今回ご紹介する言葉は、「やむを得ない(やむをえない)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「やむを得ない」をざっくり言うと……
読み方 | やむを得ない(やむをえない) |
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意味 | そうするより他に方法がなく、仕方がない |
類義語 | 仕方がない、余儀ない、打つ手がないなど |
英語訳 | unavoidable(避けがたい) |
「やむを得ない」の意味をスッキリ理解!
「やむを得ない」の意味を詳しく
「やむを得ない」とは、そうするより他に方法がなく、仕方がないことです。
- やむ(已む・止む):それまで続いていたことが自然と止まること
「やむ」は漢字で表記すると「已む」または「止む」です。
「やむ」には、「それまで続いていたものが止まる」という意味があります。そのため、「やむを得ない」は、それまで続けていたことや、実行しようと考えていたことを自然と終えるまで続けることができないという意味になります。
そこから、「やむを得ない」は、どうしても途中で諦めるしかなくなった状況を説明する言葉として広く使われています。
「やむを得ない」の使い方
- 彼は、忌引きというやむを得ない理由で欠席している。
- この雨じゃ、運動会の中止はやむを得ない。
- 彼女はその国に留学することを夢に見てきたが、国際情勢の悪化でやむを得ず諦めることとなった。
上記の例文のように、「やむを得ない」は、ある目的が、簡単には変えがたい要因のせいで達成できないときに使われます。
①の例文では、本来出席するはずの「彼」が、忌引きという文化的に避けられない理由によって出席できなくなったことを「やむを得ない」と表現しています。
②の例文では、雨が理由で運動会の実施が難しくなったことを「やむを得ない」と表現しています。
③の例文では、留学を諦めたことに対し「やむを得ず」という表現が使われています。「留学」という目標が「国際情勢の悪化」という外的要因によって、達成困難になってしまったことが背景になっています。
「やむを得ない」の類義語
やむを得ないには以下のような類義語があります。
- 仕方がない:他にいい方法がなく、どうすることもできない
- 致し方ない:他にいい方法がなく、どうすることもできない
- 詮方ない(せんかたない):やれることがない
- 余儀ない:他にするべきことがない
- 打つ手がない:状況に対して有効な方法がない
「仕方がない」「致し方ない」との違い
「やむを得ない」「仕方がない」「致し方ない」の意味の違いは以下の通りです。
- やむを得ない:そうするより他にないこと、フォーマルな場でよく使われる
- 仕方がない:どうすることもできないこと、カジュアルな場でよく使われる
- 致し方ない:「仕方がない」を丁寧にした表現
「やむを得ない」には、公的な物事の決定のときなど、固い場面で使われる傾向があります。一方、「仕方がない」は、日常生活でも頻繁に使われる表現です。
意味の内容は同じですが、「やむを得ない」の方がより事態が深刻であるような印象を与えます。
「致し方ない」は「仕方ない」の「仕方」を「致し方」という敬語に直した表現です。こちらも敬語であるため、固い場面で使われます。
「詮方ない」「余儀ない」「打つ手がない」との違い
「やむを得ない」「詮方ない」「余儀ない」「打つ手がない」の意味の違いは以下の通りです。
- やむを得ない:そうするより他にないこと
- 詮方ない:できることがないこと
- 余儀ない:するべきことが他にないこと
- 打つ手がない:有効な手段がないこと
一方、「詮方ない」「打つ手がない」は、選択肢が一つもないという状況で使われる言葉です。状況を打開する手段がなく、手詰まりであるような場面に適しています。
「やむを得ない」の英語訳
やむを得ないを英語に訳すと、次のような表現になります。
- unavoidable
(避けがたい)
“unavoidable” の意味
“unavoidable” は、不可避であるということを表す形容詞です。
以下の例文ように、「やむを得ない」という状況を作った具体的な内容を説明します。
(それはやむを得ない事故であった)
まとめ
以上、この記事では「やむを得ない」について解説しました。
読み方 | やむを得ない(やむをえない) |
---|---|
意味 | そうするより他に方法がなく、仕方がない |
類義語 | 仕方がない、余儀ない、打つ手がないなど |
英語訳 | unavoidable(避けがたい) |
「やむを得ない」はよく使われる言葉ですが、似た表現も多く存在します。それぞれのニュアンスをつかんで使い分けられるようにしましょう。