今回ご紹介する言葉は、熟語の「終焉(しゅうえん)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「終焉」をざっくり言うと……
読み方 | 終焉(しゅうえん) |
---|---|
意味 | 命が終わること。晩年を送ること。物事の終わり。 |
語源 | 「尽きる」「ここに」という意味の漢字から |
類義語 | 永眠、逝去、絶命など |
対義語 | 誕生、生誕、起源など |
英語訳 | die, pass away, demise |
「終焉」の意味をスッキリ理解!
「終焉」の意味を詳しく
「終焉」は、3つの意味で使われます。
- 命が終わること
- 晩年を送ること
- 物事の終わり
①の意味が代表的です。人の命が尽きること、生命が終わることを意味します。
②の意味は、余生を静かに過ごすこと、落ち着く場所で晩年を送ることです。
③の意味は、①の意味が比喩的に用いられることで派生した意味です。何らかの活動や状況が終わること、物事の最後を意味します。
「終焉」の使い方
- 彼は病院で終焉を迎えた。
- その作家は故郷を終焉の地に選んだ。
- 世界的パンデミックは、アメリカの景気拡大を終焉させた。
- ブームが終焉してもなお、生き残る店の秘訣を取材した。
①の例文は、「命が終わること」の意味で使われています。
②の例文は、「晩年を送ること」の意味で使われています。「終焉の地」はよく使われる言い回しです。著名人の伝記で、その人が亡くなった場所のことを表現する場面などで用いられます。
「命が終わること」「晩年を送ること」の意味で「終焉」を用いる場合は、人に対して使われるので、主語が人になります。
③④の例文は、「物事の終わり」という比喩的な意味で「終焉」を使っています。時代・歴史・ブーム、世界・国、政権・体制、人間関係などのいつ終わるかわからない物事に対して用います。終わる時がわかっているものに対しては使いません。
④の例文のように「終焉」は明るい話題に対しても使われる場合があります。
「終焉」の語源
- 終:最後になる、尽きる
- 焉:ここに
「焉」は、漢文における助字です。句末において語調を整えたり、断定を意味します。「終焉」では「ここに」の意味で使われています。
この2語の意味から、「終焉」は「ここに尽きる」、すなわち「命が尽きること」「晩年を送ること」という意味になりました。
「終焉」の類義語
「終焉」には以下のような類義語があります。
- 永眠:死の婉曲表現であり、永遠の眠りにつくこと
- 逝去:敬意を込めて死を表すこと
- 絶命:命が絶えること
- 最後:物事の一番終わり
- 終局:事が終わること
「永眠」「逝去」「絶命」は、「命が終わること」「晩年を送ること」の意味の類義語です。
「最後」「終局」は「物事の終わり」という比喩的な意味の類義語です。
「終焉」の対義語
「終焉」には以下のような対義語があります。
- 誕生:生まれること
- 生誕:人が生まれること
- 起源:物事のはじまり
- 発端:物事のはじまり
- 端緒:物事のはじまり
「誕生」「生誕」は、「命が終わること」「晩年を送ること」の意味の対義語です。
「起源」「発端」「端緒」はいずれも「物事のはじまり」という意味で、「物事の終わり」の意味の対義語です。
「終焉」の英語訳
「終焉」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- die
(死ぬ・滅びる) - pass away
(消滅する・亡くなる) - demise
(死亡・死去)
上記は「命が終わること」の意味ですが、「物事の終わり」の意味では”come to an end”が使われます。
“demise”は、ある物事の消滅や活動停止を意味することもあります。
以下が例文です。
(その会社は突然終焉した。)
まとめ
以上、この記事では「終焉」について解説しました。
読み方 | 終焉(しゅうえん) |
---|---|
意味 | 命が終わること。晩年を送ること。物事の終わり。 |
語源 | 「尽きる」「ここに」という意味の漢字から |
類義語 | 永眠、逝去、絶命など |
対義語 | 誕生、生誕、起源など |
英語訳 | die, pass away, demise |
「終焉」は文学作品や偉人の伝記などの文書の中で用いられるだけでなく、ブームの終焉など、流行などについて口語的に言及する場合にも用いられます。正しい意味を理解しましょう。