今回ご紹介する言葉は、熟語の「益々(ますます)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「益々」をざっくり言うと……
読み方 | 益々(ますます) |
---|---|
意味 | 前よりも一層甚だしくなること |
類義語 | より一層、更なる、以前にも増してなど |
英語訳 | more and more(もっともっと) |
「益々」の意味をスッキリ理解!
「益々」の意味を詳しく
「益々」とは、前にもまして何かが甚だしくなることを指します。「ますます」と意味は同じですが、「益々」と漢字表記する場合はプラスの意味のとき、とりわけ何かしらの利益が上がるときによく使います。
益という字は「役に立つこと」「もうけ」「利益」などの意味を持ちます。それを二つ重ねて「前よりもさらに利益が上がる」というニュアンスの言葉になります。
このようないい意味を持つ「益々」を相手に対して使うことで、「今よりも相手が幸せになりますように」という願いを込めることができます。そのため、手紙のあいさつや締めの文章などでよく使われる言葉です。
「益々」の使い方
- 益々のご活躍をお祈り申し上げます。
- 貴社益益ご隆盛のこととお慶び申し上げます。
- 我が社の益々の発展を祈って、乾杯!
上記の例文のように、「益々」は尊敬語とともに相手へのあいさつとして使われます。
①は非常によく使われる表現です。相手が今よりもさらに活躍できるように祈っています、という意味の文章です。手紙や書類の締めに使われることが多いです。なお、「益々」そのものに尊敬の意味はないので、後ろに続く言葉は尊敬語にするようにしましょう。
それに対し、②は手紙の前文で使われることの多いフレーズです。「お慶び申し上げます」は、「私も嬉しいです」という意味で、この文章は「相手が前よりも一層栄えていて、私も自分のことのように嬉しいです」という意味になります。
また、②では益々をあえて「益益」と書いています。こうすることで、さらに改まった表現にすることができます。
③は①②とは少し違い、自分の会社の一層の発展を願っている言葉です。このように益々は自分の会社にも使えますが、その場合は後ろに続く言葉から「ご」を取ります。
このように、益々はプラスの言葉とともに使うことで、誰かの今以上の幸せを願ったり喜んだりすることができます。とても縁起の良い言葉です。
「ますます」と「益々」の使い分け
ますますと益々は意味も音も同じなのですが、使える場所や含むニュアンスが違います。表にまとめました。
マイナスの意味でも使える | 利益に関係ない事柄でも使える | かしこまった場で使える | |
ますます | ○ | ○ | ○ |
益々 | × | △ | ◎ |
なお、増々という表記もありますが、現在はほぼ使われていません。
「益々〜お祈り申し上げます」に使える言葉
「益々〜お祈り申し上げます」「益々〜お慶び申し上げます」というフレーズを目にすることは多いですが、ここに入る「ご隆盛」「ご健勝」の意味をきちんと知る機会は少ないのではないでしょうか。以下に代表的なものをまとめました。
- ご活躍:大いに仕事をすること、また結果を出すこと (※個人にも企業にも使う)
- ご発展:勢いが広がって栄えていく
- ご隆盛:栄えること (※企業に使う)
- ご健勝:健康であること (※個人に使う)
- ご清祥:健康で幸せに暮らしていること (※個人に使うが、企業にも使える)
- ご清栄:相手の無事や健康と繁栄を願うこと (※個人に使う)
「益々」の類義語
益々には以下のような類義語があります。
- より一層:前よりもさらに
- 輪をかけて:以前よりもなお (※あまり使わない)
- 更なる:今よりも (※会社や国家など、大きな対象に対して使う)
- 一段と:前よりももっと (※以前と比べて、はっきりと差がある場合に使う)
- 以前にも増して:前よりさらに
いずれもプラスの意味でもマイナスの意味でも使えます。
「益々」の英語訳
益々を英語に訳すと、次のような表現になります。
- more and more
(もっともっと)
単純に “more” (もっと)だけでも、益々という言葉のニュアンスを表すこともできます。
まとめ
以上、この記事では「益々」について解説しました。
読み方 | 益々(ますます) |
---|---|
意味 | 前よりも一層甚だしくなること |
類義語 | より一層、更なる、以前にも増してなど |
英語訳 | more and more(もっともっと) |
手紙やメールなどでかなり頻繁に出てくる単語であり、コミュニケーションにも役立つ単語です。使い慣れましょう。