぴったりである様子
- ちょうど:ある基準を超えることも不足することもなく一致しているさま
- きっちり:数量・時間に端数がない様子
「おおよそ」の英語訳
おおよそを英語に訳すと、次のような表現になります。
- outline
(概要) - more or less
(だいたい)
“outline” の意味
“outline” は、物事の要点をまとめたものを表す英単語です。
名詞としての「おおよそ」と対応します。
日本語でも、「アウトライン」と使われることがあります。ビジネスシーンでよく見られる表現であるため、合わせて覚えられるようにしましょう。
“more or less” の意味
“more or less” は、「だいたい」というニュアンスで使われる定型表現です。
副詞としての「おおよそ」と対応します。
まとめ
以上、この記事では「おおよそ」について解説しました。
読み方 | おおよそ |
---|---|
意味 | だいたいのところ |
類義語 | だいたい、約、ざっとなど |
対義語 | かっきり、ちょうど、きっちり |
英語訳 | outline(概要) |
「おおよそ」は似た表現の多い言葉であるため、細かいニュアンスと一緒に覚えましょう。