今回ご紹介する言葉は、熟語の「校了(こうりょう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「校了」をざっくり言うと……
読み方 | 校了(こうりょう) |
---|---|
意味 | 出版物などの修正が全て完了したこと |
類義語 | 責了など |
英語訳 | Ready for the press(印刷できる状態です) |
「校了」の意味をスッキリ理解!
「校了」の意味を詳しく
「校了」とは、出版物などの修正が全て完了し、印刷してもよい状態になることです。出版関係で使われる単語です。
校は「学校」の「校」です。出版関係には、同じ「校」を使う「校正」「校閲」という単語があります。これらはどちらも原稿の確認・修正を行うことを指す単語で、「校」一文字でも似たような意味合いで使われます。
了は「終了」「完了」などに使われており、何かが終わることを指します。この二つが組み合わさり、「出版物などの修正が全て完了した状態」を指すようになりました。
一般的に、本が出版されるまでの流れはこのようになっています。
- 入稿:ライターから原稿が提出されます。
- 初校:提出された原稿を試し刷りし、1回目の校正・校閲を行います。状況によっては、ライターに差し戻しなどもします。
- 再校:修正結果を反映して試し刷りを行い、2回目の校正・校閲を行います。
- 三校・四校など:必要に応じて、この校正・校閲を複数回繰り返します。しないこともあります。
- 責了:残るミスがちょっとした誤字脱字のみなど、簡単なミスしかないときに使います。「これ以上の修正箇所があってもライターには返さず、校正担当者の責任で修正します」という意味です。
- 念了:最終チェックをします。しないこともあります。
- 校了:修正が全て完了し、印刷ができる状態になったことを示します。
- 下判:印刷します。
これらは本が出版されるときの流れになりますが、このうち印刷以外のプロセスは、インターネット記事の場合にも用いられることのある手順です。
「校了」の使い方
- こちらで問題ありません。校了です。
- 校了のご連絡をいただいたのち、印刷に入らせていただきます。
- 大変申し訳ないのですが、現在校了を控えておりますため、後ほど改めてご連絡させていただきます。
- 校了日は〇〇日だから、ライターの入稿締め切りは××日にしよう。
上記の例文のように、「校了」は「完了」と似たような意味合い・ニュアンスで使われます。
①は最も標準的な使い方になります。原稿に修正するべきところはありません、このまま印刷しても大丈夫です、という意味の文です。なお、修正すべき点があった場合は「校了」とはならないので、注意しましょう。
②は印刷業者からの連絡によく見られる文章です。最終的なチェックまでが完了した後に実際の印刷を開始します、という意味です。
③は校正者が自分の事情を説明している文章です。特に校了前は校正者にとって非常に忙しい時期であるため、その事情がわかっている人に対してはこのような文章を書き、「忙しいので、後ほどお返事します」ということを伝えることがあります。
④は校了を使った複合語、「校了日」を使った例文です。校了日は「校了を終えるべき日」を意味する単語で、出版物を作る上での一つの目安になります。この校了日を目安にして、ライターの締め切りを決めよう、という文です。
このように、「校了」は校正の中でも「完了」のニュアンスが強い単語であり、使い方には注意が必要です。
「校了」の類義語
校了には以下のような類義語があります。
- 責了:これ以上の修正箇所があっても、校正担当者の責任で修正して印刷までやります、という宣言のこと
「校了」の英語訳
校了を英語に訳すと、次のような表現になります。
- OK the proofs
(最終版はこれで大丈夫です) - The proof were OK’d
(最終版の完全なチェックが完了しました) - Ready for the press
(印刷できる状態です)
OK単体でも「校了」の意味で使うことはありますが、上記のようにproofという単語と組み合わせると、明白に「校了」の意を示すことができます。
まとめ
以上、この記事では「校了」について解説しました。
読み方 | 校了(こうりょう) |
---|---|
意味 | 出版物などの修正が全て完了したこと |
類義語 | 責了など |
英語訳 | Ready for the press(印刷できる状態です) |
普段聞き慣れない言葉ですが、出版に関する他の単語と比べてみるとわかりやすいです。