今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「キャンセルカルチャー」です。
「キャンセルカルチャー」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。
☆「キャンセルカルチャー」をざっくり言うと……
英語表記 | キャンセルカルチャー(cancel culture) |
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意味 | 特定の人物を集団で責める |
語源 | “Please cancel my subscription.” |
類義語 | コールアウトカルチャー、アウトレイジカルチャー、晒など |
このページの目次
「キャンセルカルチャー」の意味をスッキリ理解!
「キャンセルカルチャー」は昔から使われている単語でしたが、インターネットが普及してから注目され、問題視されるようになりました。
インターネットでの批判に限定された言葉と誤解されがちですが、現実世界の問題を指すこともあるという点に注意しましょう。
「キャンセルカルチャー」の意味を詳しく
「キャンセルカルチャー」とは、特定の人物を集団で責めることです。
「キャンセルカルチャー」には、以下のように広義と狭義の二つの使われ方があります。
広義:気に入らないものを安易に切り捨てる行為のこと
狭義:著名人の過去の発言やSNSでの投稿を、文脈に関係なく掘り起こし糾弾すること
最近では、狭義での使われ方の方が多いです。匿名性の高いソーシャルメディアが発展した現代ならではの問題です。
「キャンセルカルチャー」の使い方
- キャンセルカルチャーにより、表舞台から消えた芸能人。
- キャンセルカルチャーは、現代社会における難解な問題である。
- いじめもキャンセルカルチャーのひとつだ。
①の例文では、実際に芸能界で起こるキャンセルカルチャーの例を示しています。
②の例文では、キャンセルカルチャーの社会問題としての難しさについて述べています。
③の例文では、広義のキャンセルカルチャーの例を扱っています。身近な場所でもキャンセルカルチャーは起きています。
「キャンセルカルチャー」の語源
「キャンセルカルチャー」の語源は英語の “Please cancel my subscription.” です。
“Please cancel my subscription.”(私の定期購読を解約して)は、もともと新聞や雑誌の読者が、メディアへの批判として使った言葉です。ここから派生して、生産者と消費者や、芸能人とファンといった関係を “cancel”(取り消す)するという意味で使われるようになりました。
このような“cancel”は、多くの人が行うようになり、やがて“culture”(文化)とまで言われるようになりました。
「キャンセルカルチャー」の類義語
「キャンセルカルチャー」には以下のような類義語があります。
- コールアウトカルチャー:特定の人物を大勢の前で徹底的に責めること
- アウトレイジカルチャー:罪を犯した人を吊るし上げること
- 晒(さらし):罪人の名誉や社会的地位を奪う目的で一定の手続きのもとで公衆に晒すこと
江戸時代の日本では、正式な刑罰として晒が行われていました。このような「恥」を利用した批判は、昔から行われていたということです。
まとめ
以上、この記事では「キャンセルカルチャー」について解説しました。
英語表記 | キャンセルカルチャー(cancel culture) |
---|---|
意味 | 特定の人物を集団で責める |
語源 | “Please cancel my subscription.” |
類義語 | コールアウトカルチャー、アウトレイジカルチャー、晒など |
「キャンセルカルチャー」は、一概に無くすべきとも言えない複雑な問題です。というのは、公的な場において整合性のある言動をしたり、他者から批判されないような行動をすることは、大切なことだからです。
とはいえ、インターネットの匿名性を利用して一方的な正義感を振りかざし、過ちを犯した人物を再起不能なまでに批判することは問題があります。
失敗から反省させる、という「キャンセルカルチャー」の本来の目的を忘れずに活動することが、今後の課題となります。