「交番」と「派出所」と「駐在所」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

皆さんの住んでいるまちにもきっと交番や派出所や駐在所があると思います。この記事では意外と分からない「交番」と「派出所」と「駐在所」の違いを解説します。

結論:「交番」と「派出所」は同じもので「駐在所」は勤務の仕方が違う

「交番」は警察官が交代で24時間勤務しています。

「派出所」は交番と同じものを指し、昔使われていた呼び名です。

「駐在所」は警察官が常駐し、居住しています。

はじめに

冒頭でもお伝えしましたが、交番と派出所は同じものを指しています。平成6年の警察法改正前までの正式名称が「派出所」であり、平成6年の警察法改正後からの正式名称が「交番」となっています。

ですのでここからは、「交番」と「派出所」、「駐在所」という風に分けて詳しく解説していきます。

「交番」と「派出所」をもっと詳しく

交番(派出所)とは、まちの要所に設置された警察官の詰め所です。現在全国に6000ヶ所以上あります。複数の警察官(通常は2~3人)が「交」代で「番」をしています。警察官は24時間体制で勤務しており、一日中まちの安全を守るべく活動しています。そのため、交番には仮眠部屋があります。

通常は、各交番の担当地域内の治安維持を行っていますが、緊急時にはその地域外に出勤することもあります。

交番は日本独自の制度ですが、現在韓国や台湾、シンガポールやハワイ、インドネシアやブラジルなどに交番制度が輸出されています。海外では交番は日本の治安の良さの要因の一つとして考えられています。地域の治安維持はもちろん、住民が困ったときに頼ることができる、地域密着の優れたシステムです。

また、交番には「幹部交番」と呼ばれるものが存在します。これは、ある程度の人口がありながらも、人員や予算の関係で警察署が置かれない地域に置かれる交番です。近年地方では、市町村の合併による警察署の統廃合により廃止された警察署を、幹部交番に置き換えるケースが増えています。

警備派出所について

先ほど、交番と派出所は同じものを指すと説明しました。派出所とは昔の呼び方で、現在一般の交番に対して派出所とは言いません。しかし派出所がなくなったわけではなく、今でも「警備派出所」というものが存在します。

警備派出所は交番の出張所という意味合いを持っており、空港や大使館、各種公邸などに設置されています。登山シーズンの富士宮など、臨時で設置されるものもあります。

事故や事件が多い場所に設置されるため、通常の交番より捜査にあたる頻度が多いようです。

「駐在所」をもっと詳しく

駐在所は機能自体は交番と同じです。しかし、複数の警察官が交代で勤務しているのではなく、一人の警察官が勤務し、家族と一緒に住めるようになっています。居住しながら24時間治安維持にあたります。

基本的に人口が少なく、治安が良いところにあるため、危険な業務は少なく、その代わり住民のサポートの業務が多いことが特徴です。

駐在所というと、地方や山間部にあるイメージがあると思いますが都市部にも存在します。1990年代後半から、都市部にも駐在所が増え、東京23区内にも約60ヶ所存在します。それだけ地域と密着した警察官は重要なのです。

まとめ

以上、この記事では、「交番」「派出所」「駐在所」の違いについて解説しました。

  • 交番:警察官が交代で24時間勤務している。
  • 派出所:交番と同じ施設の別称。
  • 駐在所:警察官が常駐し居住している。

それぞれの違いについて分かっていただけたでしょうか。いずれもまちの安全を守ってくれる大切な存在ですのでしっかり覚えておきましょう。