モックアップとは「製品の外観のみ、または内部構造のみを再現した模型」という意味です。
モックアップはビジネスにおいて非常に重要な言葉ですが、その意味を知らない人も多いですよね。
この記事では、モックアップの意味や作る目的、メリットなどを詳しく解説します。
☆「モックアップ」をざっくり言うと……
英語表記 | モックアップ(mock-up) |
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意味 | 製品の外観のみ、または内部構造のみを再現した模型 |
語源 | 「模型を作る」という意味の英単語 “mock-up” |
類義語 | プロトタイプ 模型など |
このページの目次
「モックアップ」の意味
製品の外観のみ、または内部構造のみを再現した模型
例:モックアップで確認しましょう。
モックアップとは、試作品の模型のことです。
主に工業製品などを作る際に、その製品のデザインや外観を、実物と同じ形に作った模型を表します。
サイズは実寸大に作られることもありますが、大きい工業製品などの場合、縮小した小さいサイズで作られる場合もあります。
外観は実物通りに作られますが、内部のシステムや仕組みまで完璧に作られているわけではありません。
あくまで中のシステムは空洞であり、外側だけを再現した模型を表すのです。
工業製品のモックアップなど、実物の素材が金属であっても、安価で加工がしやすい以下のような材料を使うことがほとんどです。
- 木材
- プラスチック
- 合成樹脂
- 板紙
また、商品の設計段階で外見や機能の確認のために作られることが多いモックアップですが、商品の展示のために作られることもあります。
たとえば、自動車の展示会で展示するためにまったく同じ見た目のモックアップが使われるのです。
モックアップは、「モック」という略称で呼ばれることもあります。
「モックアップ」のITでの意味
ITにおけるモックアップは、Webサイトやソフトウェアを作る際に、完成後に実際に表示される画面を再現した画像を表します。
Webサイトやソフトウェアとして機能するものではなく、そのサイトの外観のみを表した画像のことです。
また、それとは正反対に、内部装置のみが再現されており、外観を省略した電子機器などの模型もモックアップと呼ばれます。
この場合のモックアップは、製品が上手く機能するのかを確認する目的で作られるため、外観は再現しないのです。
「モックアップ」を作る目的
モックアップは、以下のような目的で作られます。
- 外観デザインの検討
- 設計上の問題の発見
- クライアントとのイメージの確認
目的➀:外観デザインの検討
モックアップは外観やデザインの検討のために作られます。
平面上では確認できないリアルなイメージを掴むために、実際と同じ形のモックアップを作るのです。
この目的のために作られるモックアップは、色まで忠実に再現されることが多いです。
目的➁:設計上の問題の発見
モックアップは、設計上の問題の発見のために作られることがあります。
たとえば、部品と部品が干渉してしまい、うまく動かない部分がないかなどを確認するのです。
この目的で作られるモックアップは、色などは再現せず、その代わりに細部の部品などを忠実に再現します。
目的➂:クライアントとのイメージの確認
モックアップは、クライアントとの間で、完成品のイメージに齟齬を生じさせない目的で作られることがあります。
このような目的を持つモックアップは、主にITのウェブデザインにおいて作られることが多いです。
ウェブサイト制作の際には、クライアントとの間で事前に目的やコンセプトを相談して決めてあります。
しかし、そのコンセプトがイメージ通りに表現できているかを、完成前に確認してすり合わせる必要があるのです。
「モックアップ」の使い方
モックアップは名詞として使われます。
また、「何の模型なのか」を言う必要があるので、「〇〇のモックアップ」という形で使われることが多いです。
- 新製品のモックアップが完成したようだ。
- モックアップで見つかった修正点を見直しましょう。
- サイトのモックアップをクライアントへ送っておきました。
モックアップは、家電業界、自動車業界、建築業界で使われることが多いです。
自動車や家電のモックアップは、商品設計や展示のために実寸大でつくられ、建築物は縮小したサイズでつくられます。
「モックアップ」の語源
モックアップの語源は「模型を作る」という意味の英単語 “mock-up” です。
英語の “mock-up” は名詞ではなく動詞で、以下のような意味を持ちます。
- ~の実物模型を組み立てる
- ~の実物大模型を作る
- でっち上げる
これをカタカナ語として表記したのがモックアップです。
カタカナ語のモックアップは、 “mock-up” とは違い、名詞として使われる点に注意しましょう。
また、モックアップには「でっちあげる」という意味はありません。
「モックアップ」の類義語
モックアップには以下のような類義語があります。
- プロトタイプ
動きを伴う試作品 - 模型
見た目を実物に似せて三次元的に造形したもの - ワイヤーフレーム
WEBページのレイアウトを決める設計図 - スケッチ
事物を大まかに写した画・アイディアを描きだす工程 - 起こし絵
日本伝統の折畳み式の簡易模型 - 木型
製品の外観や機能の確認のためにつくられる原型 - ジオラマ
立体模型 - 縮尺模型
対象の物を、縮尺に基づいて忠実に再現した模型 - スケールモデル
対象の物を、縮尺に基づいて忠実に再現した模型
「モックアップ」と「プロトタイプ」の違い
モックアップは、デザインや外観の設計を確認するために作られることが多いです。
それに対してプロトタイプとは、外観だけでなくその製品の動きも伴う試作品のことを表します。
つまり、プロトタイプの方がより実物に近い模型なのです。
「モックアップ」の関連語
モックアップには以下のような関連語があります。
- デジタルモックアップ
コンピューター上で3Dで作られるモックアップ - ホットモックアップ
特に完成品に近い動作を行うモックアップ - アクティブモックアップ
特に完成品に近い動作を行うモックアップ
「デジタルモックアップ」の意味
プラスチックなどの材料を使うのではなく、コンピューター上でプログラムとして作成する模型をデジタルモックアップと言います。
製品の形を、3Dのグラフィックを用いて、3次元的に画面上に映し出すのです。
デジタルモックアップは画面上で回転させたり、動かしたりできます。
モックアップを物理的に作製するより、デザインの変更が簡単だったり、コストが低くなったりするというメリットがあり、近年ではよく用いられています。
「モックアップ」を作るメリット
モックアップを作るのには、以下のようなメリットがあります。
- 視覚的なイメージを確認できる
- イメージが共有できる
- 修正・変更が安易にできる
それぞれのメリットを詳しく解説します。
メリット➀:視覚的なイメージを確認できる
モックアップは、それまで頭でイメージしていた製品の完成形を、視覚化して確認することができます。
もちろん、製品を作る前の段階で平面的にはデザインをしていますが、それを立体的な形に起こすことで、よりリアルなイメージをつかむことができるのです。
メリット➁:イメージが共有できる
モックアップを作ることで、イメージが共有できるというメリットがあります。
複数人が携わるプロジェクトの場合にはチームでイメージを確認できますし、クライアントとのイメージを共有するのにも役立ちます。
メリット➂:修正・変更が安易にできる
モックアップの最大のメリットは、修正や変更が安易にできるという点です。
モックアップは加工が簡単で安価な材料で作られます。
そのため、実際に完成品作る場合よりも、修正のリスクを低く抑えることができるのです。
「モックアップ」の作成方法
ITにおけるモックアップを作成する方法は、以下のように複数の手段があります。
- モックアップジェネレーターを使用する
- モックアップ作成ツールを活用する
- システム開発会社に委託する
方法➀:モックアップジェネレーターを使用する
モックアップジェネレーターは、モックアップ用の素材をダウンロードできるサイトです。
具体的には、以下のような素材が用意されています。
- Webページ
- アプリの画面
- 製品のパッケージ
- 名刺
- Tシャツ
モックアップジェネレーターに、指定のデザインや文字列をアップロードすることで、上記の素材と組み合わせた時の製品イメージを可視化できます。
つまり、実物が手に取れるわけではなく、ソフトウェア上でデザインがどのようになるかを確認できるというツールなのです。
方法➁:モックアップ作成ツールを活用する
モックアップ作成ツールとは、特にITにおけるモックアップを作るためのソフトウェアです。
基本的なデザイン機能の他にも、フィードバックができるコメント機能や、モックアップを同時に編集できる機能が付いていることが多いです。
方法➂:システム開発会社に委託する
システム開発会社に委託することで、完成後のWebサイトの画面というモックアップを作成できます。
ただし、上記の2つに比べて自力で作る方法ではなくなるため、費用は高くなる傾向があります。
「モックアップ」のまとめ
以上、この記事ではモックアップについて解説しました。
英語表記 | モックアップ(mock-up) |
---|---|
意味 | 製品の外観のみ、または内部構造のみを再現した模型 |
語源 | 「模型を作る」という意味の英単語 “mock-up” |
類義語 | プロトタイプ 模型など |
モックアップの意味だけでなく、類義語との違いなどもしっかりと理解しましょう。