今回ご紹介する言葉は、熟語の「付随(ふずい)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「付随」をざっくり言うと……
読み方 | 付随(ふずい) |
---|---|
意味 | ある物事が他の主たる物事に付き従う関係にあること |
語源 | 「ぴったりとくっつける」「従う」という意味の漢字から |
類義語 | 付帯、付属、随伴など |
対義語 | 別個、独立、退散 |
英語訳 | accompany, attendなど |
このページの目次
「付随」の意味をスッキリ理解!
「付随」の意味を詳しく
「付随」はある物事が他の主たる物事に付き従う関係にあることという意味です。
あるメインとなる物事や出来事があり、それに伴って何かが起こることを「付随」と言います。あくまで従属的であるので、何か先に先頭を切るものがないと「付随」は用いません。
「付随」の使い方
- 制度改正に付随する問題の解決に追われている。
- オフィスの移転に付随して必要な作業をまとめる。
- 金融機関に付随業務を委託する。
- 利用者を増加させるには、付随サービスの向上が必要だ。
「付随」は「付随する〇〇」の形で用いられることが多いです。代表的な表現は「付随する業務」「付随する問題」などです。ビジネスにおいて、会社で仕組みが変わったり何か変動があった時に、それに伴って発生することに言及することができます。
「〇〇に付随して」の形でも同じように使われます。
「付随」のつく言葉
「付随」は直後に名詞を伴って使うことも多いです。以下にその例を紹介します。
- 付随業務
- 付随効果
- 付随資料
- 付随費用
- 付随的
「付随業務」は「付随する業務」をより簡略化した表現です。ある物事に関連して自然的に発生する業務のことです。
「付随効果」は「本来の目的とは異なる影響や効果」を意味します。たとえば運動不足解消のためにランニングを始めます。すると、毎朝同じ時間にランニングする人と友達になり交流の輪が広まったとします。
この場合、運動不足解消が本来の目的でしたが、「付随効果」として交流の輪が広がったと言えます。様々な場面で使われる言葉です。
「付随資料」はビジネスにおける会議資料やメールでの添付資料などにおいて使われます。「付随費用」は何かを購買した時に、それに伴って発生する費用のことで、日常的にも使われる言葉です。
「付随的」は何かに伴って結果的に発生する様子を意味しています。
「付随」の語源
「付随」を構成する漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 付:ぴったりとくっつける、備え付けること
- 随:従う、そのままついていく
2つの漢字の意味を組み合わせると、主となる物事にくっついて起こることという意味になります。
「付随」の類義語
「付随」には以下のような類義語があります。
- 付帯:主たる物事に伴ってつけ加わること
- 付属:あるものの一部となって付き従って起こること
- 随伴:一緒に連れていくこと
- 追随:後から追い従うこと
- 伴う:一緒に行動する、ある事柄に応じて生じること
「付帯」との違い
「付帯」は主たる物事に何かが付け加わってセットとして扱われることです。「付随」は主たる物事の後から別の物事が発生することであるので、少し意味合いに差があることに注意しましょう。
「付属」との違い
「付属」は主となるものの一部となるので、「付属のパーツ」「付属中学」などものに対して使われることが多いです。
「随伴」との違い
「随伴」は目上の人などに共として付き従うことです。「ある物事につれて他のことが起きること」の意味もあり、これは「付随」と同じ意味ですが、こちらの意味ではほとんど使われません。
「追随」との違い
「追随」は後から従うことです。「随伴」は了承の上で付いていくのに対し、「追随」は了承されていない場合もあります。
「付随」の対義語
「付随」には以下のような対義語があります。
- 別個:別のものであること
- 独立:他のものから離れて別になっていること
- 退散:集まっている人々が退き散ること
「付随」の英語訳
「付随」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- accompany
(伴う) - attend
(随行する) - incidental
(付随的な) - simultaneous
(同時に)
まとめ
以上、この記事では「付随」について解説しました。
読み方 | 付随(ふずい) |
---|---|
意味 | ある物事が他の主たる物事に付き従う関係にあること |
語源 | 「ぴったりとくっつける」「従う」という意味の漢字から |
類義語 | 付帯、付属、随伴など |
対義語 | 別個、独立、退散 |
英語訳 | accompany, attendなど |
「付随」は汎用性が高く、さまざまな場面で使うことのできる言葉です。ぜひ活用しましょう。