みなさんも一度は山に登ったことがあると思いますが、山の高さは標高で表されますよね。例えば、日本で一番高い山である富士山の標高は3776mです。
また、海の近くに行くと、「ここは海抜〇〇mです」などのような看板を見ると思います。
ところで、「標高」と「海抜」はどう違うのでしょうか。同じものだと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、「標高」と「海抜」にはきちんと違いがあったんです。
そこで、今回は「標高」と「海抜」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:基準になっている海面が違う
まず、「標高」は、日本では東京湾の平均海面を基準とした土地の高さのことです。
一方、「海抜」は近くの港湾の平均海面を基準とした土地の高さのことです。
「標高」をもっと詳しく
標高とは、日本では東京湾の平均海面を基準とした土地の高さのことです。
しかし、平均的な海面の高さを求めようとしても実際には波があるので、海面の高さをはかるのはとても大変ですよね。
そこで、実際には日本では国会議事堂の前庭に設置された日本水準原点(標高24.3900m)を基準にしています。
そして、それをもとに主な道路ぞいに約2kmごとに水準点が設置されています。これが測量の基準になります。これは全国に2万点ほどあります。
そんな標高は山の高さや地理上の高さを表す時に使われ、登山などで参考になることが多いでしょう。
そして、日本では東京湾の平均海面が基準になっていますが、基準となっている場所は国によって違います。
「海抜」をもっと詳しく
海抜とは近くの港湾の平均海面を基準とした土地の高さのことです。
津波対策、高潮対策で重要な、海に近い場所での表示として用いるために標高とは違う基準になっています。このような場合には近くの海面との比較が重要になりますよね。
これは、災害対策などで用いられることが多いでしょう。
しかし、一般の人は標高と海抜の違いがよくわかっていないので、海抜と標高とで高さが違うと混乱してしまいます。そこで、実際には一部の離島を除いて標高と同じ基準で測量・表示されています。
ちなみに、測量の基準になっている東京湾の平均海面は略してT.P.と呼ばれています。
とはいえ、肝心な津波などへの注意喚起として使うため、海抜〇〇mのあとに、カッコつきで小さな文字で「N.P.〇〇m」、「O.P.〇〇m」などという近海の平均海面からの高さが書かれていることもあります。
ちなみに、N.P.とは名古屋港基準面のことで、O.P.とは大阪湾港基準面のことです。
このように、実際には標高と同じように使われている海抜ですが、「海抜〇〇メートル地帯」などと言う時は必ず「海抜」という表現を使わなければなりません。
まとめ
以上、この記事では、「標高」と「海抜」の違いについて解説しました。
- 標高:日本では東京湾の平均海面を基準とした土地の高さのこと
- 海抜:近くの港湾の平均海面を基準とした土地の高さのこと
標高と海抜は同じようでいて違ったものの、実際には同じように使われているんですね。なので、標高と海抜の違いは豆知識程度に覚えておけば大丈夫でしょう。