「思いを馳せる」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「思いを馳せる(おもいをはせる)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「思いを馳せる」をざっくり言うと……

読み方思いを馳せる(おもいをはせる)
意味遠くのものや人物に考えを巡らせること
類義語思いを巡らせる、思いを募らせる
英語訳think of〜(〇〇のことを考える)

「思いを馳せる」の意味をスッキリ理解!

思いを馳せる(おもいをはせる):遠くのものや人物に考えを巡らせること

「思いを馳せる」の意味を詳しく

「思いを馳せる」とは、遠くのものや人物に考えを巡らせることです。

「馳せる」のもともとの意味は「走る」であり、「思いを馳せる」は、「思い」を走らせる必要があるほど遠いところにあるようなイメージを与えます。

「馳せる」の意味
  1. 心の動きをある方向に進めさせる (他動詞)
  2. 心の動きがある方向に動く (自動詞)

「馳せる」には、他動詞と自動詞の二種類があります。他動詞の「馳せる」は「心の動きをある方向に進めさせる」、自動詞の「馳せる」は「心の動きがある方向に動く」という意味になります。

「思いを馳せる」の場合は、「思いを」が先についているため、自分が考えを走らせているというニュアンスになります。そのため、「思いを馳せる」の「馳せる」は、他動詞の「馳せる」になります。

「思いを馳せる」の使い方

  1. 私は、そのとき、故郷に思いを馳せた
  2. 初恋のあの人に思いを馳せていたら、日が暮れてしまった。
  3. あいつは、今、遠い異国の地に思いを馳せているようだ。

上記の例文のように、「思いを馳せる」は、考えている対象とセットで表現されます。

①の例文では、「思いを馳せる」という言い回しから、「故郷」が遠く離れた地であることが伝わります。

②の例文では、「初恋のあの人」のことばかり考えて長い時間が経過したことが表現されています。このように、「思いを馳せる」には、深い考えに没頭するようなイメージもあります。

③の例文は、考えに深く集中している相手のことをからかうような表現になっています。

「思いを馳せる」の類義語

思いを馳せるには以下のような類義語があります。

  • 思いを巡らせる:あれこれ考えること
  • 思いを募らせる:物事に対する感情がだんだんと強くなっていくこと

「思いを巡らせる」の意味

「思いを馳せる」と「思いを巡らせる」には、以下のような違いがあります。

  • 思いを馳せる:一つのことを深く考え続ける
  • 思いを巡らせる:一つの物事をきっかけにあれこれ多くのことを考える
「思いを巡らせる」は、あれこれと考えることを表す言葉です。

「思いを馳せる」は、遠くにある人や場所について考えることを指し、一つのことを深く考え続けるイメージです。

一方で「思いを巡らせる」は、一つの物事をきっかけにあれやこれやと考えるような思考の過程を指すイメージになります。

脳をよく働かせるという意味ではどちらも共通しますが、考え方は異なるので使い分けに注意しましょう。

「思いを募らせる」の意味

「思いを馳せる」と「思いを募らせる」には、以下のような違いがあります。

  • 思いを馳せる:一つのことを深く考え続けることを表す言葉
  • 思いを募らせる:考えに感情が伴っているということが強調された言葉
「思いを募らせる」は、物事に対する感情がだんだんと強くなっていく様子を表す言葉です。

ただ考えるのではなく、考えに感情が伴っているということが強調された言葉です。

一つの物事についてあれこれ考えているうちに、感情が抑えきれなくなるようなイメージです。

「思いを馳せる」の英語訳

思いを馳せるを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • think of〜
    (〇〇のことを考える)
  • One’s thoughts go to〜
    (〇〇という場所のことを考える)

“think of〜” の意味

“think of〜” は、後ろに思いを馳せる対象をつけ、「〇〇のことを考える」という意味になります。

「〇〇」の部分には、人・場所・思い出など、どのような内容も当てはめることができます。

「思いを馳せる」は、遠い人や場所に考えを巡らせるイメージを伴うため、そういったものが「〇〇」に当てはまるでしょう。

例文
I thought of the past. (私は昔のことに思いを馳せた)

“One’s thoughts go to〜” の意味

“One’s thoughts go to〜” も、「〇〇のことを考える」という意味の英語表現です。

ただし、 “think of〜” とは異なり、「〇〇」に含まれる対象は場所に限られます。

「思い」というものが、まるでその場所に行っている最中であるかのように、場所のイメージが頭の中で広がっているというような感覚で使われます。

例文
My thoughts went to my hometown. (私は故郷のことに思いを馳せた)

まとめ

以上、この記事では「思いを馳せる」について解説しました。

読み方思いを馳せる(おもいをはせる)
意味遠くのものや人物に考えを巡らせること
類義語思いを巡らせる、思いを募らせる
英語訳think of〜(〇〇のことを考える)

「思いを馳せる」は、小説のフレーズとしてよく使われる言葉です。「思いを馳せる」自体の意味は難しくありませんが、類義語との違いなど、細かいニュアンスを覚えておけるとよいでしょう。

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