「コック」と「シェフ」の違いとは?使い分けまでわかりやすく解説

違いのギモン

西洋料理を作る料理人のことを何といいますか?おそらく「コック」という人と、「シェフ」という人がいるでしょう。それらはどちらも正解です。

しかし、実はこの2つの言葉は同じ料理人を表す言葉でありながら、違う意味の言葉なんです。なかなか日常生活で意図して使い分けることはないので、正確な定義は知らない人も多いと思います。

今回は、高級なフランス料理屋には必ずいるであろう、「コック」と「シェフ」の違いについて解説していきます。

結論:「コック」は料理人。「シェフ」は料理長

「コック」と「シェフ」の違いは、料理人としての立場です。

「コック」は料理人のことです。新人からベテランまで、料理を職とする人は全て「コック」です。

一方「シェフ」は料理長のことです。通常1つの店に「シェフ」は1人で、「コック」を教育・指揮します。

「コック」をもっと詳しく


「コック」は、西洋料理の料理人のことです。採用1か月の新人から、料理人歴30年のベテランまで、料理を職業としていればそれは「コック」です。

英語では “cook” です。発音的には「クック」となります。

「コック」は、基本的に「シェフ」やベテランの「コック」からの指示に従い、料理をする役割です。自分で味を調整し、判断するというよりは、言われた通りの仕込み、下準備、調理をこなします。

 

「コック」が着る白い仕事着を「コックコート」と言います。「シェフコート」と呼ばれることもあります。「コックコート」は袖が長いつくりになっていますが、それは熱いフライパンや鍋を袖ごしに持つためです。時間がない時でも、熱いものを時間をかけずに持つことができます。

「コックコート」は、体の前面で服の生地が2重になるようになっています。これは前方からの高熱に強くするための構造です。

また、「コック」が着ける白い仕事用の帽子を「コック帽」といいます。「コック帽」は普通の帽子よりも高い、円柱状のつくりになっていますが、それは通気性を良くするためです。気温が高くなりやすい厨房で、被りやすい帽子であるといえます。

「シェフ」をもっと詳しく


「シェフ」とは、西洋料理の料理長・コック長のことです。フランス語の “chef de cuisine” の “chef” がその名の由来です。 “chef” は「主任、頭」、 “cuisine” は「厨房」の意味があります。

「シェフ」は「コック」を束ね、指導・教育をする役割であり、基本的に1店舗につき1人だけです。その店の料理の味・組み合わせなどを最終的に決定します。

 

「オーナーシェフ」とは、店のオーナーでありながら「シェフ」をやっている人のことです。つまり、経営者兼料理長です。

一方副料理長のことを、フランス語で “sous-chef” といいます。 “sous” には「~の下に」という意味があります。店の料理人の中で「シェフ」に次ぐ存在で、シェフの補佐などを行います。

まとめ

以上、この記事では、「コック」と「シェフ」の違いについて解説しました。

  • コック:西洋料理の料理人
  • シェフ:西洋料理の料理長

「シェフの気まぐれパスタ」というように、「シェフ」が気まぐれでつくった料理がメニューに並ぶことはあります。

本当に気まぐれで作った料理がおいしいのか、と疑問に思う人もいるかもしれません。しかし「シェフ」というからには経験・知識ともに豊富であるはずです。そのため、一定以上の味の質は保障されていると言っていいでしょう。

機会があれば、シェフの気まぐれ料理も味わってみてください。