今回ご紹介する言葉は、熟語の「唖然(あぜん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳などをわかりやすく解説します。
☆「唖然」をざっくり言うと……
読み方 | 唖然(あぜん) |
---|---|
意味 | 予想していなかった出来事に驚き、あきれて言葉が出ないさま |
類義語 | 驚愕、呆気にとられる、あんぐり、言葉を失う など |
英語訳 | be surprised(驚く) be shocked(ショックを受ける) be astounded(仰天する) speechless(言葉が出ない) |
「唖然」の意味をスッキリ理解!
「唖然」の意味を詳しく
「唖然」とは、予想していなかった出来事に驚き、あきれて言葉が出ない様子を意味します。
想像をはるかに超える出来事や、常識外れの言動に対してものも言えないくらい驚く時に使われる言葉であるため、少し驚く程度では「唖然」とは言いません。
「唖然」には、マイナスイメージもプラスイメージもあり、驚きあきれて開いた口が塞がらない場合・想像を超えて声が出ないほど感動する場合、どちらにも用いられます。
「唖然」によく似た言葉として、「呆然(ぼうぜん)」がありますが、「呆然」は予想外の出来事のショックで力が抜けて動けずにいるさまを表す言葉です。
言葉が出ないだけの「唖然」より、呆気にとられて動けなくなってしまう「呆然」の方が、より驚きの程度が大きいことがわかります。
また、「愕然(がくぜん)」という言葉も混同しやすいですが、こちらは、思いがけない出来事に衝撃を受けてひどく驚くさまを表す言葉です。
「唖然」は驚いている様子を表しているのに対して、「愕然」は体の反応はどうであれ、信じられないほど驚いている心の状態を表しているのが大きな違いです。「唖然」より「愕然」の方が驚きの度合いは高いといえます。
ニュアンス的には、「唖然」は「一瞬驚いて声も出ない」、「呆然」は「ショックが長く、立ち尽くしてしまう」、「愕然」は「信じられないほどショック」という具合で覚えておくと良いでしょう。
「唖然」の使い方
- あのコメンテーターの差別的な発言には唖然としてしまった。
- 初めて行ったオーケストラのレベルの高さに唖然とした。
①の「唖然」は、「常識外れの言動に驚きあきれてものも言えない」というマイナスイメージの意味で使われています。
②の「唖然」は、「想像以上の感動や喜びを味わった驚きで言葉が出ないほどである」というプラスイメージの意味で使われています。
「唖然」の類義語
「唖然」には以下のような類義語があります。
- 驚愕(きょうがく):ひどく驚くこと
- 呆気(あっけ)にとられる:予想外のことにあって驚くこと
- あんぐり:驚きあきれて、大きく開いた口が閉まらないこと
- 言葉を失う:衝撃や感動のあまりに、何も言えなくなること
「唖然」の英語訳
「唖然」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- be surprised
(驚く) - be shocked
(ショックを受ける) - be astounded
(仰天する) - speechless
(言葉が出ない)
まとめ
以上、この記事では「唖然」について解説しました。
読み方 | 唖然(あぜん) |
---|---|
意味 | 予想していなかった出来事に驚き、あきれて言葉が出ないさま |
類義語 | 驚愕、呆気にとられる、あんぐり、言葉を失う など |
英語訳 | be surprised(驚く) be shocked(ショックを受ける) be astounded(仰天する) speechless(言葉が出ない) |
「唖然」は、思いがけない出来事に声も出ないほど驚く様子を表しており、プラスにもマイナスにも使うことのできる言葉だということがわかりました。
ただ単に「驚く」というよりも、より強いニュアンスをもっているため、ちょっとやそっとびっくりしたくらいでは「唖然とした」とは言いません。
驚きのあまり動けないほどショックである様子の「呆然」、体の状態がどうであるかにかかわらず、ひどく衝撃を受けている心の状態を表す「愕然」、それぞれの意味も合わせて覚えておくとさらに知識の幅が広がるでしょう。