フラジャイルとは「壊れやすい」という意味です。
音楽やドラマのタイトルにもなっており、言葉の意味を知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。
また、似たような単語「フラジール」との違いを知りたい方も多いでしょう。
この記事では、フラジャイルの意味やフラジールとの違い、さらには「フラジャイル」というタイトルの曲やドラマについても紹介します。
このページの目次
「フラジャイル」の意味
壊れやすい
例:このガラス細工はフラジャイルなので、気をつけてください。
フラジャイルは、「壊れやすい」という意味のカタカナ語です。
さまざまな単語に対して使うことができ、単純に物が壊れやすいこと以外にも、繊細な美しさや精神的な弱さを表現することもあります。
「壊れやすい」「脆い」などの意味を持つ英単語 “fragile” がもとになっています。
形容詞としても使いますが、フラジャイルという単語を単体で使うと「割れ物注意」という意味にもなります。
「フラジャイル」と「フラジール」の違い
「フラジャイル」と「フラジール」は同じ意味の単語です。
もとになった単語はどちらも “fragile” で、「フラジャイル」と読む場合は英語、「フラジール」と読む場合はフランス語読みです。
なお、英語で “fragile” という場合、発音は「フラジャイル」よりも「フラジャル」や「フラジル」の方が近いです。
特に「ラ」にかなり強いアクセントが来て、後ろの「gile」は巻き舌気味にさらりと発音します。
「フラジャイル」「フラジール」というタイトルの作品
「フラジャイル」「フラジール」というタイトルの作品は多くあります。
それぞれ紹介していきます。
「フラジャイル」という漫画/ドラマ
『フラジャイル 病理医岸京一郎の初見』という漫画があります。
この漫画の原作は草水敏さんで、作画は恵三朗さんです。2014年に月刊紙で連載がスタートしました。
舞台は医療現場で、変わり者で病理医の主人公・岸京一郎の活躍を描いた物語です。
2016年には、『フラジャイル』というタイトルでドラマ化がなされ、TOKIOの長瀬智也さんが主演を務めました。主題歌も “fragile” で、TOKIOが歌いました。
「フラジール」という曲
フラジールというタイトルで有名な曲は2つあります。
- 「fragile」/Every Little Thing
2001年の曲 - 「フラジール」/ぬゆり
2016年のボカロ曲
「fragile」/Every Little Thing
「fragile」は、2001年にEvery Little Thingが発表したシングルです。
Every Little Thingはもともと3人で結成されていたグループで、ヴォーカルと作詞を担当する持田香織さん、ギター・作曲・編曲を担当する伊藤一朗さん、そしてキーボード担当の五十嵐充さんが所属していました。
1996年にデビューし、3枚目のシングル「Dear My Friend」が大ヒットして有名になります。8枚目のシングル「Time goes by」ではミリオンも獲得しました。
しかし、「fragile」発表前にキーボード担当の五十嵐さんが抜けてしまいます。そのときの、作詞の持田さんの不安定な心が現れているのが「fragile」だと言われています。
「fragile」は2人になったあとのEvery Little Thingの中で最も売れたシングルです。
「あいのり」というフジテレビ系の人気番組の主題歌にもなり、第34回日本有線大賞で「有線音楽優秀賞」、第43回日本レコード大賞で「金賞」を獲得し、2001年のNHK紅白歌合戦でも歌われました。
なお、「fragile」のPVは、「Graceful World」のPVと関連性があるとされています。
どちらにも成田空港へ向かう女性が登場し、タクシーに乗れた世界と乗れなかった世界が描かれています。
「フラジール」/ぬゆり
「フラジール」は、2016年にぬゆりというアーティストが発表したボカロ曲です。
ぬゆりさんは繊細で複雑な曲が持ち味で、中でも「フラジール」はタイトル/動画/音楽ともに不安定な美しさを持っている代表曲です。
特に曲冒頭のスロー再生と、それに合わせて壊れていく動画の文字が胸をざわつかせます。このミステリアスな雰囲気に、動画を停止しながら一文字ずつ意味を確認するファンもいます。
ニコニコ動画での再生回数は300万回以上、マイリスト登録数は2.5万回以上(2021年12月現在)と、トリプルミリオンを達成した非常に有名な曲です。多数の歌ってみたも投稿されています。
「フラジャイル」の使い方
フラジャイルは、以下のような使い方で使われることが多いです。
- FRAGILEという注意書き
- 曲やドラマなどのタイトル
- 「フラジャイル・ファイブ」という複合語
- 「フラジャイル」単体
それぞれ詳しく見ていきましょう。
使い方①:FRAGILEという注意書き
1つめの使い方は、「FRAGILEという注意書き」です。
注意書きで「FRAGILE」または「fragile」と書いてある場合は、日本語ではいわゆる「割れ物注意」の意味とほぼ同じです。
英語圏だけではなく、フランス語圏でも使われている表現です。
例文は以下の通りです。
- FRAGILE!!(割れ物注意)
- fragile items(割れやすい品物)
使い方②:曲やドラマなどのタイトル
2つめの使い方は、「曲やドラマなどのタイトル」です。
先ほども紹介したように、さまざまな作品のタイトルとして「フラジャイル」「フラジール」が使われています。
使い方③:フラジャイル・ファイブという複合語
3つめの使い方は、「フラジャイル・ファイブという複合語」です。
フラジャイル・ファイブとは、国内の経済基盤が貧弱であり、国際的な金融環境の影響を特に受けやすい5ヶ国(ブラジル・インド・インドネシア・トルコ・南アフリカ)の総称です。
また、これら5ヶ国の通貨のことも「フラジャイル・ファイブ」と言います。2013年にアメリカの大手金融グループ、モルガン・スタンレーが名付けました。
例文は以下の通りです。
- フラジャイル ・ファイブの共通点の1つは、高いインフレ率だ。
- フラジャイル・ファイブは恐慌が起こると大きく暴落する。
使い方④:フラジャイル単体
4つめの使い方は、「フラジャイル単体」です。
日本語でフラジャイルを単体で使うことはほぼありません。基本はこれまで紹介した英語での使い方や、曲やドラマのタイトル、または「フラジャイル・ファイブ」という複合語で使います。
単体で使う場合は、「脆(もろ)い」「壊れやすい」という意味合いで使います。
例文は以下の通りです。
- やっぱり安物だからか、随分とフラジャイルだなあ。
- 万年筆はフラジャイルだが、だからこそ楽しい。
「フラジャイル」の語源
フラジャイルの語源はラテン語の “fragilis” です。
英語の “fragile(フラジャイル)” もフランス語の “fragile(フラジール)” もラテン語の “fragilis” が主になっています。
なお、英語でフラジャイルと似た意味を持つ “frail(ひ弱)” も、同様にラテン語の “fragilis” を語源としています。
「フラジャイル」の類義語
カタカナ語の「フラジャイル」の類義語は特にありませんが、英語の “fragile” には以下のような類義語があります。
- frail
ひ弱 - delicate
体や物などが弱い - flimzy
物が壊れやすい - weak
体や物などが弱い - thin
体が細い - feeble
体力や知能などが弱い - faint
体力などが弱い - puny
小さくて弱々しい - infirm
精神的・身体的に弱い - brittle
物などが固いがもろい
いずれも英語の “fragile” と似た意味を持ちますが、ニュアンスがやや異なるので、以下のように重ねて使うこともあります。
- delicate and fragile
(繊細でとてももろい) - weak and fragile
(弱々しく、もろい) - thin and fragile
(華奢で繊細、主に人に対して使う)
「フラジャイル」のまとめ
以上、この記事ではフラジャイルについて解説しました。
英語表記 | フラジャイル(fragile) |
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意味 | 壊れやすい |
語源 | ラテン語の “fragilis” |
類義語 | frail(ひ弱) delicate(体や物などが弱い) flimzy(物が壊れやすい) |
フラジャイルとフラジールの意味を知っていると、音楽やドラマなどがより楽しめます。