今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「コンプレックス」です。
「コンプレックス」の意味、よく使われる意味、使い方、語源、類義語についてわかりやすく解説します。
☆「コンプレックス」をざっくり言うと……
英語表記 | コンプレックス(complex) |
---|---|
意味 | さまざまな心理的構成要素が無意識に複雑に絡み合って形成された観念 |
語源 | 「複合された」という意味の英単語 “complex” |
類義語 | 劣等感 |
このページの目次
「コンプレックス」の意味をスッキリ理解!
「コンプレックス」の意味を詳しく
「コンプレックス」とは、さまざまな心理的構成要素が無意識に複雑に絡み合って形成された観念のことです。
「コンプレックス」は、心理学用語のひとつで、感情、認識、願望、思考などが複合して形成されたものを表す言葉です。
通常この「コンプレックス」は、人の無意識下に存在しており、何か外からの刺激をきっかけにして活性化することが多いです。
「コンプレックス」のよく使われる意味
「コンプレックス」は、本来さまざまな心理的構成要素が無意識に複雑に絡み合って形成された観念を表す言葉です。
しかし、日本では以下のような意味で使われることが非常に多いです。
- 特定の対象に強い愛情を感じること
- 自分が他人よりもどこか劣っていると感じる複合的な心的表象
「特定の対象に強い愛情を感じること」の意味
日本において「コンプレックス」は、「特定の対象に強い愛情を感じること」という意味で使われることが多いです。
有名なのは以下のような使い方です。
- マザーコンプレックス:母に非常に強い愛情を感じること
- ロリータコンプレックス:幼い少女に性愛などを感じること
- シスターコンプレックス:姉妹に非常に強い愛情を感じること
「マザコン」「ロリコン」など、略して使われることがほとんどです。
ただし、これらの用語は和製英語で、精神医学用語ではありません。
「他者と比べることで感じる劣等感」の意味
「コンプレックス」は、さまざまなものを含んだ広い意味の言葉です。しかし、日本では「劣等コンプレックス」の意味で使われることが多いです。
「劣等コンプレックス」は、精神医学用語のひとつで「自分が他人よりもどこか劣っていると感じる複合的な心的表象」のことです。
「コンプレックス」の使い方
「コンプレックス」には以下のような使い方があります。
- マザーコンプレックスのある男の人は好かれない。
- 自分の背の低さにコンプレックスを持っている。
「コンプレックス」の語源
「コンプレックス」の語源は英語の “complex” です。
英語の “complex” は、以下のような意味があります。
- 複合の
- 合成された
- 入り組んだ
- 複雑な
もともとは、入り組んでいる状態を表す形容詞だったことがわかります。
ここから、フロイトが「入り組んだ感情」「複合的な観念」などの意味で使用するようになりました。
「コンプレックス」の類義語
「コンプレックス」には以下のような類義語があります。
- 劣等感:自分が他人に劣っていると感じること
「コンプレックス」と「劣等感」の違い
「コンプレックス」の中でも「劣等コンプレックス」は、「劣等感」と同じ意味で使われることがあります。しかし、「コンプレックス」は「劣等感」よりも極端な反応を伴うことが多いです。
たとえば、背が低いことに劣等感がある人は、背の高い人と並ぶときに「恥ずかしい」と感じます。
一方で、背が低いことが劣等コンプレックスがある人は、背が低いことを揶揄されると激昂(げきこう)して殴り掛かります。
まとめ
以上、この記事では「コンプレックス」について解説しました。
英語表記 | コンプレックス(complex) |
---|---|
意味 | さまざまな心理的構成要素が無意識に複雑に絡み合って形成された観念 |
語源 | 「複合された」という意味の英単語 “complex” |
類義語 | 劣等感 |
「コンプレックス」は、本来の意味とは違った意味で使われることが多いです。本来の意味や類義語との違いをしっかりと理解しておきましょう。