今回ご紹介する言葉は、熟語の「一献(いっこん)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「一献」をざっくり言うと……
読み方 | 一献(いっこん) |
---|---|
意味 | 一杯の酒、酒の振る舞われる宴 |
語源 | 客が酒を三杯飲んだら料理を片付けるという昔の風習 |
類義語 | 一杯など |
英語訳 | a glass of ~ , May I offer you a glass of wine? |
このページの目次
「一献(いっこん)」の意味をスッキリ理解!
「一献(いっこん)」の「献」は「けん」と読み間違えられがちですが「こん」と読みます。料理メニューという意味の「献立(こんだて)」の「献」です。
「一献(いっこん)」の意味を詳しく
「一献(いっこん)」には以下の二つの意味があります。
- 一杯の酒
- 酒の振る舞われる宴
どちらの使い方でも「一献」は言葉自体に敬意が込められています。そのため、友人や同僚など同じ立場の相手に対しては使いません。
意味①:一杯の酒
宴にて、最初に振る舞われる酒のことを「一献」と言います。
また、最初の一杯だけでなく、三杯目までは「一献」と表現することができます。
意味②:酒の振る舞われる宴
「一献」は酒の振る舞われる宴を指すこともあります。
「一献(いっこん)」の使い方
- まずは一献。
- 一献お願いします。
- 一献を傾ける。
①の例文は、目上の人にお酌するときのていねいな言葉です。
②の例文は、目上の人に対して使う「どうぞお召し上がりください」という意味の言葉です。自分が酒を飲むことではないので注意しましょう。
③の例文は、お酒の席に誘う際の文句です。お酒を飲む時に容器を傾けることからできた表現です。
「一献(いっこん)」の語源
「一献(いっこん)」の語源は、昔の風習にさかのぼります。
昔は客をもてなす際、酒と料理をセットで出していました。客が酒を三杯飲むと料理を下げるということが礼儀で、これは「一献」と呼ばれていました。
ここから、三杯目までの酒のことを「一献」と表現するようになったのです。
「一献(いっこん)」の類義語
「一献(いっこん)」には以下のような類義語があります。
- 一杯:少し酒を飲むこと
「一杯」をよりていねいにした表現が「一献」です。
「一献(いっこん)」の英語訳
「一献(いっこん)」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- a glass of ~
(一杯の~) - May I offer you a glass of wine?
(ワインを一杯いかがですか)
“a glass of ~”の意味
“a glass of ~” はグラス一杯の飲み物を指す表現です。
カップに入った飲み物を指す場合は“a cup of ~” を使います。
一般的には冷たい飲み物には “a glass of ~” を、温かい飲み物には “a cup of ~” を使います。
“May I offer you a glass of wine?” の意味
“May I offer you a glass of wine?” は相手にワインをすすめる表現です。
「日本酒」は英語でなんと言う?
日本酒は英語でもそのまま “sake”(サケ) と言います。「目的」という意味の “sake”(セイク) とスペルは同じですが、読み方は違います。
また米が原料であることから “rice wine” と表現することもあります。
まとめ
以上、この記事では「一献(いっこん)」について解説しました。
読み方 | 一献(いっこん) |
---|---|
意味 | 一杯の酒、酒の振る舞われる宴 |
語源 | 客が酒を三杯飲んだら料理を片付けるという昔の風習 |
類義語 | 一杯など |
英語訳 | a glass of ~ , May I offer you a glass of wine? |
「一献」は敬意の込められた表現です。そのため、同僚や友人に使うことはできませんが、目上の人に使うことで、好印象を与えることができます。